その一
さすがに各クラスの代表らしく、様々な技や術を使ってみんないい戦いをしている
試合は進んで、一年の二回戦の15分前、おキヌ達は控え室で準備をしていた
相変わらずかおりと魔理はピリピリしており、会話も無い
「弓さん、腕は大丈夫なのですか?」
そんな重い空気の沈黙を破ったのは、おキヌだった…
「腕ってなんだ!?」
魔理は驚いて、おキヌとかおりの腕を見る
かおりはその瞬間、驚いて右腕を庇うようにしていた
「やっぱり怪我をしてたんですね… 見せて下さい」
おキヌは険しい表情でかおりに近づいて、右腕にヒーリングをかけ始める
「お止めなさい! あなた如きが勝手なことしないで!!」
かおりはおキヌを睨みつけるが、逆におキヌのまっすぐな瞳で見つめ返されてしまう
かおりはおキヌの強くまっすぐな瞳に言葉がでずに、ヒーリングを受けている
「弓さん、あなたは優秀かもしれません。 でも、人間は一人では戦えないんです。 それに、これはチームで戦う課題なんです。 みんなで力を合わせて勝つから価値があるんです… それが出来ないなら、あなたは代表失格ですよ」
おキヌの始めてみる強い瞳と言葉に、かおりは驚いた
「あっ… あなた半人前の癖に随分わかったようなことを言いますわね!」
おキヌの迫力に負けていたかおりだが、プライドを揺さぶられて言い返す
「確かに私は半人前です。 でも、弓さんも同じですよ。 GSは、勝つ為に最善を尽くすのが当然なんです。 仲間を信頼出来ないようでは、話になりません!」
おキヌは再び強い眼差しで、かおりを見つめる
一方魔理は、いつも優しいおキヌの迫力に、話に乗り遅れていた
「………」
かおりは言葉が続かない
頭ではおキヌを否定しているが、心では理解していた
おキヌの言葉が正しいのを……
「あなたに…、私の何がわかるって言うんですの…… 私がどれだけ苦労して今の力を身につけたか、あなたにわかるもんですか!!」
かおりは悲痛な表情でおキヌや魔理を睨む
魔理は、ずっと完璧と思っていたかおりの本音に驚いた
「私が生まれたのは、約300年前です…」
おキヌはかおりを思いやるように、優しく微笑んで自分の過去を話し出した
「私は15の時、死津藻比女と言う妖怪を封じる為に、人身御供になって死にました。 それから300年… 一人で山の中で幽霊をしてました。 人もめったに来ない山奥です」
突然語り出したおキヌの過去…
かおりと魔理は信じられない思いで聞いている
「寂しかった… 辛かった… 人身御供での死と300年の時は、私から生前の記憶を奪いました 私は一人で、理由も知らず成仏も出来ずに、時が過ぎるのを待っていました」
おキヌは優しく微笑んではいたが、その表情は300年の寂しさと、生き返った想いで複雑そうだった
「私を孤独から救い生き返らせてくれたのは、横島さん達です… 横島さん達は私に、たくさんの幸せと生きる素晴らしさを教えてくれました だから、私は弓さんや一文字さんに伝えたいんです。 生きる素晴らしさを… 仲間の大切さを…」
おキヌの話にかおりは言葉も出ない
家族に囲まれて生きた自分の人生が、いかに幸せか思い知らされた
「すまなかったな… 弓、おキヌちゃん。 私も悪かった。 私は弓が羨ましかった… 私の持ってないもの全部持ってるあんたが…」
おキヌの話に決意したように魔理が語り出す
「私が霊能力に目覚めたのは中学の時だった。 誰でも持ってるわけじゃない… この力だけは、せめて負けたくなかった… あんたみたいになりたかったんだ…」
魔理は少し恥ずかしそうな表情をしながらも、かおりやおキヌにに自分の想いを語っていく
かおりは話の途中から下を向いて震えていた
その目には涙が溢れており、最早ピリピリした雰囲気は無かった
