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その二

横島達は、新幹線の中で駅弁を食べたり、クラスメートと騒いだりと賑やかな時間を過ごす

そして京都到着まで後少しに迫った時、横島達は降りる準備をする


「横島君、そのまま降りるの?」

愛子は不思議そうに問いかける


「そのままって、何か変か?」

横島は自分の服装を見るが、いつもの学生服である


「横島さん、有名人なんですから少し変装でもした方がいいですよ。 知らない土地で見つかれば騒ぎになります」

ピートは少し苦笑いしつつ、愛子の言いたいことを続ける


「大丈夫だろ? 普段もあんまりバレないぞ?」

横島はあまり気にした様子も無く話すが…


「ダメよ! 下手に騒がれてパニックにでもなったらどうするの!」

愛子は横島の鈍感さに、呆れたように即座に反対する


学校では今やピートより人気者な為、横島の周りにはよく他の生徒が見物に来る


しかし、横島はほとんどピートを見に来てると思っている


この時代に来て映画がヒットした為、有名人なのは知ってはいるが…

未来で嫌われていた記憶も根強くある為、どうしても自分が人気者だと言う意識が薄いのだ

未来と現在のあまりに違う立場に、横島自身戸惑い気味なのもある


「お前がそこまで言うなら、メガネするか? めぐみが持たせてくれたし…」

横島は愛子がそこまで強く言うならと、メガネをかける


「……とりあえず大丈夫かな」

愛子はメガネをかけた横島に一瞬見とれたが…

すぐに誤魔化すように笑って話す


「横島さんは、最近しっかりしたようでやっぱりどっか抜けてますね…」

ピートは自分もメガネと帽子で変装しながら、未だに有名人としての意識の薄い、横島に苦笑いしている


あの映画で一番有名になったのは、もちろん横島と魔鈴だが…

令子とピートも、それなりに有名になっていた


令子は似合いすぎる悪役として有名になった為、本人が無視し続けたが

ピートはそのルックスと、バンパイアハーフの素性で有名になっている


ピートの場合は、後日放送した横島とピートの学校生活の密着番組の影響が大きかった

人に騒がれるのが苦手なピートは、修学旅行中に正体がバレないように、細心の注意を払っている


「横島君より、魔鈴さんが凄いのよ。 あの横島君を短期間でここまで立派にしたんだもの」

愛子は少し前の横島を思い出し、クスクス笑っている

あの当時、横島がこんなに立派になって有名になるなど、誰も想像出来なかった


その横島が変化したのが魔鈴の影響なのは、今や学校中が知る事実になっている


本当の真実は、未来から来たからなのだが…

それは誰も知るはずが無いのだし


(そりゃいくら俺でも、昔よりは成長してるさ… 未来から来たんだからな…)

横島は笑う愛子達に、内心苦笑いをしていた


そんな会話をしていると、新幹線は京都に到着する


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