その一

その時ピートは教会にたどり着いていた

「先生…」

ピートは息をきらしていた

「ピートくん、やはりアン・ヘルシングか…!?」


「いきなり襲われました… 横島さんのおかげで逃げ出せましたが…」

ピートは困ったような疲れたような表情で話した


「ピートさん、彼女と何があったんですか…?」

魔鈴は不思議そうに聞いた

ピートは魔鈴に昔の話を教えた


「襲われる理由がわかりませんね~」

魔鈴は首を傾げながら考えていた

「教授には知らせたが、ここ数年は健康がすぐれないから来るのは無理だろう」

「私達でなだめるしかないですね… でも理由がわからないことには…」

魔鈴は困ったように話した


「今年は何をされるんだろう。 年々、手がこんできてますからねー。」

とほほ…

といった表情のピートがうなだれている…


「去年は銀の散弾で尻を撃たれたし、その前はニンニク汁をぶっかけられました…!」

ピートは引きつった表情になっていた


「…ピート君は女の子に怒ったりでかないからねー」神父も引きつった顔で困っていた




ゴゴゴゴゴゴ…


ドッカーン!!


地響きのような音がして、教会のドアと周りが吹き飛ばされた!


「ひいおじいちゃんのコレクション中最強の対吸血鬼マシン! イージス・スーツ「ダビデ号」とゴリアテ号」よ!!」

アンは強化服を着て、タイガーが巨大なゴリアテ号に入っていた…


「ピートさんー! 助けて下さい!」

タイガーが泣きながら叫ぶ


「今日こそやっつけてあげる! ピエトロ・ド・ブラドー!!」


アンは殺気に満ちた表情でピートを見る

「私の教会が…」


唐巣も魔鈴もピートも引きつった顔になっていた

さすがの唐巣も怒りを覚えており、

魔鈴はあまりの展開に呆れつつ、戦闘態勢に入る

「神父、雪之丞は?」

ピートが困ったように聞く

こんな敵は雪之丞がピッタリなのだ

「彼は今日は除霊で夜まで帰らんよ…」

「行くわよ!! ゴリアテ号!! 目標はピエトロ・ド・ブラドー!!」

アンがゴリアテに命令する

「アッシは… アッシは…」

タイガーは言葉も出ないほどショックを受けていた


「今日という今日は… 許さないぞ!」

ピートはそう言ってアンに攻撃をしようと走っていく…


「それはこっちのセリフよ! 吸血鬼はヘルシング一族が全滅させるわ!」

アンはピートに攻撃をする

盾から光を放ちスピアでピートを攻撃した!

ピートは霧になってかわす

「このヨロイさえひっぱがせば…」

ピートはアンの後ろに回る

「しまった…! ゴリアテ援護を…!」

タイガーの乗るゴリアテがピートを攻撃しようとした

「ハッ!」

魔鈴がゴリアテの腕に霊波砲を放つ


ドッカン!!

バキッ!!


ゴリアテの腕が吹っ飛んだ


「魔鈴さん!」

「ピートさん、助太刀します」

魔鈴はゴリアテと対峙する

「あの女! 吸血鬼の味方するつもりか… ゴリアテ!ガード機能オン!」


タイガーの頭が包まれた

「死ね吸血鬼!」

アンはビームを放ちピートを追い詰める

ピートは優しい為、アンを攻撃出来ない

魔鈴はゴリアテを抑えていた

「うっ…」

ピートはアンのビームをくらい膝をついてしまう

「ピート君!」

「ピートさん!」

唐巣と魔鈴が叫んだ

「トドメだ吸血鬼!」

アンがスピアでピートに攻撃を仕掛けた…

ガキーン!!

アンの攻撃は防がれていた

「ふー間に合った!」

アンの攻撃を防いだのは横島の霊波刀だった


「横島さん!」

ピートが驚いて横島を見る

「ピート 優しさだけじゃ… 何も守れないぞ!」

横島は悲しみに満ちた瞳でピートに話した

だがすぐに前を向いてアンと対峙する

「めぐみ、そっちは大丈夫か?」

横島は魔鈴を見て言った

「中にタイガーさんが入ってるので破壊出来ません!」


「破壊しなくていい。 しばらく抑えておいてくれ…」

横島の話に魔鈴は頷いた


横島はアンを見た

「また貴様か! なぜ吸血鬼の味方をする! 吸血鬼は人間の敵なんだぞ!」

アンは殺気の籠もった瞳で横島を見る

「吸血鬼がとうとか関係ないだろ… 友達なんだからさ」

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