「有名人ってすごいんだな～」

横島は人事のように感心していた


「忠夫さんも有名人なんですよ？ そろそろ自覚して下さいね…」

相変わらず自覚の無い横島に魔鈴は苦笑いしていた


横島と魔鈴が話をしていると、若い店員がお茶を持ってきた


「どうぞ… 商品は今お持ちしますね」

若い店員は横島と魔鈴を少し見て、部屋を後にした


「なんでこんなことになったんだろうな～ 前の時は美神さん達だけ映画に出てたけど、ここまで騒がれなかったぞ？」

横島は不思議そうに首を傾げていた


「それは忠夫さんが成長したからですよ… 忠夫さんの演技が評価されて映画が大ヒットしたんですから…」

魔鈴は微笑んでいた


横島をみんなが認めてくれるのは、魔鈴も嬉しかった

あまりモテすぎるのは困るが…


それから店員が１０着ほどのスーツを持ってきた


魔鈴は店員と話ながら、選び２着ほどスーツを購入した


ワイシャツや靴などの物も購入した為、最終的に支払った金額は１００万を越えていた……


（カップ麺何個買えるかな…）


横島は別世界の金銭感覚に、頭の中には山済みのカップ麺とスーツが天秤にかかっていた



横島の買い物が終わると、今度は魔鈴の服を買う為に別のブランドショップに行った


ここでも横島達はＶＩＰルームに通されて、魔鈴の服を選んだ


先ほど買った横島のスーツに合わせるようなコーディネートで、魔鈴も選んでいた


「忠夫さん、似合いますか？」

魔鈴は服を試着して、くるりと一回転して横島を見て微笑んだ…


「ああ、本当によく似合ってるよ。 めぐみは美人だからな～」

普段見ないような高級な服に、横島は思わず見とれていた……


それから魔鈴は数着試着して、魔鈴のミニファッションショーになっていた


その後…、魔鈴の服を数着ほど買って、アクセサリーや靴などを揃えた


結果その日買い物した金額は…

数百万になった


横島は魔鈴の服は似合えば、値段を気にせずに買ったためである…


横島は自分の物はどうでもいいが、魔鈴の物にはお金を惜しむ気は無かったのだ…


普段あまりお金を使わない二人も、その日は贅沢をして楽しいショッピングをしていた



それから数日後…


魔鈴の事務所に難易度Ｓの依頼が舞い込んだ


ＧＳ協会からの紹介だったが…

一般のＧＳでは除霊不可能な相手なのだ


そう……

貧乏神にとりつかれた少女を助けて欲しいとの依頼だった…


貧乏神に憑かれた少女が、某コンビニでアルバイトをしていた

そこの経営者が、あまりに不幸だが純粋な少女の為に依頼したのだった


一般のＧＳでは極めて困難な除霊に加え、依頼料も安い為…

受けてが居なかったのだ


魔鈴の事務所は、魔女の魔鈴に、錬金術師のドクターカオスが居る為、たまにこのような難しい依頼が舞い込んでいた


未来で横島の隣に住んでいた小鳩の事を思い出した魔鈴が、依頼を受けたのだった…


横島が学校を終わって帰ると、事務所には魔鈴と小鳩と貧乏神が居た…


横島は懐かしい人物に思わず声をかけそうになった


「めぐみ、ただいま～ お客様か？」

横島は笑顔で小鳩と話していた魔鈴を見て話しかけた


「お帰りなさい。 忠夫さん 新しい依頼ですよ」

魔鈴は驚いている横島に内心苦笑いしていた


「初めまして、ＧＳの横島です。」

横島は小鳩に笑顔で挨拶した


「なんや、冴えない面した奴やな～ 本当にＧＳか？」

貧乏神は横島を馬鹿にするように笑っていた


（相変わらずだな… 貧乏神も…）

横島は苦笑いしていた


「貧ちゃん、失礼なこと言わないで！ すごい有名なＧＳの人なんだから…」

小鳩は焦って貧乏神に言った


「すいません。 貧ちゃんは口が悪くて…」

小鳩は横島に謝った


「気にしなくていいよ。 で、依頼は貧乏神の除霊かい？」

横島は苦笑いしたまま、魔鈴に聞いた