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神と人と魔の狭間で

「西条さん徹夜したの?」

「いやそれなりに寝たよ。 オカルトGメンは本部命令で小竜姫様を支援することが決まったから途中で切り上げて来たからね。 香港当局との交渉は本部に移行した。」

翌朝小竜姫や令子達が朝食にとホテルのレストランに集まると少し疲れた様子の西条も現れる。

令子は疲れた表情からまさか徹夜したのかと思ったようだが一応少しは休んだらしい。


「小竜姫様。 オカルトGメンは小竜姫様の作戦に全面的に協力致します。 付きましては本日の突入に僕も同行したいのですが。」

「ええ、構いませんよ。 よろしくお願いします。」

すでに西条ですら香港当局との直接交渉を切り上げたと聞き令子やエミは本当に香港当局は使えないと呆れていたが、オカルトGメンとしてはやはり神族に逆らうつもりなど更々なく西条が小竜姫や令子達と共に今回の作戦に参加することでその立場をはっきりさせるつもりのようである。

まして今回の件はどう考えても香港当局に問題があり小竜姫に何の落ち度もないのだから選択の余地すらなかった。

小竜姫もまたそんな西条を笑顔で歓迎して説得がなかなか上手くいかなかったことを一切責めなかった。


「結局責任問題はどうなったワケ?」

「小竜姫様の名は公式には出せないので何か問題があった場合にはオカルトGメンが責任を持って君達を守ることを約束しよう。 香港当局も避難と後始末に責任を持つことは確約したんだが、今度はリスクを背負うなら指揮権も渡せと言っていて話し合いが難航してる。」

なお令子達と小竜姫が突き付けた条件は一応飲んだ香港当局であるが、今度はリスクを背負うならリターンも寄越せと言い始めていてオカルトGメンと対立している。

せめて成功した場合には自分達の得点にしたいようだが、オカルトGメンの側が今更それを要求するのは遅いと突っぱねてるらしい。

小竜姫が口出しする前なら表向きな指揮権を香港当局に残して彼らに花を持たせても構わなかったが、小竜姫の逆鱗に触れたあとで成果を寄越せと言うのは過大な要求だとオカルトGメンは判断したようであった。

まあ見方を変えるとオカルトGメンは小竜姫に見限られた香港当局の失態に巻き込まれたくないので、下手な譲歩が出来ないだけでもあるが。


「全く。 こちらの作戦に口を出さないで邪魔もしないなら点数稼ぎくらいさせてもいんじゃないの?」

「そうですね。 ここまで骨を折ってくれたオカルトGメンがいいならば私はどちらでも。」

結局誰が責任持ち誰が成果を得るかで醜い争いをする香港当局に令子もエミも小竜姫もウンザリしていて、令子は表向きな成果くらいならあげてもいいからさっさと香港当局を黙らせたいようで小竜姫に話を振ると小竜姫もまたオカルトGメンがいいならという条件でそれを認める。

ここまで働いてくれたオカルトGメンを立ててオカルトGメンが成果を求めるなら無視しても構わないし、成果を香港当局に渡すことで香港当局に借りでも作ることで納得するならそれでも構わないというか小竜姫は心底どうでも良かった。



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