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神と人と魔の狭間で

「そういえば横島さん。 唐巣神父が少し様子がおかしいのですが何かありましたか?」

一通り打ち合わせが終わるとGS達はそれぞれの部屋に戻っていたが、小竜姫と令子とおキヌと横島とヒャクメだけは残っていて小竜姫は先程には聞けなかったことを尋ねていた。

実は買い物の途中から唐巣の様子がおかしいことに小竜姫と令子は気付いていたらしい。


「いや、実は……。」

さほど気にする必要もあるとは思えぬが明日の仕事を思うと確認したかった小竜姫に対して横島は先程の話を打ち明けるも、落ち着いてみると少し言いすぎたかと横島も後悔してる様子だった。


「先生の数少ない欠点よね。 自分でも分かってるはずよ。 でもじっとしてられないタチだから。」

令子は横島が何かをやらかしたのかと少し疑っていたらしいが話を聞くと仕方ないと言わんばかりに横島を責めなかった。


「世の中が先生みたいな人間ばかりなら小竜姫様だってあんなこと言わないわ。 ほとんどハッタリだから。 早々簡単に見捨てる訳ないもの。 ただ小竜姫様を知らない連中にはいい薬ね。」

唐巣もまた冷静になれば理解してることであるが、小竜姫が香港を見捨てる発言をしたのは半ばハッタリというか警告としての意味が強い。

その辺りは小竜姫の性格を熟知している令子が一番理解している。

本当にどうしようもなくなれば撤退することもあり得なくはないが、そこまで行くとアシュタロスとの戦いにまで影響しそうなので小竜姫としてはその前になんとかするつもりだし令子も元始風水盤のような危険なものを放置出来ないのは分かってることだった。


「難しいことを要求ではないのですけどね。 人命を優先した避難と事後の後始末くらいですから。」

ただ小竜姫としては令子達が決して課題な要求をしたと思ってなく、自ら危険な仕事をする最低限のバックアップとしては寧ろ控え目だとすら感じている。

それに神族の小竜姫が過剰に人界に介入するのを嫌がるのもまた人間なのだ。

小竜姫やGS達の側からすると最低限でいいから仕事しろ!の一言に尽きる。


「まあ大丈夫よ。 オカルトGメンはこっちに着いたもの。 ここで何も決めれなかったりしたら香港は危機管理が出来ないって世界に宣伝するようなものだから。 そんな赤っ恥晒せないわよ。」

唐巣のことはあえて何をしなくても明日までには自分の中で解決するだろうと小竜姫も令子も様子を見ることにしていて、香港に関しても朝までには避難と事後の責任と後始末をする確約をするだろうと令子は見ていた。

どのみち明日には自分達が地下に乗り込むのを香港当局には止められない以上はやらざるを得ないし、やらねば香港は国際的な信用を失うことになる。

それでも動かないなら本当に小竜姫にも令子にもオカルトGメンにも香港は見捨てられ、その影響は今回の被害の非ではないのだろうが小竜姫も令子も後は本当に知らないとしか思えなかった。



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