六道女学院のクラス対抗戦の後はしばしの平和な日々であった


横島や魔鈴は相変わらず忙しいが、少し前に増えた美衣やケイやタマモの仲間もおり、賑やかで楽しい毎日を過ごしている


横島の学校には、歴史通り貧乏神の呪いから解放された小鳩が転校してくるなどあったが、未来に比べれば格段に平和で楽しい学校生活のようだ


そんなある日

横島は学校で昼食の弁当を食べていた

メンバーはいつもの愛子、ピート、タイガーに、この日は小鳩もいる


「もうすぐ皆さんは修学旅行ですね～」

小鳩は弁当を食べながら少し羨ましそうに横島達に話しかけた


「修学旅行…？」

横島は不思議そうに首を傾げる


「横島君、まさか忘れてるんじゃないでしょうね？」

愛子は少しため息をついて横島を見る


横島は未来では修学旅行は行ってない


未来の時は横島に修学旅行に行くだけのお金がなく、両親や令子に頼んだが無理だった

元々、未来では横島は学校で奇人変人扱いされ、学校生活が楽しく無く特にショックは無かったが…


しかし、今回はきちんと修学旅行の積み立てもしているし、生活に余裕がある為愛子は横島も当然修学旅行に行くものと考えている


「横島さんはいいですノー」

タイガーは相変わらず日の丸弁当を食べながら羨ましそうだ


「お前らは行くのか？」

横島はピートやタイガーを見て聞いてみた


未来では彼らも行ってないはずである

理由は彼らも横島と同じでお金が無かったから


「僕は生活が苦しいのでちょっと…」

「ワシもそんなお金無いですケン」

ピートは苦笑いしており、タイガーはあからさまに残念そうだ


「なんて言うか…　ピート君やタイガー君を見てると悲しくなるわ…　現代の日本で、ＧＳという特殊技能を持ちながらなんで貧乏なのかしら」

愛子はため息をつく


「俺はどうするかな…　あんまり何日も事務所空けるのもちょっとマズいんだよな～」

横島は考えながら弁当を食べる

横島は結構忙しい

学校は出来るだけ出席しているし、夜には除霊や修行もしている

それに事件などが起きる可能性もある為、修学旅行に行くか迷ってしまう


「明日までに結論出さないとダメなはずよ」

愛子は悩む横島に期限を告げる


「今日帰って事務所の様子見てからだな…」

横島は結局、魔鈴に相談することにした



その日の夜

横島は魔鈴と寝室に入ってから修学旅行の相談を持ちかける


「実は来月初めに修学旅行があるんだが、どうしょうか迷ってるんだ」

横島は魔鈴とワインを飲みながら、話を始めた


「未来ではどうしてたんです？」

魔鈴は初めて聞く話に興味深げに横島に聞く


「未来じゃ行ってないんだよ。　金無かったしな…　学校生活を楽しむ余裕何て全く無かったからな」

横島は苦笑いしてしまう

未来の学校にはあまりいい思い出が無い

「私は行ってもいいと思いますが…　依頼は相変わらず多いですが、せっかくの修学旅行を休んでまで仕事する必要も無いと思いますし…」

魔鈴は少し首を傾げて考えてから話している


未来ではともかく、今の横島が高校生なのは変わらない

魔鈴は横島に今回は普通の高校生活を送らせつやりたいと、常々考えていたのだ