その一

横島達が過去に来たのは、結果的に正しかったようだ


この時代ではマリアがまだいない


カオスと機会犬のバロンだけではヌルに勝つのは難しい


マリア姫を人質にとられたらどうしようもなかった…


「とりあえず、カオスとマリア姫を救出しないとな… 確か…、ヌルはマリア姫を嫁にとか話してたからな…」

横島は顔をひきつらせていた

タコの姿のヌルの嫁など、想像もしたくなかった…


「行くなら今夜でしょうね… カオスさんを捉えてヌルは油断してるでしょうから…」

魔鈴は横島を見て話した


「カオスを救出して、地獄炉を止めないとヌルを倒すのは難しいからな…」


横島は過去のヌルを思い出して話した


ヌルは地獄炉からエネルギーを取り込んで戦っていた


人間界は魔力が薄い…

世界各地にある冥界のチャンネルから、魔力が送られてくるため魔族は人間で活動出来るが、本来の力は出せなかった


ヌルは地獄炉により本来の力を発揮していた


「まずは城に潜入して、カオスさんの救出ですね…」


魔鈴はそう話すと横島達は城の近くに移動した

「マリア、城の外を警備している奴らは何人いる?」

横島はマリアを見て聞いた


「城の外部にいる・敵影は20体です」

マリアが城をスキャンして話した


「やっぱり文珠を使って潜入するしかないな… 霊波迷彩服を持ってきてないからな」

横島は少し考えて話した

そして横島は文珠を魔鈴とマリアに渡した

文字は【穏】【行】

これにより、よほど霊視にすぐれた者意外には見えないはずである


「準備はいいか?」

横島は魔鈴とマリアを見た

「はい、行きましょう」

「イエス・横島さん」


魔鈴とマリアの返事を聞いて、横島達は文珠を発動させた


そして、空から城の中庭に降り立った…


横島も城の内部構造までは知らない為、マリアのセンサーと心眼の霊視を頼りに城を進んだ…


途中ザコソルジャーに会ったが気づかれずに進んだ


「カオス達はどこだ? 牢屋か?」


城の内部はモンスター工場などに改造されており、思った以上に複雑だった



そして横島達は地下牢を発見した

バキ!バキ!

横島は霊波刀で見張りを倒した

「ドクターカオスとマリア姫はいるか?」

地下牢に居る人達に横島は話しかけた


「姫様とドクターカオスも捕まったのですか!?」

若い女性が驚いて横島達に聞いた


「ああ、捕まったはずなんだが…」

横島達が牢を見てもカオス達は居なかった

「私達は元々城で働く者です。 領主様はプロフェッサーヌルの研究所に監禁されてます… 姫様とドクターカオスが捕まったならそちらでしょう…」

若い女性は横島達に説明した


「皆さん、すいませんが今は助けてあげれません… マリア姫とドクターカオスを救出して、プロフェッサーヌルを退治するまでお待ちください」

魔鈴は済まなそうに話した

「私達はいいから早く姫様をお願いします! ヌルは姫様を妻にしようとしてます… どうか… 姫様をお願いします!」

牢の中の人達は横島達に必死にお願いをしていた


「マリア姫様達は必ず助けます。 ですから静かに待ってて下さい」

魔鈴は牢の中の人達に頭を下げて、横島達は地下牢を後にした…

そして横島達はヌルの研究所を探して城の中を歩いていた


「ヌルのやつかなり改造してるな…」

横島は城の中を見て呟いた

「ええ、ここでモンスターを大量生産するつもりなんでしょう… 数年もすれば、ヨーロッパ全土で戦乱になるでしょうね…」

魔鈴も周囲を警戒しながら話した


横島達はそのまま研究所を探して、ヌルのモンスター工場に入っていた


そこには完成間近のモンスターや、製作中のモンスターが多数いた

「やはり大量生産間近だな…」

工場のモンスターを見て横島達は驚いていた


前回はゆっくり見てる暇は無かったし、横島自身あまり興味が無かった為気にしなかったが…


今見るとかなりヤバい施設だった…

「これほどのことをするなんて… 後少し来るのが遅かったら危なかったですね…」

魔鈴は険しい表情で話した


横島達はそのままモンスター工場の奥に進んだ…


そこは城の最深部


厳重に警備された場所だった…


しかし、文珠で隠れている横島達は無事中に入れた


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