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その二

予期せぬ出会いから少々のトラブルがあった横島達だが、その後はトラブルもなく昼食も挟み水族館を楽しみイルカやアシカのショーなども二人は子供のように楽しんでいく。

途中で先程の二人を見かけることはあったが、二度と声をかけて来なかったことも楽しめた理由だろう。


「人だかりですわね。」

「事故か?」

そして午後三時を過ぎた頃になると水族館を後にして何かおやつ代わりに食べようかと横浜の街に戻るが、ふと道路が封鎖され人だかりが出来てるところを見かける。

パトカーが何台も止まっていて警察官が野次馬らしき人だかりを静止しており、奥で何が起こってるか見えない二人はちょっとした野次馬根性で近付いていった。


「ゲッ、西条!?」

「横島君、人の名前を呼ぶ前にゲッっと言うのは止めたまえ。 僕には社会的な立場もあるんだ。」

だが横島は近付いたことをすぐに後悔し、その場を仕切っていた人物を見て露骨に嫌そうな表情をする。

どうやら人だかりの中心では悪霊が人質を取り貴金属店に立て込もっているらしく、オカルトGメンの西条が事件解決に来ているらしい。


「大丈夫なのですか? よろしければお手伝いしますわ。」

「君は確か闘竜寺の……!?」

横島は西条の顔を見るなりすぐに厄介事は御免だとその場を離れようとするも、かおりは居合わせた以上無視も出来ないと協力を買って出る。

一方の西条はかおりを知ってるらしいのだが、横島と二人っきりの姿に驚きどう見てもデートにしか見えない双方を見て信じられないと言わんばかりに目を白黒させた。


「……ああ、大丈夫だよ。 後は突入して一気に除霊するだけだからね。 デートの最中の君達の力を借りるまでもない。」

しかし西条は横島よりはまだ社会人として人間が出来てるらしく、すぐに我に帰ると横島とかおりの手助けは不要だと言葉少なく断る。

元々横島と西条の関係は微妙なものがあるがアシュタロス戦後は横島と令子の関係が一定の距離で止まったこともあり、最近は一時期ほど関係が悪くもなく口では悪態をついても険悪とまでは行ってない。

相変わらず横島はモテる男が嫌いではあったが、令子に対してあまり執着しなくなると西条との関係は幾分改善していた。


「せっかくの休日なんだから、ゆっくりするといい。」

まあ西条はアシュタロス戦においても横島とルシオラの仲を取り持とうとしたりしたこともあり、横島としては嫌いではあるがそれなりに信頼出来る相手だと考えているからだが。

ちなみに同じくオカルトGメンの美神美智恵に関しては横島にとっては令子の母親という関係でしかなく、特に親しくも無ければ関係が悪い訳でもない。

ただこちらは横島があまり関わりたがらないので美神事務所で顔を会わせると挨拶する程度の関係でしかなかった。

令子もおキヌも美智恵自身も薄々気付いてはいるが、横島はアシュタロス戦のことから美智恵を全く信用してない。

しかし現状ではあえて事務所の和を乱すことをする気はないし、加えて横島はすでに令子に対して恋愛感情など無いので美智恵とは最早関わることがなければいいと割り切っているが。

少し話は逸れたが西条は令子さえ絡まなければ割といい人であり、せっかくデートをしている二人の邪魔をする気はないようで横島達の見てる前で無事に悪霊を除霊して事件を解決して見せていた。


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