このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

新しき絆

「ああ、いいぜ。 目的はおんなじだしな。 俺も1人でずっと護衛するのも大変だったんだ」

雪之丞は即決する


雪之丞とて24時間タマモとシロを見張ってる訳にはいかない

情報収集や護衛で人手が足りなかった


百合子の情報力と協力すれば、かなり効率的な動けるのだ


「ありがとう。 じゃあ、こっちで動いてる人を紹介するわね」


百合子はその後、雪之丞とクロサキを会わせた

雪之丞は魔鈴の店の近くにアパートまで借りて見守っていた事実に驚いていたが、百合子とクロサキと3人で細かな連携方法を話し合っていく


雪之丞という直接戦える戦力を加えて、百合子の唯一の弱点はこの時点で消えてしまう


百合子の唯一の弱点


それは一般人であるがゆえ、霊能者と直接戦えないこと

百合子が一番困る展開は美智恵や令子が霊能力を使い、魔鈴やタマモやシロを闇討ちするなどの方法である


美智恵の性格上、荒事は避ける傾向にあるのは百合子も調べていたが

令子は別である

令子は怒りにまかせて人を傷つけるのがよくある

本当にキレたら、何をするかわからない


そんな最悪の事態も可能性がある為、百合子は雪之丞に協力を求めたのである




そしてその日の夜

横島はさすがに一日中寝てた為、眠れなくなっていた

「さすがに寝過ぎたな… 頭がぼうっとする」

横島はふらふらと魔鈴の部屋を出てリビングに向かう


「横島さん、体調はどうですか?」

横島が起きて来たのに気がついた魔鈴は、駆け寄って様子を見る


「すっかり体調はよくなりました。 逆に少し寝過ぎたくらいっすよ」

横島の笑顔の言葉を聞きながら、魔鈴は顔色を注意深く見る


「……本当に大丈夫みたいですね。 じゃあ夕食にしましょうか。 様子を見る為に、今日はもう一日泊まって下さいね」

魔鈴は横島の言葉をあまり信用して無かったらしく、納得いくまで横島の体調を調べて夕食の用意を始める


「えっ!? もう大丈夫っすよ」

横島はもう一日と言われて不思議そうに話すが…


「ダメです! 帰るなら私も横島さんの部屋に行きます」

魔鈴は笑顔でキッパリ言いきる


「は…はい」

横島は魔鈴に強く言われると反論出来ない

今朝あれだけ泣かれたのが頭に残っているのだから


「じゃあ、座って待ってて下さいね」

魔鈴は機嫌よく料理をしていく

だが内心は、胸のドキドキが止まらなくなっている

(どうしましょう… 告白なんてしたこと無いので、何と話していいのでしょう…)

魔鈴は横島にどうやって告白するか、ずっと悩んでいた

横島に負担をかけずに、それでいて気持ちをしっかり伝える

簡単なようで難しい

横島は基本的に鈍感だし、下手に話すとまた精神的バランスが崩れる


魔鈴は横島を心配しながら、どうやって告白するか考え続けている

幸い、日にちが変わればバレンタインだ

手作りチョコは用意してあるので、それをきっかけにしようと考えている

だが、どう話して理解してもらえばいいかを迷っていた


魔鈴とは逆に横島は落ち着いていた

この時点で横島の頭からバレンタインが抜けており、すっかり忘れている

だが今の横島は魔鈴の姿を見てるだけで落ち着く

今朝しっかり話したので一応精神は安定しているが、やはり魔鈴の側が一番落ち着いているのだ


横島自身そこまで気がついていないが…

魔鈴から離れたくない気持ちは大きかった

83/100ページ
スキ