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新しき絆

その日の横島は、普通に授業を受けていた

バレンタインだが、愛子以外からチョコをもらうことも無く、平穏な日常である


そして昼休み

横島は愛子やピートやタイガーと、いつものように昼食を食べるとこである


「うう… タンパク質が食べたいですノー」

タイガーはいつもと同じ日の丸弁当を出して、涙を流す


「タイガー君は結局3年間変わらなかったわね…」

愛子は同情の視線をタイガーに向ける


横島はそんな中、魔鈴が持たせてくれた弁当を開ける


「よ…横島…君…? そのお弁当誰が作ったの?」

愛子は横島の弁当に、言葉が詰まるほど驚いている


「あっ…、これはお袋が作ったんだよ! 昨日突然来てな」

横島は一瞬、間が空いて答える

しかし、愛子は弁当と横島を疑うように覗き込む


横島が魔鈴の手作り弁当を学校に持ち込むのは、この日が初めてであった

魔鈴の家には何度か泊まったが、今までは次の日が休みだった為、弁当を持って学校に来る機会が無かったのだ


愛子が疑うように見る中、ピートとタイガーも横島の弁当を見る


「凄いですノー まるで愛妻弁当のようですケン」

タイガーは羨ましそうに弁当を見る


「………」

ただ、ピートはあまり騒がず静かに見守っている

ピートは1人気が付いていた

(多分魔鈴さんだな…)


「う~ん、前にお母さんの弁当見たけど… 違う気がするわ!」

愛子は探るように横島を見つめる


「俺に弁当作ってくれる人なんてお袋しかいないだろ~」

横島は、笑って誤魔化しながら弁当を食べ始める


「一口頂戴ね」

愛子は横島のおかずを一つ食べる


「美味しい…」

小さく呟き、少し暗い表情になる

愛子は、親が作った弁当で無いと確信した


「さて、横島君… あなたには2つの道があるわ。 私達に密かに弁当を作った人を教えるか… 横島君の愛情弁当を作った人を学校中のみんなで探すか… どっちがいい?」

愛子は満面の笑みで、横島の耳元でささやく


横島は愛子の笑顔のプレッシャーに少し冷や汗を流す

(何故バレた… 俺は普通にしたんだが…)

横島は必死に考えるが、魔鈴の食事に慣れてるので、気が付かない

弁当は華やかに盛り付けされ、見た目、味、量が完璧すぎるのを…

とても親が作る弁当には見えないことを…



今朝の魔鈴は、横島と愛し合えた幸せな気持ちと、今まで以上の横島への愛情で満ちていた

そしてその気持ちを込めて、プロ級の料理の腕を120%生かして、横島の弁当を作っている

その弁当は普段、店で出す料理よりも完璧であり、親が作ったと言うのは不自然すぎるのだ


「わかった… 後で教えるから、先に食わせてくれ…」

横島はため息をついて、愛子に誤魔化すのを諦めた


(あの弁当じゃあ、バレても仕方ないですよ…)

1人事情を知るピートは苦笑いして、愛子と横島を見ている


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