その一

「えっ!?」

小鳩は貧乏神の姿が変わったのに驚いていた


「貧乏神と福の神は表裏一体なんだよ。 小鳩ちゃんが試練に打ち勝ったから、貧乏神は福の神になったんだ…」

横島は驚いている小鳩に説明した


「じゃあ… 貧ちゃんとずっと一緒に居れるのね…」

小鳩は嬉しそうに元貧乏神を抱き締めた


「そうや! 今からわいは福の神や!! もう貧乏は終わりや!」

元貧乏神は自信満々に話した


「そんなことはいいの! ずっと貧ちゃんと一緒に居れるなら…」

小鳩は強い口調で元貧乏神に話した


「小鳩… ありがとう…」


元貧乏神は嬉しそうに小鳩と抱き合っていた……


「良かったですね… 小鳩さん」

魔鈴は落ち着いた小鳩に笑顔で話した


「はい! 本当にありがとうございました!」

小鳩は横島と魔鈴に頭を下げた


魔鈴は優しく微笑んで、小鳩に今回の依頼書と依頼料を返した


「えっ!! これは?」

小鳩は不思議そうに魔鈴を見た


「私達は何もしてません。 貧乏神が居なくなった今、依頼はお受け出来ません。 これは、依頼された方にお返し下さい」

魔鈴はそんな小鳩に笑顔で話した


「えっ!! でも… お二人のおかげで、貧ちゃんとずっと一緒に居れますし… 貧乏も治ったのに……」

小鳩は困ったように魔鈴と横島を見た


「でもな~ 俺とめぐみは本当に何もしてないしな… 君が貧乏神を家族として大切にした結果だよ」

横島は小鳩の困った様子に苦笑いして話した


「そうですよ。 貧乏神の呪いが解けたので、これからは生活が楽になるでしょう… 家族で仲良く暮らして下さいね」

魔鈴は嬉しそうに小鳩を説得した


「本当にありがとうございました…」

小鳩は感動して泣きそうな感じだった…


貧乏神が居ても、自分はこんなにいい人に出会えたことに…



小鳩と貧乏神は横島と魔鈴に何度もお礼を言って帰って行った……


「貧ちゃん、素敵な人達だったわね…」

小鳩は福の神の貧に笑顔で話しかけていた…


「不思議な連中や… まるでわいと小鳩を知っておったみたいな…」 
貧は横島と魔鈴に不思議な感じをしていた


「あの二人は映画にも出てる一流のGSなのよ。 だから私達のこと理解してくれたんだと思うわ」

小鳩は貧とずっと一緒に居れる幸せ

そして、貧乏も治る安心感で一杯だった……


「まあ、いい奴らには変わりないな… 小鳩… これからもよろしくな…」

貧は嬉しそうに小鳩を見た


「うん! 帰ってご飯にしようね!」


小鳩と貧はそうして帰っていった…



一方…

小鳩達が帰った後の横島と魔鈴は…


「小鳩ちゃん幸せそうだったな~」

横島はシミジミ話していた


「ええ、良かったですね~ 私は詳しく知りませんが、未来でも同じく福の神に変わったのでしょう?」

魔鈴は未来での事件を知らなかった

魔鈴が知ってるのは福の神の貧と一緒に居た小鳩が、横島のアパートの隣に住んでいたことくらいだ…

最も、小鳩が横島に好意を持っていたことは気がついていたが……


横島に昔の話を聞いたりしてたが、細かい事件は話してないことも多かった…


「ああ、前の時は大変だったよ… 初めて貧乏神を見た時、俺知らないで攻撃しちゃってさ~」

横島は苦笑いして前の時の事件を話し出した


「えっ!? 貧乏神にそんなことをしたら…!!」

魔鈴は驚いていた


「ああ、霊波刀で攻撃しちゃったからな~ 貧乏神がおっきくなっちゃってさ~ 俺の攻撃分のエネルギーを中和する為に、小鳩ちゃんと形だけの結婚式をあげたんだ… いや~ あの時は参った……な…?」

横島が苦笑いしながら昔話をしていると…


満面の笑顔の魔鈴が隣に座って横島をずっと見ていた…

満面の笑顔だが…

目が笑ってなかった……


(俺なんかまずいこと言ったか?)

横島は背中に冷や汗が流れていた


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