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GS試験再び!?

「10%だ。 10%の力で相手をしてやろう。 せめてものハンデだ」

一方試験場の結界内に入った横島の前には蛮・玄人が居た

彼はどこかで聞き覚えのあるような台詞を口にして、横島を威嚇するように霊力を全開に放出していく


(こいつ確か、タイガーの相手だったハッタリ野郎じゃなかったか?)

随分前の記憶だが、雪之丞と一緒にGS試験に再チャレンジしたタイガーの試合を横島は思い出している

自分の時の蛮はあまり覚えてないが、確かあの時にこの試験に居たと聞いた気がしていた


(ラプラスのダイスか……)

突然歴史が変わった原因は、やはりラプラスのダイスである

あらゆる霊的干渉を排除するラプラスのダイスは、純粋に力や運を反映するのだから横島やカオスの隠してる実力も当然影響しているのだ


「どうすっかなー 粘ってギリギリで勝つようにするか?」

ハッタリ野郎の蛮・玄人だが、それでも以前の横島では苦戦するレベルである

何よりケンカすら苦手な横島では、まともに戦えるはずがなかった


「いや、下手に長引かせるより真正面から向かって行って一撃で決めた方がいい。 あの程度の相手に苦戦しては次からの勝ち方が難しくなる」

威嚇する蛮を半ば無視する横島は誰にも聞こえないような小声で心眼と相談するが、結局今後を考えて速攻で決める事にする


「ククク…… 怖くて言葉もでないか?」

自分の霊力にも威嚇にも無反応な横島に、蛮は自分のペースだと気分をよくするが……


勝負は一瞬だった


突然走り出した横島は右手に僅かな霊力を込めると、真正面から蛮の腹部を殴る

横島のスピードは蛮も余裕で反応出来る程度だったが、ロクに霊力も感じない横島の一撃など自分には効かないと判断した蛮はそのまま無防備に受けてしまう


「……勝者横島!!」

横島の試合の審判も一瞬声が出ないほど、それは不思議な一撃だった

高い霊力を放出していた蛮が、僅かな霊力の横島の一撃で簡単に倒れてしまったのだから

蛮自体はハッタリ野郎として知られているが、それでも一次審査を越える力がある者である

普通に真正面から殴られて一撃で倒れて意識を失った事には、見ていた者を驚かせるには十分だった


「あの、厄珍さん」

「あのボウズ一体何をしたあるか?」

実況と解説の二人も、あまりに呆気ない不思議な試合に言葉少なく首を傾げていた

一見しただけでは、横島の霊力では蛮にダメージを与えられるはずがないのだ


「あのバンダナ…… 横島クンにはもったいないわね」

会場で横島のした事を理解したのは、令子やエミと言った超一流の数名だけだった

横島は難しい事はしてなく、インパクトの瞬間に相手を気絶させるだけの霊力を送り込んだのである

無防備な腹部の霊脈に気絶させるだけの霊力を叩き込んだだけなのだが、実際そこまで霊力をコントロールする事は人間技では難しい

横島は目立たないようにわざと霊力を隠してやったのだが……、それがアダとなり余計に目立ってしまう

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