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神と人と魔の狭間で

「西条さんも苦戦してるみたいね。 最悪西条さんだけでもこっちに合流するみたい。」

そのまま夕方まで買い物をしていた一行は今夜の宿となるホテルに入り夕食を取ると、明日に向けて打ち合わせをするべく一つの部屋に集まる。

当初西条は夕方までと口にしたがすでに日暮れとなった今も香港当局の説得は出来てなく、令子に対して明日の朝までに香港当局が決断しない場合はオカルトGメンも香港から手を引くことを含めて検討してるらしい。

最早事態は西条個人の決断で済むレベルではなく、小竜姫が神族として最後通告をした以上はオカルトGメンは香港に巻き込まれる形で神族に背く訳にはいかないという上層部の判断がある。

オカルトGメンとして責任は香港当局が持つことと周囲一キロを避難させることが朝までに受け入れられない場合には香港当局との協力は不可能と判断して、西条は速やかに小竜姫に合流しオカルトGメンはそちらのバックアップをするとオカルトGメン本部からも最後通告が行われていた。

これに際し香港を租借しているイギリス政府と本来の領有国である中国政府は朝までに一定の結論を出す為に外交当局が動いているが。


「問題は元始風水盤なのですよね。 情報としては理解しますが一旦作動すると私とヒャクメでは破壊するしか止められません。 専門ではないので。」

「それはワシに任せて貰おう。 他に適任者はおるまい。」

さて小竜姫達であるが最早小竜姫は香港当局をあてにしてなく自分達で動くべく話を進めるが、風水師は優秀な者から元始風水盤の針を作るために殺されていたため役に立ちそうな風水師は居なくまた協力する者も居ない。

小竜姫もヒャクメの調査からこうなることを半ば予想してカオスを味方に引き入れていて、元始風水盤に関しては任せるしか方法がなかった。


「そうですね。 ヒャクメはドクターカオスと一緒に行って下さい。 後は二手に分けるしかありませんね。」

「そうね。 元始風水盤の対処をするチームとメドーサと勘九郎と戦うチームに分けるしかないわ。」

先程西条や香港当局にはついでで構わないと言ったが小竜姫も可能な限り元始風水盤は止めるつもりだし、元々エミを誘った令子もまた二手に分ける必要性を感じて誘ったのだろう。

小竜姫を中心としたメドーサと勘九郎と戦うチームとカオスとヒャクメを中心とした元始風水盤を止めるチームに人員を分けていくことになる。


「あとは一組ですが竜神の装備があります。 これを誰が使うかも決めなくてはなりませんが。」

「それは横島クンに使わせるのが一番じゃないの?」

「ちょっと待つワケ。 横島で大丈夫なの!?」

そして小竜姫は対メドーサの切り札の一つとして自身の竜神の装備を誰かに貸し出すこととして令子達と相談するが、意外なことに令子が指名したのは横島だった。


「竜神の装備って私も前に使ったけど人間だと満足に使いこなせないのよ。 エミは知らないでしょうけど今の横島クンは単独でも竜気を多少は使えるわ。 私やエミよりは効果的に使えるはず。」

しかし流石に切り札となる竜神の装備を素人同然の横島に使わせることにエミは反対するが、そもそも過去に竜神の装備を使った経験がある令子は竜神の装備を人間が使いこなすのはかなり難しいことと心眼込みならば横島が一番使いこなせることから横島を指名している。

加えてエミにはあえて言わなかったが、横島の霊力は未だに発展途上で単独で竜気を使えばあっという間に霊力が枯渇するという致命的な弱点もある。

メドーサと戦う小竜姫から竜気を分けてもらうなんてことをすれば足を引っ張ることにしかならなく、総合的に考えると竜神の装備は横島が使う方が少なくとも小竜姫の為になると考えていた。


「俺っすか!?」

「どのみちメドーサと小竜姫様の戦闘に割り込むなんて私達には無理なのよ。」

一方突然切り札とも言える竜神の装備を使う人として名前を上げられた横島は他人事のように驚くも、令子はメドーサと小竜姫の戦いにいかに周りが足を引っ張らないかを考えていてあわよくば小竜姫の力になると考えると横島しか居なかった。

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