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その一

魔神大戦から半年

横島は人知れず自分の中のルシオラの魂の活性化により、半魔族化に悩まされていた


それから半年
神族過激派がアシュタロスの消失により戦力の落ちた魔界を襲撃


魔神大戦からたった一年で
横島とルシオラが命をかけて守った平和は呆気なく崩れた


当初戦況は神族有利だったが
神族屈指の武闘派、斉天大聖老師、龍神王を中心とした一部神族と
オーディンを中心とした魔族の一部が手を結び
人間界でハルマゲドン回避の為の第三勢力になった


この第三勢力を影で結び支えたのは
魔神大戦でアシュタロスを倒した
魔神殺しの英雄、横島忠夫だった


それにより戦力は拮抗したが、決着のつかない戦いは更なる争いを生み出し
結果破滅への道を回避出来なかった


横島の仲間も一人また一人と消え
かろうじて生き残った仲間は
横島に自分の想いと少しの魂を分けて消えていった…

美神令子、氷室キヌ、シロ、タマモ、小竜姫、ヒャクメ、ベスパ、パリピオ

最後まで一緒だった仲間が横島に力と希望を託した


仲間の魂を受け入れた横島は神、魔、妖、人の全ての想いと力を受け継ぎ、不老不死の新たな生命になった。

ただどこまでも横島忠夫であり、それ以上でもそれ以下でも無かった

それは横島がかつてルシオラと約束した。

『ヨコシマはどこまでもヨコシマらしく……』

その約束を守るように……



それから5年
横島は絶対に戻らない日常の為
争いを終わらせる為に戦った


しかし
残ったのは三人
神族最高指導者
魔族最高指導者

そして
横島忠夫


「ようやく終わりそうだな…」

横島が呟く

「すいませんでした。 我々は止める立場にあるのに止めれませんでした…」

キーやんが力なく話した

「横っちがあんなに頑張ったのにな… わいらが邪魔してれば世話ないわな」

さっちゃんがうなだれた


「あんた達は他の平行世界が数限りなくまだあるだろ。 もう行けよ」

横島は二人にキツい目を向けた

「私達にはそんな資格は無いんですが…」

「自分らでは死ぬことも逃げることも出来ん アシュと同じ魂の牢獄やな」


横島は二人を責めようとはせず

「もうこんなことの起きないように頑張ってくれ…」


「横っち、あんさんは別な世界へ行かへんか?」

さっちゃんが話しかけてきた

「別な世界でなら横島さんやかつての仲間を輪廻転生でいつか会えます。」

キーやんが話した

「仲間はみんな同じ世界に転生出来るようにするさかいに、そこで待っててみんか?」


「無論あなたに魂を分けたルシオラさんや他の方々もいずれ同じ世界の同じ時代に転生させます。」

横島は二人の顔を見て

「俺に新たな世界を守れと…… いいだろう みんなが再び生まれ変わるまでその世界を守ってやろう」


横島はそう言うと
二人に新しい世界に送られた


「横島さん、今度こそ幸せに……」

「横っち頼んだぞ……」




横島が目を明けたらそこは巨大な大木の下だった……


横島はまず、自分の強すぎる力の封印に試みた

竜気の腕輪
魔力の指輪
妖力のネックレス
で力を封印して霊力のみを残した


「おぬしが横島じゃな…?」

一人の老人が話しかけてきた

「あんたは?」

横島は老人に聞いた

「わしは近衛近右衛門じゃ、ここ学園都市麻帆良の責任者じゃよ そなたの力になるように神託を受けた。」


老人は伺うように話した


「そうか… すまないが戸籍を用意してくれないか?」

横島は静かに話した

「とりあえずわしの部屋へ来てくれんかの? 話はそれからじゃ」


横島は麻帆良学園女子中等部、学園長室に案内された


「俺の名前は知ってると思うが横島忠夫。 年は適当でいい。」

横島の話に学園長は

「本当に現れたのう~ わしは半信半疑じゃったよ 目的は聞いていいのかの?」


「俺は静かに暮らしただけだ、目立つつもりも無い。」

横島は暗い瞳で答えた


「おぬしに何があったか知らんが、困ったことがあれば言うがいい。 わしは関東魔法協会の長もしておる。 多少役にたつでの…」


学園長は横島の暗いく悲しみに満ちた瞳に、飲まれそうになった


「ありがとう、とりあえず当面の仕事は無いか?」

横島は考えしばらくここに住むことにした
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