「そうですっ！！ いつか私もやろうと思っていたのにっ！！」

カオスは羨ましそうな、少し悔しそうな感じで話したが…

マリア姫の呆れと軽蔑の混ざった眼差しに、居心地悪そうにした…


その時…

ゴォォォ…

地獄炉の出力が上がった

「炉の出力が・上昇・しました」

マリアがカオスに言った


「姫、しばらくお待ちを… 早く地獄炉を止めなければ、あやつらが危ない…」

カオスは真剣な顔に戻り地獄炉を操作始めた

マリアとマリア姫は出来ることはなく…

カオスを見守っている…


その頃横島達は…

ヌルが目の前でタコの姿に戻っていた…


「お前達は霊力も高く、魔法技術も素晴らしい… 私の実験材料にしてやろう…」

ヌルはタコ足をくねくねさせて横島達に話した


そして、足の一本を横島達に向けた

バリバリバリ！！


タコ足からは雷が放たれた！

「雷よ… かの者を撃て！！」

バリバリバリ！！

今度は魔鈴が雷を放ち、迎撃した


「我が八本の足には八つの力が宿っている！今のは雷の足！ どこまで耐えられるかな？」

ヌルは自信に満ちた感じで魔鈴に話した

普通の人間の力では、魔族のヌルの魔法と張り合うのは無理がある…

ヌルはそれを良く知っていた


だが…

横島と魔鈴は普通の人間ではない…

無論、横島と魔鈴はギリギリまで、ヌルに力を見せるつもりはないが…

カオスが地獄炉を止める時間稼ぎなのだから…


「あなたのような魔族を野放しには出来ません！ ここで退治させてもらいます！」

魔鈴は杖を構えてヌルに言い放った


「口だけは達者だな！」

ヌルはそう話すと、自分の足を次々と切り離していった…

そして、切り離した足からは、ゲソバルスキーが次々と現れた

「囲みなさい！ 数で圧倒するのです！」

２０人はいるゲソバルスキーにヌルは命令した


魔鈴と横島は背中合わせで、ゲソバルスキー達に囲まれた…

「やはり、地獄炉を止めないといくらでもエネルギーを補給しているな…」

横島は魔鈴に小声で話した

「ええ、あのヌルを倒すには圧倒的なパワーで、ヌルの全身を消滅させるしかありませんが…」

魔鈴は険しい表情で答えた

「今の俺達でも難しいな… やはりカオス待ちか…」

横島は苦笑いして答えた


そして、ゲソバルスキーが一斉に横島と魔鈴に襲いかかる！


「大地よ… かの者達の動きを止めよ！」

魔鈴が魔法を使うと地面から床が盛り上がり、ゲソバルスキーの足を固定してしまった…

「炎よ… かの者達を燃やし尽くせ！」

魔鈴は続いて強力な炎でゲソバルスキー達を攻撃した

「ハッ！！」

横島は霊波砲で攻撃した

二人のコンビネーションでゲソバルスキー達は一気に片づけられた


「素晴らしい… それだけの力の人間がいるとは… だが… ゲソバルスキーはいくらでも作れる。 お前達はいつまで霊力がもつかな…」

ヌルは余裕を持って横島達を見ていた


横島と魔鈴はお互いを見て、すぐにその場から逃げ出した


「やはり地獄炉までヌルを誘導するしかないな…」

横島は小声で魔鈴に話した

「そうですね… 時間も稼ぎましたし、そろそろいいでしょう」

二人は話ながら地獄炉に向かっていた

「横島… ヌルが新たにゲソバルスキーを１０体作って、ヌルとゲソバルスキーが追いかけてきてるぞ」

心眼が後ろの状況を見て話した

「よし… 予定通りだな… しかし、ゲソバルスキーの数は多いな～」

横島は走りながら首を傾げた

「恐らくは前回の美神殿より、今の魔鈴殿の方が実力がかなり上だからだろう… ヌルは頭がいい。 警戒して、力を計っているのだろう」

心眼が横島の疑問に答えた


横島と魔鈴はヌル達を引き離さない程度に走って、地獄炉へ急いだ