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平和な日常~冬~3

「本当に美味しいわね~」

同じ頃夕映と同じく活躍しているのどかだが、こちらは夕映と同じ一般家庭であるも家族仲がよく普通の家族団らんだった。


「それにしても、ほんと人は見た目によらないのね。」

綾瀬家では多少問題があったアルバイトについては、宮崎家では特に問題は起きてない。

それというのもそもそものどかの両親が横島の話を聞いたのはアルバイトの件が出る随分前であり、一学期の中間テストが終わった頃だったのである。

喫茶店のマスターがとても親切で勉強を教えてくれるのだけど、分かりやすくて成績が上がったと両親に話したのが始まりだった。

実際のどかは一学期の中間以降好成績をキープしていて、夏休みにアルバイトをしたいと話した時も両親は特に反対はしなかったのだ。


「うん! 勉強も料理もとっても凄いよ。」

何よりのどかの母はすでに体育祭で横島と対面済みで挨拶も済ませている。

その時はあまりの若さに驚いたのが本音だったが、その体育祭で横島は野球大会での活躍や木乃香を料理大会優勝に導いたことで2-Aの保護者達の間でも話題になっていた。

加えてのどかがとにかく褒めるので宮崎家では横島の評価が高い。

ちなみに宮崎家には今のところのどかの活躍が全く伝わってなく、当然ながらのどか自身も自覚はない。

両親もまさか娘が一流企業で話題になってるとは思いもしないだろう。

正直ほのぼのとした宮崎家では知らない方が幸せなのかも知れない。



「よろしいですか?」

「うむ、それでいいじゃろ」

一方仕事納めが間近に迫った近右衛門は年末年始の各種調整の最終判断で忙しかった。

ちょうど年末年始の休暇に合わせてフェイトの一件以来上げていた警備レベルを通常に戻す予定で、こちらは調整以外に関係各所への説明も必要で大変である。

加えて横島側との協力以降問題になっていた情報管理の面でのセキュリティの強化は完了しておらず、未だに横島側が提供した機密の類いはデータベースとして管理出来なくごく一部の人員が管理する体制が続いていた。

この件に関しては土偶羅が直接積極的に動けばもっと早いのだが、現状でも魔法協会にはそれの担当者も当然ながら居るわけで明確な失態がない以上は彼らに任せる方が適切であった。

必要な技術提供はすでに行っているが、それをシステムとしてきちんと構築し管理するには今しばらくの時間が必要だろう。


「高畑君はいいのう。 ワシは今年はゆっくり出来そうもないわい。」

「僕に出来るならば替わって差し上げたいのですが……」

そんなこの日も夕方になると次から次へと入れ代わりで報告に訪れる関係者に混じって高畑も年末年始のスケジュールについて近右衛門に報告に来ていたが、高畑に関しては完全に休暇となっていて正月は横島に誘われたのでそちらに顔を出すつもりでいる。

近右衛門としては正月くらいは高畑も麻帆良を離れ国外の魔法関係者に挨拶回りに行くのは仕方ないと考えていたが、高畑としてはそのつもりはないらしく話題にも出さなかった。


「いや、構わんよ。 正月休みを返上してくれてる者達の為にも麻帆良に居る以上はワシが働かねばならん。 それに普通の平日よりは楽になるじゃろうて。」

そして高畑も心配するほど自身がほとんど休めない近右衛門は年末年始には出来るだけ多くの人員を休ませることにしているが、警備は元よりシステム関連の人員もほとんどが正月返上してやる気を見せている。

近右衛門の予定としては裏の仕事ばかりではなく表の肩書きである麻帆良学園の学園長に対して挨拶に来る人々も多く、そちらの時間配分も結構大変だった。

加えて魔法協会内部のブラックリストに関しても、この年末年始の間で大まかな対処を決めたいので本当に忙しい。

実際あまりの忙しさに土偶羅が近右衛門の影武者を用意するので休んではと提案するほどで、近右衛門は自身の信念からそれは断ったが近右衛門の体調を鑑み一部の仕事を土偶羅の方で代行することにしていた。

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