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アリアハンへ

横島とシャオが旅を始めてから10日ほど過ぎていた

アリアハンまで残りの村が3カ所ほどになったある日

横島達はその日も街道を馬車で走っている


この辺りに来ればアリアハンも近く、商人や旅人もよく見かけるようになっていた

ただ基本的に商人や旅人などの、戦闘が得意で無い人には護衛が何人か付いている


シャオは馬車に揺られながらそんな旅人や景色を眺めている

基本的に馬車の旅は暇なのだ

馬車には結界が張ってあるし、モンスターや盗賊は横島が軽く撃退している

安全な旅にシャオは横島と話をしたり、ぼうっとしたりと、平和な旅をしていた


そんな時、横島は突然馬車を止める

「ほえ? 敵ですか?」

心地よい馬車の揺れが止まり、シャオは横島を見る


「いや、敵じゃないよ。 ただ、あっちの森の中で盗賊が誰かを襲っているんだ」

横島は街道沿いの森を指差して説明した


「何にも見えませんが…」

シャオは首を傾げて森を見つめる


「奥に入ってるからな…。 盗賊の人数が50人は居る。 強い戦士もいるようだが、少しキツいな。 助けに行って来るから待っててくれ」

「はい、わかりました」

シャオは横島が何故敵の数や襲われてる人がわかるのか不思議だったが、真剣な横島の表情に頷く


横島は少し離れた場所で戦う人の気配を感じていた

相手と襲われてる人を確認する為、密かに心眼を使っている

結果かなりの強さの戦士が戦ってるが、子供や女性を守りながら戦っているので危ないと判断したのだ


シャオが頷くと横島は消える

「ほえ~! 消えました!」

シャオは驚いてキョロキョロ見るが横島はすでに居ない


そして横島は襲われてる場所の上空に転移していた

気配を消して様子を見ると、状況は更に悪化している


盗賊は戦士相手に傷一つ付けられないが、10才くらいの少女を人質にとっている

母親らしき女性は戦士に守られながら、涙をこらえていた


「オルデガ! 剣を捨てろ! 今日こそお前を殺してやる! 娘の命がおしくば大人しくしろ!」

盗賊の一人が、少女の首筋にナイフを突きつけてニヤニヤしている


「クッ… 外道が…」

オルデガと言われた戦士は悔しさに唇を噛みしめている


「お前を殺せば、一気に名が上がる。 悪く思うなよ」

盗賊の頭は少しはできるはしく、冷静にオルデガを見る


カラン…


オルデガは剣を捨てる


「さて、状況はわかったしやるか…」

横島が再び消える


バシュッ!!


「うっ……」

少女にナイフを突きつけていた盗賊が突然倒れると同時に人質の少女が消える


盗賊達は何が起こったか全く理解出来てない


しかし、オルデガはその隙に剣を拾っている

「オルデガ! 貴様の仕業か!」

盗賊の頭は怒り心頭で叫ぶ


「私にも訳がわからん! だが、後ろの御仁が味方なのは理解した!」

オルデガはそう叫ぶと、盗賊に攻撃していく


そして、オルデガの背後には母親と少女が無事を喜び抱きしめあっている


「もう一度人質を確保しろ!」

頭の命令で、盗賊達は母親と娘を狙って走る


「お前ら、囲め!」

5人の盗賊が母親と娘を囲んで、捕まえに接近するが…

盗賊達が母親と娘に触れると、揺れるように消える


「クソッ! どうなってやがる!」

盗賊達は辺りを見回して親子を探すが居ない


それからは圧倒的だった

オルデガは魔法も使えるようで、あっという間に盗賊達は倒された


「あの人強いな~」

感心したような言葉が、上空で響く


それは横島だ

オルデガの妻子を抱えて空から見下ろしている


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