その一

横島は少し嫌そうな顔になった…

「何の用で来たんだ? 冥子ちゃんとの合同除霊か?」

横島は少し考え魔鈴に聞いた


「いえ… 六道女学院のクラス対抗戦の特別審査員の話しで来たんです」

魔鈴は少し困った様子で横島に説明した


横島は顔色が悪くなった…

昔…

かつての行動を思い出していた

散々バカな行動をして、嫌われた為…

トラウマな思い出だった…


「そう言えば、そんな行事あったな… 年に数回やってたんだっけ? 昔の事思い出しちゃったよ…」

横島は顔をひきつらせていた


「へ~ 忠夫さん行ったことあるんですね~」

魔鈴は笑顔で話したつもりだが…


(なんだ… 俺なんかまずいこと言ったか?)

横島は魔鈴の笑顔に少し冷や汗をかいていた…


魔鈴は別に怒ってはないが…

自分と出会う前に横島が女子高に行ったのは、なんか面白くなかった…


横島はなんとなく、話を終わらせた方いいと感じた

「断ったんだろ? 除霊じゃないし、特に行く必要ないしな…」

横島は魔鈴が断ったと思っていた

香港の映画以来、除霊以外の仕事は断っていたのだから…

話をそれで終わらせよとしたが…


「それが… 断りきれませんでした…」

魔鈴はため息をついて話した


「えっ…… そうか…、あの人も強引だからな…」

横島は困ったように言った


横島自身…

現在なら昔とは逆に、モテるのをあまり理解してなかった

ただ、昔に比べれば周りの女の子が優しいとは思っていたが…

未だに有名人としての自覚が少なかった…


「しかたないので、二人で行きましょう…」

魔鈴は横島を見ながら困ったように話した


そして考えていた

絶対に横島の隣から離れてはいけないと…

女子高なら、男と知り合う機会の無い女の子が多い、強引にでも近づいてくる子もいるだろう


自分の恋人は自分で守らねば…

魔鈴は、恋人として存在感を示さねばと…

使命感に燃えていた……



それから数日後、令子の事務所では…


おキヌと令子が夕食を食べていた


おキヌは学校での生活を楽しそうに令子に話していた

「ふーん、それでクラス対抗戦の代表になったのね~ 転入早々すごいじゃない!」

令子はおキヌの学校生活が順調そうなのを聞いて、喜んでいた


「でも、私はマグレだから… 弓さんや一文字さんも代表なんです。 足ひっぱっちゃうことになるかも…」

おキヌは少し困惑していた


「大丈夫よ! おキヌちゃんは生徒の中で一番実戦経験があるんだから… でも武器は必要よね… おキヌちゃんは破魔札しか使ったことないのよねー」

令子はそう話して、考えだした

おキヌに合う戦いの道具を、用意してやろうと思って考えていたのだ…


「私に出来るでしょうか…」

おキヌはあまり自信が無いようだ


「何事も経験よ。 失敗しても死ぬ訳じゃないし… 思いっきりやんなさい。 おキヌちゃんが出るなら、私も行くわ。 冥子のお母さんに審査員頼まれてたのよね…」


令子はおキヌに与える武器を考えていたが、不安そうなおキヌを見て、微笑んで話した


「美神さんも来てくれるんですか?」

おキヌは嬉しそうに言った
 
「ええ、応援に行くわ。 武器は少し待ってね。 何か用意するから…」

令子とおキヌは楽しそうに夕食を食べていた



その2日後…

横島と魔鈴は美神の事務所を訪れていた

「珍しいわね… あんた達が私の事務所に来るなんて… また事件?」

令子は冷めた様子で横島と魔鈴を見ていた

令子と横島は相変わらず、微妙な関係が続いていた


そして横島達が来るのは、死津藻比女の時など、用事が無ければ来ないのだから…

令子はまた何か厄介事かと思った


「いや、事件は無いっすよ。 今日はおキヌちゃんのことで来たんすよ」

横島は苦笑いして令子に話した

「前におキヌちゃんはこれから、GSを目指したいと言ってました。 それで、私達からプレゼントをと思いまして…」

魔鈴はそう話して、一つの箱を出した


横島と魔鈴は戦国時代の旅の途中、おキヌといろいろ話していた…

おキヌは横島や令子のようなGSになりたいと話していたのだ…


横島と魔鈴は未来でおキヌがネクロマンサーだった事を知ってるので、おキヌにネクロマンサーの笛をプレゼントしようと来たのだ
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