その一

「光秀様が守った世界です。 幸せになって下さい」

魔鈴は微笑んで光秀に言った


「ああ、本当に世話になったな… 最後に名前を教えてくれまいか?」


光秀は横島を見て話した


「俺は横島忠夫」

「私は魔鈴めぐみです」


二人は静かに名乗った


「横島忠夫… 魔鈴めぐみ… そなた達の名前は歴史には残らない… たが… 私は一緒に戦った仲間を忘れない。」


光秀はそう笑顔で話した


「俺達も忘れないよ。 明智光秀は後の世で謀反人と呼ばれるだろう… だが、光秀の戦いは俺達が忘れない。 二度と会わないだろうが… 幸せにな…」


横島と魔鈴は光秀と笑顔で別れた



横島達は令子、おキヌ、マリアの待つ場所に行った


「さあ、帰りましょう」

魔鈴は令子達に言った

「帰るってどうやって? そう言えばあんた達どうやって来たの?」

令子は思い出したように横島達に聞いた

「ああ、簡単に説明するとこれですよ」

横島は令子に文珠を見せた


令子はしばらく見つめて震えだした


「ま… まさか… 文珠なの?」

令子は恐る恐る聞いた


「見ただけでわかるなんで、さすが美神さんですね~」

横島は感心したように話した


「こんな貴重な物どうしたの!?」

令子は驚き横島に聞く


「俺の新しい能力ですよ。」

横島は笑顔で話した


「まさか… そんな…」


令子はショックで固まっていた


「美神さんにおキヌちゃん… 文珠のことは誰にも言わないで下さい。 世間に知られると、忠夫さんが危険になるので… お願いします」

魔鈴は令子とおキヌに深く頭を下げた


おキヌはおろおろしたが、令子は不機嫌そうに言った


「私はあんた達の能力なんか興味ないわ! 興味ないことを、誰かに言うなんてするわけないでしょ!」


その言葉に横島と魔鈴な苦笑いした


言葉は悪いが人に話さないと言っているのだから…


やはり、令子はどこまでも令子だった



横島達は来たときと同じ方法で現代に帰った



ピカー!!


光と共に横島達が現れたのは美神事務所だった


「無事帰ってこれたようじゃな…」

「令子ちゃん!!」

事務所ではカオスと西条が待っていた


「「「「「「ただいま」」」」」」


横島も魔鈴もマリアも無事帰れて嬉しかった


そして、令子とおキヌと西条も喜びを分かち合ったいた



その後…

光秀の褒美は当たり前のように令子が全部持っていったが


西条が個人的に横島達に報酬を払って収まった


横島と令子の確執は危機的状況での再開で、最悪な事態よりは良くなったが…


現代に戻った後は、相変わらずぎこちなさが残っていた



令子はその後カオスの助言通り

時間移動の能力を小竜姫に封印してもらった



そうして…

もう一人…

明智光秀のその後は…

史実では、秀吉に負けた後に死んだことになってはいる…


が…

光秀の首が秀吉の元に届いた時には、腐敗が酷く確認は出来なかったと言う…


そして、光秀が生きていたと言う伝説が、日本各地に残っている


真実は光秀の戦いと共に闇の中だが…


しかし…

真実を知る横島達は光秀があの後生きたと確信している



そうして、波乱に満ちた時間旅行は終わりを告げた……




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