その一

ピートはもらった弁当を自分で食べ始める

横島が逆行前のように貧乏で無いため、ピートの弁当を奪うことは無かった

タイガーも一人ではそんなことが出来ずに指をくわえて眺めていた


「ピートはわかるが、なんで俺まで弁当貰うんだ?」

首を傾げながらも横島は自分の弁当に続き、貰った弁当を食べ始める


「魔鈴さんが来て以来、横島君は変わったからね~ 今の横島君は結構人気あるわよ。 彼女がいるから告白はしないだろうけど、お弁当くらいなら…って考える人はいるわよ」


愛子が呆れたように話した

横島は自分が人気あると言われてもイマイチ信じれなかった…


「まあ、せっかく貰った弁当だから美味しく食べるかな」

横島は笑顔で食べていた

今までモテなかった横島は魔鈴と言う彼女はいるが…

実際に女の子の手作り弁当はうれしかった



そんな中
教室に新しい女の子が来た

「あのー、こちらにピエトロ・ド・ブラドーさんはいらっしゃいますか?」

その女の子は私服でサングラスに怪しい箱を持っていた


「あら、また新顔さんね。 ピートくん?」

愛子に言われて
ピートと横島達クラスメイトが女の子を見る


その瞬間
女の子から殺気が出たのを横島は気がついた!

「ピート下がれ!!」

突然横島が叫んだ!

クラスメイトは驚いて横島を見たが

ピートは横島の声に反射的に後ろに下がってよけた


女の子は横島が叫んだすぐ後

怪しい箱から散弾銃らしき物を出してピートを撃った


一撃目は横島の声でよけたピート

クラスメイトは驚いて動けなかった

「チッ!!」

女の子は舌打ちをして再びピートに銃を向ける

「アン・ヘルシングかっ!!」

アンはそのままピートと周りにいたクラスメイトを撃った

「サイキックシールド!!」


キン!キン!キン!

横島は銃弾を全て防いでクラスメイトを守った

「ピート! ここじゃまずい! 一旦逃げろ!」

横島はピートに叫ぶ

「わかりました!」

ピートは霧になって逃げ出した


「あなた! なぜ私の邪魔したんですか!! あの男は一見美形っぽいやさ男に見えますが… 吸血鬼なんです!!」

アンは気合いを入れて話すが…

クラスメイトは唖然として言葉もない…

「お前の銃で俺達は殺されかけたんだぞ!」

横島はアンを睨んで言った

「さては…お前は吸血鬼の仲間だな! こーしちゃいられないっ!! 急いであいつを追わなければっ!!」

アンは横島を警戒しつつ、アンテナのような物を出してタイガーの頭につけた

「あなた協力して! 奴の行きそうな場所に案内して!」

アンはタイガーを操って出ていこうとする

「ちょっと、あんた! タイガーくんに何を…」

愛子がたまらず叫ぶ!


アンは爆弾のピンを抜いて愛子に投げた

「キャーーッ!!」

横島はとっさにアンが投げた爆弾を外に蹴り飛ばした


ドオオオン!


教室の窓は割れたがクラスメイトはみんな無事だった


「愛子! みんな大丈夫か!」

横島は愛子とクラスメイトを見た

「ありがとう横島くん… 私は大丈夫よ…」


横島はみんなの無事を確認してアンを追いかけた

「俺はあの女の子を追いかける。 ピートが危ない!」


横島は窓から飛び降りて走っていった…

そのスピードは人間では有り得ないスピードだった


「横島くんたくましくなったわね…」

愛子やクラスメイトは突然の騒ぎが終わると、ただ一人クラスメイトを守った横島を感心していた…

横島が戦う姿をクラスメイトが見たのは、初めてだったのだから…



一方横島はピートとアンを追いかけていた

「心眼! ピートとあの女の子の場所はわかるか!」

横島は自身も霊視で探しながら走っていたが心眼にも聞いた

「ピート殿は唐巣神父の教会に向かっている… あの女の子とタイガー殿も少し遅れて教会に向かっている」


バンダナに心眼が開いて静かに話した

最初からピートを霊視していたようだった

「わかった!」


横島はそのまま教会に向かって飛んでいった…

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