その一

「僕個人としても、Gメンとしても、彼らには借りがあるからね… しばらく頭が上がらないよ」

西条は苦笑いして話した


「あっ… そう言えばおキヌちゃん、学校に行かない?」

令子は思い出したようにおキヌを見て話した

「学校ですか?」

おキヌは首を傾げた

「そうよ。 せっかく生き返ったんだし、楽しいわよ? 冥子の家で経営してる学校に霊能科があるのよ。 GSとしての基礎を学ぶにはちょうどいいわよ?」

令子は話が変わって機嫌が良くなった


おキヌは考えていた

学校は行ってみたいが…

どうせなら横島と一緒がいいな~

なんて考えていたが、霊能科は魅力的だった

「それはいい考えだね~ おキヌちゃんは幽霊の時から実戦は知ってるが、本格的なGSになるなら基礎から勉強した方がいいよ」


西条も令子の意見に賛成らしくおキヌに進めた


「そうですね… 私、頑張ってみます!」


おキヌは少し考えたが学校に行くことにした


美神や横島のようなGSになる為に…



そして、帰った横島達は… 
 
2~3日、家で休養をしていた

「大変な旅でしたね…」

魔鈴はシミジミ言った

「ああ… まさかあんな大物と戦うとはな~」

横島は改めてノスフェラトゥの力を思い出していた


一歩間違えれば、世界の破滅や神魔戦争になるとこだったのだ…


「もう一つ気になることがあります…」

魔鈴は難しい顔で話した

「行かなかった過去か?」

横島は魔鈴を見て呟いた

「ええ、ドクターカオスとマリア姫が…」

魔鈴は考え込んだ


今回は中世に行かなかった

ならあの時代のヌルはどうなってたのか…


一番危険なのはマリア姫だ

美神や横島が行かなかったら、ヌルに捕まってどうなったかわからない…


それにカオスも危険だった

かつて横島達が行った時は、ヌルの作った人造モンスターがまだ少なかったので勝てたが…


カオスの到着が遅れればモンスターが増えて、負ける可能性もあった


歴史は複雑であり、繊細である


中世の時点ではまだかつての世界と分岐する前な為、横島達が知る歴史と変われば、新たな平行世界を生む可能性もあった…


「カオスにも話して相談しないとな… 後はタマモもそろそろ復活しないか、様子を見ないといけないし… 問題は山済みだな」

横島は疲れたような、困ったような感じで話した


そんな横島に、魔鈴は後ろから抱きついた

「大丈夫ですよ。 少しずつですがいい方に歴史は向かってます。 後は歴史の修正力が強く働かないように、調整すればいいだけです」


魔鈴は優しく横島を抱きしめた


「ありがとう… めぐみ…」


横島が苦しい時、癒やしてくれるのはいつも魔鈴だった…



次の日

横島と魔鈴はカオスを交えて、話し合いをしていた…


「危険を冒して行く必要は無かろう。 本来は時間移動などせぬ方がよい。 その時代に生きている者が戦えばよいのだ」


横島達が中世の話をするとカオスは否定的だった


普通に考えればカオスの話はもっともなのだ


しかし…

「だが、ドクターヌルは危険だ。 あの時点でヌルを倒さなければ、技術が進歩するだろう… それに、アシュタロスの化学力が合わされば歴史は大きく変わる… 元々、俺達が逆行して変わった歴史なんだから、これ以上変わらないように調整する必要はあると思うが…」

横島は険しい表情で話した

アシュタロスが作る逆天号などは、ヌルの技術と繋がる物がある…


おそらくヌルとアシュタロスはつながっているはずだと、横島と魔鈴は見ていた……


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