その一

横島は悲しそうに呟いた


横島は人間も妖怪も吸血鬼も一切気にしない

そして、無害な人外を退治しようとするアンを見て悲しみが沸いてきた


「横島、なにかとりつかれてるぞ…」

そんな時心眼が話しかけてきた

「らしいな…」

横島は霊波刀を消してアンに霊波を浴びせて、とりついてる悪霊を炙り出そうとした


「とりつきし者よ… 姿を姿を現せ!」

ブワッ!!


現れたのは老人だった

「ぐああ…! お…の…れ… よくもわしの邪魔を…」


「初代ヘルシング教授!? なぜこんな悪霊に…!?」

唐巣が驚いていた

「波長が幽霊と違います。 これは本人ではく、遺品のメカにしみついていた教授の執念では無いでしょうか…?」

魔鈴も驚いてみていた


「吸血鬼を… 吸血鬼を殺すー! 一匹残らず殺すー!」

悪霊は意識が壊れていた


「彼女は教授のメカに触れすぎたんですね…」

魔鈴が悲しそうに話した

「で、とりつかれて心がねじまがってたのか…」

横島は疲れたように話した

「こいつが全ての原因だったんだな」


「退け… 悪霊よ…」

ザシュッ!!


横島は霊波刀で悪霊を一刀両断した


後には眠るアンと、げっそりしたタイガーが残った


「ひょっとしたら彼女はピートくんが初恋の相手だったのかもしれんな…」

「そうかもしれませんね… 恋心は悪霊に利用されやすいですから…」

唐巣と魔鈴は苦笑いしていた


「神父、ピート… とりあえず、この女の子からメカを取り上げて下さいね…」

過去の記憶を知る横島が疲れたように話した

かつてのアンは悪霊を退治した後も、迷惑なメカで何度かピートに会いにきていたんだから…


「そうだね… 教授にも伝えよう」

唐巣が困ったように言った

「ああ、それと学校も破壊されましたから… 今頃警察が学校に行ってますよ」

横島は思い出したように話したが
唐巣は顔が引きつった

教授が来れない以上、自分が後始末をしなければならない…

「けが人は居ないですが、一応殺人未遂ですからね… 簡単じゃないですよ」

横島は唐巣に学校での事を説明した


唐巣は引きつったまま… ヘルシング教授に電話しに行った

横島や魔鈴やピートには、唐巣の頭が更に寂しくなったような気がしたのは気のせいだろうか……?



後日
アン・ヘルシングは悪霊にとりつかれていたのを認められ、無事に釈放された


それには唐巣とピートが学校に行き、生徒や教師に謝り、被害者のクラスメイトに納得してもらったなど…

あちこちで苦労したのは言うまでもない…


そしてヘルシング教授は
アン・ヘルシングから吸血鬼退治のメカを全て取り上げて事件は解決した



そして、クラスメイトを守った横島は…

学校での評価が更に上がって、彼の人気がまた上がった…


最初はほんの少しのキッカケだったが、横島の立場は過去とは正反対になっていった…


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