わかっていたが…

タマモにとっては人間は敵だ


未来ではすぐに打ち解けた魔鈴は、そんなタマモを見て複雑だった…


そして、タマモに徐々に理解してもらおうと考えていた


横島は、未来である程度経験している為、比較的落ち着いていた


タマモは警戒したまま…

ずっと横島と魔鈴を見ていた

嘘はついてないようだが…

秘密もありそうだ

敵意は無いようだし、しばらく様子を見よう

タマモはそう思った

第一に現代の知識と昔の力を取り戻したかった…

「いいわ… しばらくここに居てあげるわ。」

タマモはプイッと横を向いて話した


「そうか 良かった。 じゃあ朝ご飯にするか？」

横島は魔鈴を見て話した

「はい、そうですね。 じゃあ、リビングで待ってて下さいね」

魔鈴は横島とタマモを見て微笑んだ

そして朝食の支度に向かった


「そう言えば、お前名前は？ 俺は横島忠夫。 あっちが魔鈴めぐみだ」

横島は思い出したようにタマモに聞いた

横島達はタマモの名前を知っていたが…

タマモは横島達を知らないのだ

「…私は……タマモよ」

タマモは一瞬横島を見て話した


「タマモか…　よろしくな！」

横島は笑ってタマモに言った


タマモはそんな横島を観察するように見ていた

（変な人間…）

それがタマモの横島と魔鈴の第一印象だった…



それからタマモは…

横島達を観察するように生活していた

タマモは人造人間マリアに驚き、同じ妖怪の美衣やケイが事務所にいるのも、不思議そうに見ていた


数日後、タマモは横島の事務所にいた

事務所には美衣とケイがいて仕事をしていた

タマモはそんな美衣にふと話しかけた

「ねえ… あなた達は猫又でしょ？ なんで除霊事務所で働いてるの？」

タマモは不思議そうな顔をしていた

自分もそうだが…

妖怪にとっては、最も危険な場所のはずだった


美衣は苦笑いしていた

「私達は横島さんと魔鈴さんに助けられたんですよ……」

美衣は横島と魔鈴との出会いをゆっくり語った…


「横島兄ちゃんも魔鈴姉ちゃんも、みんや優しいよ」

ケイは嬉しそうに話した


「ふーん… そんな人間も居るのね。 霊能者としての実力も人間離れしてるし… 何考えてるのかしらね～」

タマモは理解出来ないといった表情だった


悪い人間でないのは数日一緒に暮らして理解した

だが、人間離れした霊能力に、自分をわざわざ復活させて助けた不思議な行動…

よく知れば知るほど、謎が出て来た

「横島さんも魔鈴さんも信用出来る人よ。 あなたを助けたのも理由があるはず… ゆっくり探してみたらいいですよ」
美衣はタマモを見て笑顔で話した


タマモは美衣とケイの笑顔を見て考えていた


確かにここは安全だ

しばらく様子を見よう…

「そうね… しばらくここにいるわ… 昔と違って妖怪は住みにくい世の中みたいだから…」

タマモは美衣を見てそう話した


「そうですね… 今の世の中で生きるには、人間と共存しなければ難しいでしょう… どんな山奥にも人間が来ますから…」

美衣は寂しそうに話した



タマモが魔鈴の家に住んでしばらくしたある日
　
おキヌは六道女学院に初登校していた


「やっぱり美神さんについてきて、もらえば良かったからあ… 霊能科ってどんなとこなんだろう？ 不安になってきた」


おキヌは学校に通うのが初めてな為、不安だった…



その頃魔鈴の事務所には、六道理事長が訪れていた…


「クラス対抗の～　霊能バトルの特別審査員を～　お願いしたいの～」

理事長は相変わらずな口調で、ニコニコと魔鈴に話していた

「でも、忠夫さんは学校がありますし… 私も審査員はあまり自信が無いのですが…」

魔鈴は笑顔だが少し困った感じだった…


「生徒の～　アンケートの結果～ 二人が一番だったのよ～ お願いよ～」

のほほんとした感じとは裏腹に、しつこくお願いする理事長