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GS試験再び……

その頃、一次試験の見学を終えた六道女学院の生徒達は休憩に入っていた

二次試験や書類審査が始まる前に昼の休憩があるのだ

基本的にお昼は自由らしく、生徒達は弁当を食べる者や外食に行く者など様々である


そしておキヌ達三人は昼食の弁当を食べる場所を探しているのだが、休憩所として提供されてる場所は何処も人でいっぱいだった


「困りましたね、外で食べましょうか?  結構お弁当広げてる人居ますよ」

座れる場所を探すのは難しいと思ったおキヌが、ふと外を見るとかなりの人が芝生で休憩している

あまり時間も無い事だし、おキヌ達三人も外で弁当を食べる事にしていた


そんなおキヌ達が外に向かうと、入口のロビーでは一次試験の合格発表をしているところに出くわす


「卒業した先輩が三人残ってますね」

おキヌは六道女学院の卒業生の名前を見て喜ぶが、次の瞬間驚き固まってしまう


「魔法料理魔鈴……」

そう、おキヌが見ていたのは雪之丞の名前だった

かおりの彼氏でありおキヌも知り合いなので一瞬喜んだのだが、所属が魔鈴の店になっている事に驚きを隠せない


「タイガー……」

そして魔理もまた驚き目を見開いていた

彼女の場合は、昨日も電話をしたタイガーの名前がある事に驚いている


(なんで隠してたんだ?)

タイガーがGS試験を受ける事を隠していた理由を考え込む魔理だが、全くわからない

昨日も普通に会話していただけに、余計に信じられない気持ちだった


おキヌ達はそのまま外の芝生でお弁当を食べはじめるが、三人共表情が冴えないままである


(まさか、魔鈴さんや横島さんも来てるのでは……)

おキヌは自分の鼓動が早くなるのを感じていた

周りに居る人の中に横島達が居るかと考えただけで、どうしていいかわからない

あの日の空港で見た横島と魔鈴の姿が、フラッシュバックのように蘇ってくるのだ


(私……、どんな……)

会いたいけど会いたくない

おキヌは言い表しようが無い気持ちでいっぱいだった



(雪之丞……)

一方かおりもまた、どうすればいいか分からず途方にくれている

会って話がしたい気持ちはあるが、どんな顔で会えばいいかわからない 
 
今のかおりは、以前のように思うまま雪之丞に会うことは出来なかった


三人はそのまま無言で昼食を食べていく

互いに相手がおかしいのには気が付くのだが、三人共動揺しており話を切り出す者がいない


かおりと魔理の二人はおキヌの表情から魔鈴と横島の事だろうと察するが、自分達が暴走して知った真実をおキヌに話していいのかわからないのだ

あの時の唐巣や雪之丞の話の内容とおキヌの様子から考えると、おキヌは知らない可能性がある

二人はこれ以上余計な事をしない事と、自分の彼氏の事でいっぱいいっぱいだった


そしておキヌだが、もちろん二人の様子がおかしい事には気が付いている

しかし、雪之丞の所属が魔鈴の店だったショックから何も聞けないでいた

もしかしたらかおりと魔理の二人は、横島の現状なんかを知ってるかもしれないと思うとおキヌは言葉が出てこない


横島の現状は知りたい気持ちもあるが、知るのが怖い気持ちもある

突然訪れた横島との事に、おキヌは判断が出来ないままだった


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