その一

その時

カオスの隣の空間が揺らいだ

そして、横島と魔鈴が現れた

「カオス、先に脱出してくれ」

横島はカオスの目を見て話した

「うむ、そうさせてもらう… 姫を安全な場所に連れていく」

カオスは横島の目を見て話した

二人は頷いて、カオスはマリア姫とマリアを連れて部屋を出ていった


「貴様ら… 今どうやって現れたのだ?」

ヌルは横島と魔鈴を興味深く見て話した

「さあな… 秘密は秘密だから意味があるんだ…」

横島はニヤリとして話した

「カオスの仲間か… ただ者ではないようだが… 魔族一術に長けた私の前では、貴様などカエルに等しい!」

ヌルは手に持つ杖に魔力を込めて、横島と魔鈴に魔法を放った!


「杖よ… かの者をカエルに変えよ…」

魔鈴も少し遅れたが、同じ魔法を放った

ドッーン!


二人の魔法は相殺されてしまった…

「まさか… 魔女なのか… 私の魔法を相殺するとは…」

さすがのヌルも驚いていた


「炎よ… かの者を燃やし尽くせ!」

魔鈴はすぐに炎をヌルに放った


「無駄です!」

キンッ!

ヌルは障壁を張り魔鈴の魔法を防いだ


「ほう… 今の炎を防ぐとは… さすがは魔族だな‥」

横島は少し感心したように話した

実際は知っているのだが…

横島達が時間移動したのは秘密にしなければならない

あえて、驚いてみせた

「本当に不思議な人達ですね… あなたほどの若さで、それほど魔法を使うとは…」

ヌルは魔鈴を興味深く見つめていた


「魔女が魔法を使うのは当たり前ですよ」

魔鈴は笑顔で話した


その頃カオスは…

「カオス様! 私は大丈夫です! それよりヌルを退治して下さい!」

マリア姫はカオスに真剣な表情で話した

「姫、奴を倒すには奴が持つエネルギー原を止める必要があります。 私はそれを止める為に逃げたのです」

カオスは自信に満ちた笑みで話した

「では先ほどの会話は…」

マリア姫は先ほどの横島との会話を思い出していた

「あれはヌルを欺く為の会話です。 奴が気がつく前に行きます。 マリア、地獄炉の場所を探してくれ!」

カオスはマリア姫に説明すると、マリアに地獄炉の位置を探させた

「イエス・ドクターカオス。 地獄炉発見しました」

マリアの案内でカオス達は地獄炉に急いだ



一方横島達は…


「わかりませんね… あなたほどの魔女が全く無名とは… 」

ヌルは疑うような目で魔鈴を見つめる

「魔女が有名になっていい事などありませんから…」

魔鈴は冷静に答えた

「ヌル様! 何事です!」

その時、ゲソバルスキーがザコソルジャーを連れて現れた

「ドクターカオスの仲間です。 捕らえなさい」


ヌルの命令にゲソバルスキーとザコソルジャーは横島達に襲いかかる

「風よ… かの者達を切り刻め!」


魔鈴はザコソルジャー達に魔法の真空刃を放った!


スパッ!スパッ!スパッ!


ザコソルジャー達は次々に切り刻まれた

「ハッ!」

横島は霊波刀でゲソバルスキーと斬り結ぶ…

「グワッ!!」


横島の霊波刀がゲソバルスキーを貫いて倒した

わずか1分でゲソバルスキーとザコソルジャーが全滅した


「やりますね… ゲソバルスキーも瞬殺とは… 魔族とは不便なものです。 人間界では、そのちからを一部しか使うことが出来ません。 しかし、私は違う!知力でそれをカバーする技術を手に入れたのです。」


ヌルは魔力を高めて変身を始めた…


その時、カオスは地獄炉に到着していた

「これが地獄炉か…」

カオスは驚き半分、感心半分で呟いた

「カオス様、これは…?」

マリア姫はその恐ろしげな装置を見てカオスに聞いた

「地獄炉です。 ヌルの奴、地獄からパイプラインをひいて、直接魔力の源にしていたのだ! 文字どおり、この城には地獄に繋がる穴が開いているのです」

カオスは険しい表情でマリア姫に説明した

「そ… そんな恐ろしいこと…!?」

マリア姫は驚いていた

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