「私……、馬鹿みたい…。 頑張って歯を食いしばってるのは、自分だけだと思ってた…」
試合は進んで、一年の二回戦の15分前、おキヌ達は控え室で準備をしていた
相変わらずかおりと魔理はピリピリしており、会話も無い
「弓さん、腕は大丈夫なのですか?」
そんな重い空気の沈黙を破ったのは、おキヌだった…
「腕ってなんだ!?」
魔理は驚いて、おキヌとかおりの腕を見る
かおりはその瞬間、驚いて右腕を庇うようにしていた
「やっぱり怪我をしてたんですね… 見せて下さい」
おキヌは険しい表情でかおりに近づいて、右腕にヒーリングをかけ始める
「お止めなさい! あなた如きが勝手なことしないで!!」
かおりはおキヌを睨みつけるが、逆におキヌのまっすぐな瞳で見つめ返されてしまう
かおりはおキヌの強くまっすぐな瞳に言葉がでずに、ヒーリングを受けている
「弓さん、あなたは優秀かもしれません。 でも、人間は一人では戦えないんです。 それに、これはチームで戦う課題なんです。 みんなで力を合わせて勝つから価値があるんです… それが出来ないなら、あなたは代表失格ですよ」
おキヌの始めてみる強い瞳と言葉に、かおりは驚いた
「あっ… あなた半人前の癖に随分わかったようなことを言いますわね!」
おキヌの迫力に負けていたかおりだが、プライドを揺さぶられて言い返す
「確かに私は半人前です。 でも、弓さんも同じですよ。 GSは、勝つ為に最善を尽くすのが当然なんです。 仲間を信頼出来ないようでは、話になりません!」
おキヌは再び強い眼差しで、かおりを見つめる
一方魔理は、いつも優しいおキヌの迫力に、話に乗り遅れていた
「………」
かおりは言葉が続かない
頭ではおキヌを否定しているが、心では理解していた
おキヌの言葉が正しいのを……
「あなたに…、私の何がわかるって言うんですの…… 私がどれだけ苦労して今の力を身につけたか、あなたにわかるもんですか!!」
かおりは悲痛な表情でおキヌや魔理を睨む
魔理は、ずっと完璧と思っていたかおりの本音に驚いた
「私が生まれたのは、約300年前です…」
おキヌはかおりを思いやるように、優しく微笑んで自分の過去を話し出した
「私は15の時、死津藻比女と言う妖怪を封じる為に、人身御供になって死にました。 それから300年… 一人で山の中で幽霊をしてました。 人もめったに来ない山奥です」
突然語り出したおキヌの過去…
かおりと魔理は信じられない思いで聞いている
「寂しかった… 辛かった… 人身御供での死と300年の時は、私から生前の記憶を奪いました 私は一人で、理由も知らず成仏も出来ずに、時が過ぎるのを待っていました」
おキヌは優しく微笑んではいたが、その表情は300年の寂しさと、生き返った想いで複雑そうだった
「私を孤独から救い生き返らせてくれたのは、横島さん達です… 横島さん達は私に、たくさんの幸せと生きる素晴らしさを教えてくれました だから、私は弓さんや一文字さんに伝えたいんです。 生きる素晴らしさを… 仲間の大切さを…」
おキヌの話にかおりは言葉も出ない
家族に囲まれて生きた自分の人生が、いかに幸せか思い知らされた
「すまなかったな… 弓、おキヌちゃん。 私も悪かった。 私は弓が羨ましかった… 私の持ってないもの全部持ってるあんたが…」
おキヌの話に決意したように魔理が語り出す
「私が霊能力に目覚めたのは中学の時だった。 誰でも持ってるわけじゃない… この力だけは、せめて負けたくなかった… あんたみたいになりたかったんだ…」
魔理は少し恥ずかしそうな表情をしながらも、かおりやおキヌにに自分の想いを語っていく
かおりは話の途中から下を向いて震えていた
その目には涙が溢れており、最早ピリピリした雰囲気は無かった
「私……、馬鹿みたい…。 頑張って歯を食いしばってるのは、自分だけだと思ってた…」