当時のバチカンとカオスが倒せなかった相手


光秀が退魔師を何人集めたかは知らないが、ノスフェラトゥを討つのは難しいだろう


横島と魔鈴の考えは一致していた


そして、自分達はこの為にこの時代に来たのかもしれない

そう考えていた


「忠夫さん…」

魔鈴は横島を見つめた

「ああ、行こう。 本能寺に…」

横島も魔鈴を見つめて静かに話した

「横島さん… 私も行きます！」

横島と魔鈴の結論が出たのを見ておキヌが言った


「おキヌちゃん…」

横島は複雑そうな表情で言った

「私が足手まといなのは知ってます。 美神さんも危険過ぎるから私を置いて行きました。 でも… もう…一人で置いていかれるのは嫌です！」

おキヌは強い瞳で横島を見つめた


横島は困ったような表情になる

住職の実力を考えたら、ここで待ってた方が安全である

令子も万が一を考えてそうしたのだろう…


ノスフェラトゥを倒しても、光秀は人間に追われることになる

人間が相手では令子でも、おキヌを守りきれないそう考えたのだろう……


しかし、おキヌの決意は変わらない


そんな中

魔鈴が話した

「忠夫さん、一緒に連れて行きましょう。」

横島は魔鈴の話に驚いて魔鈴を見た

「でも、何が待ってるかわからないんだぞ？」

横島は魔鈴に話した

「ええ、でも私たちなら大丈夫ですわ」

魔鈴は微笑んで話した

それは、万が一の時は魔鈴と横島の隠してきた実力を使う…


その決意の笑みだった


本来はアシュタロス戦までは誰にも見せるつもりは無かったのだ


だが、魔鈴はおキヌの決意と表情を見て彼女を連れて行こうと決めた


それは同じ女としておキヌの決意に心を打たれたのだった


「魔鈴さん…」

おキヌは嬉しそうに微笑んだ


もはや横島でも止められなかった

横島は苦笑いしておキヌを見た

「わかったよ。 おキヌちゃん… 仲間だもんな… 一緒に行こう」


「はい！ 頑張ります！」

横島の話におキヌは元気よく話した



そうして…

横島達は一晩寺に止まって

明日には本能寺へ向けて行くことになる……



次の日

横島達は京都に向けて出発しようとしていた

「住職、お世話になりました…」

おキヌは住職に深く頭を下げた


「気をつけて行かれよ… そなた達が無事帰れるように祈っておる。」

住職は笑顔でおキヌに話した


おキヌの旅支度は住職が用意してくれた


そして横島達は京都に向けて出発したのだった…


しばらく歩いていると、おキヌが横島を見た

「そう言えば横島さん達はどうやって過去に来たんです？」

おキヌは不思議そうに聞いた

「ああ、ちょっと秘密の能力があってな… 元の時代に帰ったら教えるよ」


横島は笑っておキヌに話した



それから横島達は数日かけて京都に向かっていた

京都まで後少しの宿場で横島達は宿屋に泊まっていた

さすがにおキヌが居るのに野宿は出来なかったのである


魔鈴は風呂上がりに浴衣に着替えて、横島と二人で話していた

湯上がりで火照った魔鈴の浴衣姿はいつもと違った色気があった…

横島はそんな魔鈴に見とれていた……


「史実では織田信長は、前日に本能寺で茶会を開いていたはずです。 本能寺には信長の軍勢は少数しか無く、明智光秀はその隙に信長を打ち取ったはずです。」


魔鈴は真剣な表情で横島に話したが、横島は少しボーっとしていた

「忠夫さん！？」

魔鈴は首を傾げて横島を見た

「あっ… ごめん、ごめん。 聞いてるよ」

横島は慌ててごまかした

真剣な話の最中に見とれていたとは言えなかった


「信長が本能寺に泊まるのは確かなんだし… やはり光秀はその隙にノスフェラトゥを討つんだろうな…」

横島は表情を真剣にして魔鈴の話に答えた

魔鈴は少し気になったが深く追及しなかった

「本能寺では信長の首は見つからなかったそうです…」

「見つかるはずないよな～ 魔族なんだから… 死んだら消えちゃうからな」

横島は苦笑いして話した

「光秀公には何か作戦でもあるのでしょうか…？」

魔鈴は考え込みながら話した