「ええ、私は中世の魔法を研究し復元しています。」

唐巣は感心しているが

美神は魔鈴の笑顔にさらに不機嫌になる…

美神は一瞬で悟った

こいつは敵だ！

唐巣やピートはすでに、引き気味になっていた

「その魔女がうちの横島とどんな関係なのよ！？」

美神が魔鈴を睨みつけ話す

「横島さんは私の大切な人ですよ」

魔鈴は満面の笑みであっさり言った

その言葉に部屋は凍りついた…

だが、ドクターカオスだけがニヤニヤと見ていた

その時、動き出したのはおキヌだった

「どこで知り合ったんですか？」

おキヌも面白くなさそうに聞く


「私が前に帰国した時に出会いまして… そのまま付き合うことになりました。」

魔鈴は笑顔で嘘を並べる

「本当はもうしばらく先に帰国予定でしたが、横島さんがＧＳ免許を取ると聞いたので帰国を早めたんですよ」


「そうなんですかー」

おキヌは暗くなっていた

「今日まで横島さんがお世話になりました。 」

魔鈴が美神に頭を下げる

美神は驚き険しい顔になる

「はっ？ あんた何のつもりよ！」


「横島さんは私が引き取ります。その為の帰国ですから」


美神以外は固まって口も開けなかった…


「あんた… あんなスケベでバカで役立たずのどこがいいの？ 」

美神の言葉に魔鈴は笑顔だが、怒りのオーラを出していた

「私の横島さんを悪く言わないで下さいね。」

これに美神もさらに怒りのオーラをだした

「うちの丁稚を勝手に誘惑して引き抜くなんていい度胸してるわね。」

「美神さんでしたっけ？ 横島さんとどういう関係ですか？ 確か時給２５５円で雇ってるんですって？」

美神の顔には青筋がたくさん出ていた


「そ… そう。 で？ 横島クンはどう考えてるのかしら？」

メドーサも逃げ出すような顔の美神が横島を睨む

横島は内心冷や汗をかいたが、冷静に話した

「俺は魔鈴さんと仕事していきます。 今までお世話になりました。」

横島は頭を下げた

おキヌが慌てて横島に問いかける

「横島さん？？ 本当ですか？ いんですか？」

横島は笑顔でおキヌを見た

「おキヌちゃん、別に会えなくなる訳じゃないし、いつでも会えるよ」

横島の言葉におキヌは何も言えなくなった

美神の殺気で唐巣達は顔面蒼白になって震えていた

「そう。 わかったわ あんたみたいな 役立たずこっちから首にしたげるわ。」

美神は、そう話して事務所を出ていった…


ドクターカオスは横島と魔鈴をニヤニヤ見ていた

「ワシらは帰るかの… 帰るぞマリア！」

カオスとマリアは帰っていった

唐巣とピートと雪之丞は、やっと呼吸が出来たようだ

「横島さん、よくあの美神さんに言えましたね…」

ピートは疲れきった顔で話した

雪之丞は驚き

「さすがに俺のライバルだ」

と感心していた

横島は微笑んで答える

「俺は魔鈴さんを守りたいからな。 いつまでも２５５円で働いてられないよ」

途中苦笑いしながら話した

だがおキヌは落ち込んでいた

「おキヌちゃん、おキヌちゃんにはたくさんお世話になったからね。 いつでも遊びにきてね それに、困ったら必ず駆けつけるから」

横島はしっかりおキヌを見つめて話す

「横島さん…」

おキヌは複雑な顔だが少し笑ってみせた。


「横島君、ＧＳの研修先を変えるなら協会に届けなければだめだよ。 もしも美神君がダメなら私に話すといい。 何とかするからね」

少し引きつったままの唐巣が言う

美神の師匠として最大の努力なんだろう…


「じゃあ、我々も帰ろか」

そう話しておキヌ以外は帰っていった…

帰り道横島と魔鈴は…

「めぐみスゴかったね～ あの美神さんに勝ったよ」

横島が心底感心していた

「美神さんのとこ辞めるなら早い方がいいですもの。 未来のように過去とか知った後だと、もっと大変ですよ？」

魔鈴は微笑みながら話した