その一

横島と魔鈴はヌルの研究所から、モンスター工場に入っていた…


地獄炉の隣の部屋で横島と魔鈴は止まった

「横島、地獄炉を止めるにはもう少し時間が必要みたいだ」

心眼が地獄炉の様子を教えていた


「ここで少し時間をかせぐか…」

横島は魔鈴を見て話した

「それがいいでしょう… 地獄炉の逆操作は危険です…」

魔鈴も難しい表情で話した


そして、ゲソバルスキーとヌルが追いついてきた

「貴様ら! 私の工場で何をするつもりだ!」

ヌルは横島達がモンスター工場に来たのを、疑っていた

「ここは破壊させてもらいます。」

魔鈴はそう話して杖を構える


「やめろ! ここを不用意に破壊すれば貴様らもタダではすまんぞ!」

ヌルは焦りを見せていた

隣に地獄炉がある以上、この場所でムチャは出来ないのだ


「お前とモンスター工場をまとめて葬ってやる!」

横島はヌルに霊波刀で斬りかかるが…


ゲソバルスキーが前に立ちはだかる


「その二人を別々に始末しなさい! 最早生け捕りにする必要も無い!」

ヌルは怒りの表情でゲソバルスキーに命令した


そして、魔鈴に雷の足を放つ

バリバリバリ!

「雷よ… かの者を撃て!!」

バリバリバリ!


ドッカーーン!!!

同じ雷の魔法で、辺りが爆発した


横島を囲むゲソバルスキーの一部が爆風で吹き飛んだ


「貴様、本当に人間か? 人間の魔法の威力ではないぞ?」

ヌルは驚いたように話した

「うふふ… 魔族のあなたにはわかりませんよ? 人は強くなれるのです。」

魔鈴は笑顔で答えをそらした


「ハッ!」

その頃横島は、霊波刀や霊波砲でゲソバルスキー達を倒していた

先ほどの爆発で出来た隙を逃さずに、攻撃していたのだ


今の横島ならゲソバルスキーなら物の数では無かった


魔鈴とヌルは魔法を撃ち合うが、お互いダメージを与えられない

ヌルはモンスター工場への影響を考えて、あまり大きな攻撃を出来なかった…


横島はその間にゲソバルスキーを倒して、再び魔鈴の隣に戻っていた


「お前達は本当に何者か気になるが… まあいい… 今すぐ死んでもらう! 私の全力によって!!」

ヌルはそう話すと自身の魔力を解放し始めた


ゴーゴーゴー…


ヌルから凄まじい魔力が溢れ出していた

「クッ… 凄まじい魔力だ! こっちも全力を出さないと殺されるな」

横島は険しい表情でヌルからのプレッシャーに耐えていた


「死ぬがいい!!」

ヌルは高めた魔力で魔法を使おうとしたが…

その時、ヌルの体から魔力が抜けていった…


「何故… 力が抜けるのだ…!?」

ヌルは慌てて横島と魔鈴を睨む

「地獄炉は止めさせてもらった… 最早貴様に勝ち目は無い」

その時、隣の部屋からカオスが現れた

「おのれ! ドクターカオス! 貴様地獄炉を止めるために逃げていたのか!?」

ヌルは力が抜けてゆく中、カオスを睨みつける


「当然だろう… これだけモンスターを大量生産するエネルギー源を止めねば、貴様には勝てまい? 最後にひとつ答えろ、ヌル… 貴様の行動は誰の考えだ?」

カオスはヌルに銃を突きつけて聞いた

「地獄炉を止めたくらいで勝てると思うな!!」


ヌルはカオスに向けて氷の足で攻撃した

氷の散弾がカオスに向かっていた…

隣ではマリア姫をマリアが守っていた


「サイキックシールド!」

ドドドドドド…


ヌルの放った氷の散弾は横島がふせいでいた

「おのれ! 貴様ら!」

ヌルは再びカオスと横島に攻撃しようとしていた


「炎よ… 雷よ… かの者を滅ぼせ!」

ヌルは怒りで周りが見えて無かった

そして、魔鈴から目を放していた

その瞬間を魔鈴は見逃さなかった


ボッカーン!!


「ギャーー…」

ヌルは魔鈴の魔法の直撃で悲鳴と共に倒れた…


「おのれ… 貴様… 魔法を合わせるとは… そんなバカな… せめて地獄炉が動いていれ…ば……」

ヌルは最後まで魔鈴を驚きの表情で睨んで消えていった…

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