かおりは僧侶と忍者の間のような姿をしていて、その手にはなぎなたを持っていた


「その程度の術なんか… 私には通用しません！」

かおりは松本の扇子を右腕で受け止めた！


「なっ… 素手で」

驚く松本をかおりはすかさず、なぎなたで押さえつけた


「ワン！ ツー！ スリー！ フォー！ ファイブ！」

鬼道が５カウントを数えて一年Ｂ組は勝った


結局おキヌには出番は無かった

「みんな… なんて強いの！？ 私にはついていけない」

直接戦闘に弱いおキヌは、困ったように見ていた



「おキヌちゃん達はなんとか勝ちましたね…」

魔鈴は呆れ気味に試合を見ていた


「ああ、試合する以前の問題だな」

過去の記憶にある試合と同じ内容に、横島は苦笑いしていた


「二人とも厳しいわね～」

理事長は魔鈴と横島の厳しい感想に苦笑いしていた


「試合する以前に、味方と争っていては、どうしょうもないですからね」

魔鈴はかおりと魔理の争いを呆れてみていた


「実戦なら、あの二人真っ先に死ぬな。 ＧＳになれば、自分と合わない人とも共闘しないとダメだしな… くだらないプライドを実戦に持ち込むなんて論外だよ 高い才能に実力もありそうなのにもったいないな…」

横島は少し険しい表情で、自分に言い聞かせるように、呟いていた

それは、横島もいずれ令子と共闘しなければならない、可能性があるのだから…


「あら、横島君も言うわね～ 少し前までは素人だったのに」

令子はイヤミを込めて言った


「これは美神さんに教わったんですよ。 美神さんもエミさんもお互い嫌ってるのに、共通の敵を相手にすれば連携してましたからね」

横島は令子のイヤミに気がついて、笑顔で交わした


令子は横島の言葉に、不機嫌そうな顔になって無言になった


「あの子達はまだ一年だから～ これからなのよ～」

どんどん厳しくなる話に理事長は、ニコニコとしながらフォローに回った


「最後の弓かおりさん…、何故わざわざ無駄な一撃を受けたのでしょう？ 彼女の力量ならかわすのも、なぎなたで受けるのも簡単だったはずなのに…」

魔鈴は少し不思議そうに首をかしげた


「わからないの？ 彼女は自分の力量に自信があるのよ。 周りの人間に力を見せつけたかったのよ。 だから、わざわざ素手で受けたのよ」

令子は相変わらず不機嫌そうだが、魔鈴や横島に教えるように話していた

かおりと同じくプライドの高い令子には、かおりの気持ちがよくわかるようだ


「力自慢の為に必要無いダメージを受けるとはな～」

横島は感心半分、呆れ半分で話していた


横島や魔鈴は必要無いプライドは持たない

特に力に関しては…

無論ＧＳや魔女としてのプライドはあるが、単純な力を自慢するようなプライドは持って無かった


「彼女は弓式除霊術の跡取りで、プライドが高いのよ。 同い年では負けたこと無いんじゃないかしら…」

令子の言葉を聞いた横島と魔鈴はトイレに行くと立ち上がって行った



横島達が居なくなった後、理事長は令子と話していた


「令子ちゃん、横島君って随分成長したわね～」

理事長は横島の感想に驚いていた

かおりが隠していたダメージに横島がすぐに気がついていたのだから　
　
「私は知らないわ。 魔鈴が修行を付けたんだと思うわよ」

令子は関心が無いように話していた


一方、トイレに行くと言って来た横島と魔鈴は…


「忠夫さん、おキヌちゃんのとこに行くのですか？」

魔鈴はわかっていたが横島に聞いた

「あのまんまじゃあ、おキヌちゃんが可哀想だしな」

横島は苦笑いしていた


「おキヌちゃんにはいい経験だとは思いますが…」

魔鈴は迷うように話していた

「ああ、普通なら問題ないんだけど、おキヌちゃんは生き返って、あまり時間がたってないからな～ 未来で美神さんの悪影響を受けたように、今回も悪い方に影響を受けたらダメだからな」

横島も魔鈴もおキヌがたくさんの経験をするのは必要だと思っていた