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平和な日常~冬~3

「凄かったね」

その後クリスマス関連のイベントを見て歩いた横島達だが、流石に寒いので二時間ほどで帰るとちょうど刀子と高畑も合流してクリスマスパーティーを始めることにする。

一階の厨房から二階のリビングに料理やケーキを運んでさっそくパーティーを始めるが、料理のメインはみんなのリクエストにより夕映の誕生日の時に作った特製ビーフシチューであった。

元々先日学園主催のパーティーでタマモが賞品として獲得した和牛を使いたいと言っていたので牛肉料理をと考えていたのでちょうどよく、他には横島のパーティー料理としてはすっかり定番となってるローストビーフなんかも作っている。

クリスマス料理と言えば日本ではチキンの方が一般的ではあるが、参加者が横島と高畑以外は女性なので肉は牛肉のみにして後は野菜中心にサラダやスープを作っていた。

まあ以前はパーティーと言えば見栄を張って食べ切れないほど料理を作った横島も、最近はやはり木乃香達がブレーキをかけるので品数は以前と比べると少なめのようだ。

ちなみに庭に住み着いている猫達にもこの日は猫用のクリスマスケーキをあげており、クリスマスを全く理解してない猫達も美味しそうにケーキを食べている。


「みんな、飲み物は持った? それじゃ、メリークリスマス!!」

日頃は広い横島宅のリビングもこの日は別の部屋のように賑やかであった。

乾杯の掛け声は何故か美砂がしており、全員の飲み物を確認すると元気いっぱいに乾杯する。

なお部屋の中には今日の為にクリスマスツリーを始めとしたクリスマス飾りもさよとタマモの手により飾られていて、ハニワ兵と牛さんのぬいぐるみまでもがサンタクロースとトナカイの衣装で参加していた。

普段は二階に誰か来る時は隠れているハニワ兵も、今日だけはタマモに誘われて参加したようである。


「ケーキが凄い可愛いんだけど?」

「この人形よく出来てるわ。 これも作ったの?」

「みんなでつくったんだよ!」

さて乾杯を済ませたことで少女達はさっそく料理に舌鼓を打つが、横島の料理やスイーツに慣れた美砂達が驚いたのはクリスマスケーキであった。

それは一目見ただけで横島が作った物でないと分かるほどの違いがある。

細かく指摘するならばクリームのデコレーションが不揃いのところがあることと、横島のセンスにはない可愛らしさがあることか。

特に二つ作ったケーキを並べると森の動物達がサンタクロースとトナカイを囲むような構図になっていて、みんなでパーティーをしてるように見えるデコレーションだった。

このケーキの大胆なところは、あくまでも二つのケーキを揃えて見ることを前提にしてるところだろう。

加えてクリームのデコレーションの失敗した場所なんかも逆にいい味になっていて、タマモが頑張ったんだということが誰の目から見ても明らかである。


「さんたさんのくりすますぱーてぃだよ」

そんなクリスマスケーキのタマモが考えた名前は、【サンタさんのクリスマスパーティー】らしい。

プレゼントを配り終えたサンタクロースが森の仲間達とパーティーをする様子を表現したようだ。



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