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その一

魔神大戦から半年


人々はあの戦いから立ち直り平和な日々を生きている

だが、中にはあの戦いが終わってない人もいた……


アシュタロスを魂の牢獄から救い、3界の危機を救った

そう… 敵も味方も救った彼は、救えなかった自分の恋人を思い出し、人知れずに涙していた……


ある日突然、そんな彼の体に変化が起きた…

彼の恋人が自らの魂を、分け与えて救った彼の命

しかし彼の魂には人間の魂と魔族の魂があり、二つの魂は融合しようとしていた……


結果彼は、半人半魔になっていた

しかし彼はある意味嬉しかった。

恋人が自分の中に感じれたから…


そんな彼をあざ笑うかのように、世界はまた戦いへと向かっていった

アシュタロスがいなくなり、神魔の力のバランスが崩れた隙に、神族の一部の過激派が人間界の魔族の出張所を急襲したことから始まった。
それに対して魔族も、人間界で神族を攻撃し始めた。


そのまま戦火は広がり続け… ハルマゲドンが始まってしまた


無論デタント推進派も努力したが、流れは変えれずに犠牲は人間界で大きくなっていた

そんな中、神族の斉天大聖老師、龍神王、魔族のオーディンを中心とした親人間派が、神魔族を離脱して人間界を守る為に連合を組んだ


その裏には魔神大戦で有名になった英雄、魔神殺しの横島忠夫

彼の努力の賜物であった…


神、魔、人、それぞれの勢力はある程度拮抗したが、悲劇は止まらなかった


横島の仲間も人々を守る為に戦い、一人また一人と命を落としていった

みんな横島と残りの仲間に未来を託して……


そして残り少なくなった仲間は、死の寸前に横島に自分の想いと魂を少し分けて死んでいった……

美神令子
氷室キヌ
犬塚シロ
タマモ
小竜姫
ヒャクメ
パリピオ
ベスパ

横島は彼女達の想いと魂を自分に融合した…

それにより、彼女達の能力と力を受け継いだ横島は、不老不死になり3界にたった一人の存在になった。

それから横島は、たった一人で戦い続けた。

残りの命を守る為に…

しかし数に勝る神魔を止めきれなかった


それから50年…


残ったのは三人

神界最高指導者
魔界最高指導者

そして、横島忠夫


「結局… 誰も守れなかったな…」

横島が居る場所は、その昔東京タワーのあった場所…

最早跡形もない荒野な場所


「ルシオラ… お前が命をかけて守った世界… 俺は守れなかった… すまん… みんな… 想いと力を分けてもらったのにごめん…」

横島はもう涙も流れなかった

みんなが死んだ時に涙は枯れ果てたから…


そんな横島の前に、神魔最高指導者の2柱が現れた

「横島さん… すいませんでした」

「わしらが間違ってたみたいや…」

「謝っても何も戻りませんが…」

2柱はうなだれて横島に語りかけた


「あんたらはまだ他の平行世界があるだろ? 何しに来た?」

横島は冷たく言い放った

「この世界で消えた命を… それを一つの同じ世界に輪廻転生させます。 もちろんあなたの仲間、あなたに魂の一部を分けた彼女達、それにあなたの最愛の人も…」

「横っちもその世界へ行かへんか? みんな同じ時代に転生させるさかいに。 その時までその世界で待ってみんか?」

2柱は静かに語った


「他の世界に送ってその世界のバランスが崩れないか?」

横島はどこまでも優しかった


「大丈夫です。 少し転生するまでの時間が長くなるだけです。」

横島はみんなを思い出していた


「そうか… なら、行ってみたいな。 もう一度みんなに会いたい……」

横島の答えに2柱うなずいた


「横っちの力は残しておく、その力は他人がいじっていい力やあらへんからな。 今度こそ幸せになってな…」

2柱はそう話して横島を新しい世界に送った

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