その一

ヌルの研究所の奥…

そこに頑丈な鉄の扉があった

「心眼、中に人は居るか?」

「ああ、二人ほどいる… 一人はカオスだ」

心眼は横島の問いかけに答えた

横島はドアを開けようとするが…

開かなかった

「そりゃ鍵はかかってるよな~」

横島は文珠を出した

【開】

文珠の効果で扉は開いた


「こんな夜中に何の用だね?」

中には警戒感をあらわにした若きカオスが居た


「ドクターカオス… 俺達はあなたを助けに来ました。」

横島はカオスに話しかけて部屋を見ると、領主らしき人とカオスしか部屋に居なかった…

「初対面の人の言うことを信じろと言うのかね?」

カオスは横島達を見極めようと話したが…

マリアを見て表情が変わる…

「お主は……」

カオスは驚きに満ちた表情でマリアに話しかけた

「ドクターカオス・マリア・会いたかった…」

マリアは微笑んでカオスに言った


「マリアはあなたが作った人造人間です。 私達は未来からカオスさんを助けに来ました。」

驚きに満ちたカオスに魔鈴が説明した


「素晴らしい… 私はここまで人造人間を進歩させたのか… 未来からなど普通は信じられんが… マリアは確かに、私が今作っている人造人間試作M666だ…」

カオスは目を輝かせてマリアを見ていた…

カオスは見ただけで理解していた

マリアが自分が作った者だと…

そして、マリアが今自分の予想以上の高性能なのに驚いていた


「カオス… 感動をしてるとこ悪いんだが… マリア姫の行方がわからない。 早く探さないと…」

横島が申し訳無さそうに話すと、カオスの表情が険しい物に変わる

「そうだ! 姫を助け出さねば! ヌルの奴め! 姫を妻になど許さん!!」

カオスは怒りの表情で話した

「カオス、ヌルは魔族だ… そして、奴を退治するのに協力してくれ」

横島が冷静に話すとカオスは難しい表情で考え出した


「一つ聞きたい… 何故わざわざ時を超えて私を助けに来たのだね?」

カオスは横島と魔鈴を見て話した

横島と魔鈴は微笑んで答えた

「俺達は未来であんたに世話になったんだ…」

「それに、私達とマリアとカオスさんは未来で仲間ですから…」


カオスは信じられないような顔で横島と魔鈴を見ていた


自分が仲間を持っていることが信じられなかった…

「カオスの不老不死の術は不完全な術だろ? 俺達はその上位の真の不老不死の術を完成させたんだ… だから、俺達は神魔と同じく肉体が無い… 未来ではカオスも同じ術を使って元気に生きてるよ」

横島は不思議そうに見つめるカオスに説明した

「馬鹿な! あの術は神魔により、封印された禁断の術だぞ!? 私でも無理だったのに…」

カオスは驚き問いかける

「未来で私達がカオスさんと共同で、様々な魔法や術を復活や開発しました。 その結果です」

魔鈴が驚いたカオスに話した

「まあ、詳しい話はヌルを倒してからにしよう…」

横島はカオスの話が長くなる気配を察知して話を進めた

「うむ、そうだな… 姫を助けに向かおう!」

カオスも知的好奇心より、マリア姫を優先させた


横島は部屋を出る前にカオスにも【穏】【行】の文珠を渡した

「お主文珠を使えるのか? まさか人間に使える者が現れるとはな… 時間移動もこれを使ったな?」

カオスは文珠を珍しそうに見ていた

そして、横島達が未来から来た方法まで当てていた


「流石だな…、その通りだよ。 時間移動もここに忍び込んだのも、文珠を使ったんだよ。」

横島はカオスの鋭さに苦笑いして答えた

「では、姫を探しに行こう!」

カオスはマリア姫を探して歩き出した
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