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真の歴史へ

それは1人の人間の人生だった…


彼は何処にでもいる普通の少年だった

女好きでお調子者、争いが苦手でケンカも出来ないような少年


そんな少年の物語


少年は運命に導かれて、GS事務所で荷物持ちのアルバイトを始める


臆病ですぐに逃げ出し、とてもGSになるような人物ではなかった


ヒャクメとジークはその記憶を驚きをもって見つめていた


きっかけは些細な事だった


少年の才能を見いだした小竜姫により、心眼を与えられ霊能力を開花させた


横島と小竜姫は懐かしそうに見ていて、ルシオラとタマモは昔の横島を面白そうに見ていた



少年は霊能力を開花させても、戦いに向く性格では無かった


少年は優しすぎたのだ…


幽霊、妖怪、神族、魔族

全ての種族に平等だった


怖くて逃げたいが仲間を見捨てれず、自ら危険に向かっていった


除霊対象の妖怪の親子を助ける為、美神に立ち向かった


彼は少年から青年になる短い時間で、様々な戦いを経験していった…


その才能を生かして戦いいつの間にか戦いの中心にいた



そして出会った


運命の女性に…


3界の命運をかけた歴史に残る戦いで


敵同士なのに引かれ合う心


優しい少年は彼女を見捨てることが出来なかった…


そして、少年の優しさが生んだ奇跡


神魔族が戦えない戦場で少数の人間だけが戦った


誰が考えても勝てるはずが無い戦い


優しい少年は女性の為に魔神を倒すことを誓う


少年の優しさ…

少年の誓い…


それは運命だったのかもしれない


様々な苦難の末…

少年と愛する女性は世界を救った


二人は平和になった世界で幸せに生きるかに見えた…


名誉も報酬も無かったが、大切な人を得た二人は満足だった


二人は平和な日常で新たな出会いをする…


小さな小狐を助けたのだ…

二人は小狐の安全と、自らを守る力を求めて妙神山に行った


そこは一時の平和な生活だった

神も魔も妖も人も関係無い

みんな仲良く笑顔の日々


少年は大きな戦いで青年になっていた
 
青年は新たな絆を手に入れる

助けた狐の少女

青年を導いてきた竜神少女


彼女達と恋に落ちた

4人はお互いを助け合い生きる決意をした


青年は大切な人と同じ時間を生きる為に人間を超えた


幸せな時間が永遠に続くだろう


みんなそう思った



だが世界は優しくなかった


青年が倒した魔神の穴を狙い神と魔が戦争を始めた


青年や仲間達は力を合わせて戦った


自分達の世界を守るために…


しかし…


守れなかった


青年と恋人達は全てを守る力を求め


一つになった


その力により戦う者を全て倒した


だが世界は守れなかった…


そして、終わりゆく世界で青年と恋人達は神と魔に過去を託された



文珠はそこで終わった



横島達は静かに見ていた

もう二度とあんな未来にはしない!


4人の決意を胸に秘めて



一方ヒャクメとジークは言葉も出なかった


いかに神魔といえど、世界の終わりを見たのは初めてなのだから…


記憶の中ではヒャクメもジークも横島達と一緒だった


最後まで一緒に戦い死んでいった…


自分のあり得る未来を見せられて何も言えなかった


「二人共混乱してるだろうが… 今のが俺達が経験した未来だ。 今俺達がいる世界はすでに平行世界になってしまったから、未来はわからない。 この事を知るのは最高指導者と俺達と斉天大聖老師だけだ…」


横島は混乱する二人に静かに話した


「あなた達にこれを見せたのはかつての仲間だったからです。 そしていずれ巻き込まれるはずだからです。 もし私達と一緒に新しい未来を作る気があるのなら協力して下さい。 強制はしません。 無理ならすいませんが、未来の記憶を消させてもらいます。」


小竜姫は静かに凛とした表情で話した
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