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GS試験再び……

その頃、先に試験会場に入った横島達は二次審査会場の観客席に居た


「凄い人でござるな… みんな応援でござろうか?」

始めて見るGS試験会場を珍しそうにキョロキョロ見回していたシロだが、予想以上に人が多い事に驚いている


「そうじゃねえか? 一般人は居ないだろうしな」

「違うわよ。 半分は応援だろうけど、半分は同業者の偵察なワケ」

驚くシロに何も知らない横島が応援だろうと言うが、呆れた表情のエミに否定されていた


「二次試験は多くの同業者に注目されてるワケ。 スカウト目的の人も居れば、商売敵になるGSの実力を見に来た人もいるし目的は様々だけど……」

相変わらず何も知らない横島に呆れるエミは、しかたなく事情を教えていく

数少ない有能な新人は、どこの事務所ものどから手が出るほど欲しいのがこの業界の現状である

直接スカウトする人も居れば、共同作戦をとれるGSを探してる人もいる

それこそ細かな目的は多種多様だが、基本的に一致しているのはGSになる実力者を自分の目で見ようと言うことであった


「へ~、俺の時はそんなの無かったっすけどね。 まあ当時素人の俺に目を付けた人なんて、居る訳無いっすか」

ふと自分の試験の時を思い出す横島だが、当時ど素人な自分が誰かに評価などされたはずがないと決め付けている


「おたくの場合は実力以前に令子の名前が邪魔してたのよ。 GS業界で進んで令子に関わろうとする人間は冥子だけなワケ」

あまり人に聞かせる話ではないため少し小声になったエミは、あの時の横島の状況を語る


当時から業界ナンバーワンと言われる令子の実力は誰もが認めるが、その一方で危ない噂が絶えないのも事実だった

それに加え令子自身人付き合いがいい方では無く、基本的に同業者は敵と認識して共同作戦もしない

その為令子に関わろうとする人は、ほどほど居なかったのだ

まあ一部には関わろうとした人は居たのだが、結果は言わずと知れた事である


《長生きしたかったら、美神令子と六道冥子には関わるな》

これが以前のオカルト業界の常識だった


最もアシュタロス戦後は世界を救った英雄として有名になり、その噂や常識が鳴りを潜めているが……

そんな訳で以前は一般人や六道女学院など、業界の裏事情に疎い人間に限り人気だった令子は、最近は真実を知らない業界人にも人気がある


「まあ、そんな訳で令子の関係者に関わろうなんて同業者は居なかったワケ。 事務所を立ち上げた頃に、令子目当てに何人もの同業者が近寄ったけど……、この先は言わなくてもわかるでしょ?」

意味深な笑みを浮かべて横島を見るエミ、令子に近寄った人間がどうなったかは横島が一番知っているのだから


「まあ美神さんだからな~」

関わりたくない気持ちを誰よりも理解している横島は、過去を思い出して静かにため息をはく


そんな感じでエミから説明を受けてた横島達だが、意外と周りの業界関係者の注目を集めていた

エミ自身はもちろん一流のGSとして有名だし、魔鈴もまた業界関係者には知名度が高い

それに加え横島の顔と名前も、アシュタロス戦のスパイ報道で比較的業界関係者には知られているのだ

そんなメンバーが集まっている為、自然と目立っていた


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