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その二

突然の愛子の暴露に、横島はジトッとした目で探るように見つめる


「アハッ! 冗談よ、冗談」

愛子の口を塞いで笑って誤魔化す加奈だが…

横島は信じてないようだ


「ごめんね… 横島君、ピート君。 初めは頼まれてピート君の隠し撮りを手伝ってたんだけど、なんか噂が学校中に広まっちゃって…」

愛子は加奈と顔を見合わせ、観念したのか申し訳なさそうに語りだした


「そのうち横島君まで映画で人気でちゃったからさ、頼まれて横島君のも隠し撮りしてあげてるうちに、現像料とか手数料込みで売ってくれってなっちゃったのよ」

愛子に続いて申し訳なさそうに説明する加奈

そんな2人を見て横島とピートは、困ったように顔を見合わせる


「うーん、どうするよ?」

女の子にやめろと言えない横島はピートに話を振るが


「いや、僕に言われてもちょっと… やめて欲しいと言っても、隠し撮りが増えるだけでは?」

こちらはお人好しと言う点では師匠の唐巣に似たのか、横島の遥か上を行くピートである

もちろんやめて欲しいとは言えない


「そりゃ確かに困るな…」

ピートが言うように、愛子が売るのをやめて逆に隠し撮りが増えるのは横島も困る


「僕が思うに聞かなかったことにするのが一番かと… 愛子さん達なら信頼出来ますし」

様子をうかがうように黙り込む2人を見て、ピートは苦笑いを浮かべて横島に考えを伝える


「それしか無いか… ただし、公認した訳じゃないからな。 あんまり広めるなよ」

ピートと考える横島だが、悪気が無い以上どうしようも無い


これが仮に令子みたいに完全に商売にするのならば止めるだろうが…

愛子の小遣い程度なら横島も気にはしない


「ありがとう横島君、ピート君。 大丈夫よ。 学校外には広めないから!」

愛子はホッとしたのか、笑顔になり2人に約束した


「でも横島君、この前六道女学院に行ったでしょ? その時の写真も出回ってるわよ?」

同じくホッとしたような加奈だが、すでに学校外でも出回ってる写真があることを暴露する


「えっ!? そうか、クラス対抗戦のゲストか」

先日の騒ぎになったことを思い出し苦笑いする横島

最早、写真の流出を止めたくても止めれないようだ


「うちと六女は結構近いからね。 中学とかが一緒の子とか多いから、多分私達が売らなくてももう流れてるわよ」

愛子と違い学校外の事情にも詳しい加奈

女子高生の情報はかなりの速さで広まるらしい


「もういい… 俺にはどうしようも無い」

困った様子の横島は全てを忘れようと酒を一気に飲む


「アハハッ いいじゃないの! 横島君があれだけ望んだモテモテ生活なのよ?」

隠し事が無くなりさっぱりした表情の愛子は、横島に酒をつぎ笑っていた


「うっ… そりゃ嫌われるよりはいいが、ここまで有名にならんでも… それに今はめぐみがいるからな」

微妙な表情で愛子を見る横島

嫌われるよりは悪い気はしないが、魔鈴を心配させることはしたくは無い


横島達の酒盛りはそんな調子で、酒が無くなるまで盛り上がっていく

そして修学旅行初日は終わりを告げる


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