その一

魔鈴は魔法陣を見てすぐに答える

「あれは陰陽道系みたいですね… 私に止めるのは難しいです。」

横島も魔鈴も魔法陣を壊すのは簡単だが、重要な証拠な為止めるのが一番だった

「じゃあ、西条達がくる前に俺がやるよ」

横島は文珠【止】を作り魔法陣に飛ばした。


魔法陣はすぐに止まり、新たな悪霊は来なくなった

横島達は周囲の部屋の悪霊を除霊して、西条と令子を呼んできて魔法陣を見せた

「これが今回の悪霊を呼んだ魔法陣か? これだけの魔法陣はなかなか作れないぞ!?」

西条と令子は魔法陣を見て驚いていた

「ただのイタズラじゃないわね…」

「とりあえず、残りの階の除霊を先にしよう。 魔法陣はGメンで調査しよう」

西条に促されて横島達は次の階へ進んで行った


結果、横島達が20階に到達した時に、最上階から降りてきた唐巣達と合流した


最終的に3時間弱で除霊をおえた

ビル一つの除霊としては異例な速さであった

Gメンと一流GS達の活躍があったが

やはり横島達が主力だったのは、西条も令子も認めるしかない事実だった


逃げ遅れた人達は数十人いたが、幸い軽い怪我人だけで済んでいた


「皆さん、ご協力感謝いたます。 謝礼金は後日お支払いします」

西条は横島達や唐巣やエミに頭を下げた

「経費は別に請求するワケ。」

「原因の究明を頑張ってくれたまえ」

エミと唐巣はそう西条に話して帰って行った


「じゃあ西条先輩、私たちも帰ります。」

魔鈴は頭を下げた

「ああ、ありがとう。助かったよ」

西条は魔鈴と横島を見て素直にお礼を言っていた

横島は素直なその姿を見て、自分が考えた予想を西条に伝える

「西条さん、原因だが… オカルトGメンを敵視する人達も考えておいた方がいい。 オカルトGメンが出来てすぐにこれだけの事件だ。 偶然じゃないかもしれない……」


西条は横島の話に考え込む

「たしかにただのテロや恨みにしては大掛かりすぎるな… わざわざオカルト絡みなのも気になる… 調べてみる価値はあるな…」

そう呟いた

「横島クン!? いつからそんなに賢くなったの!?」

西条が考えている間、令子は驚きに満ちていた

横島が偽物では…?

と考えたほどだった

「いや、ふと思っただけっすよ。 素人の考えすぎかもしれないっすけどね」

令子の問いかけに苦笑いして横島は答えた

「いや、案外いい線かもしれない! 官庁の関係ビルなら当然、オカルトGメンに依頼が来るからな… 信用を落とそうとした計画かもしれない… ありがとう! 横島君」


西条は横島を見て考えていた


Gメンは国際警察の一部だ

それが日本国内の霊的事件を取り仕切るのには、不満も多いのが事実だった

そんなことを見抜いた横島

その霊能力だけでなく判断力や推理力も優れている…

初対面の横島に心底驚いていた


魔鈴と特別な関係なのは魔鈴を見てすぐにわかった

昔の魔鈴では見たこと無かった幸せそうな顔だった

横島は魔鈴が惚れるほどの相手なのだと納得した


西条は考えを止めて横島達を見送った


隣の令子は相変わらず険しい顔をしていた

少し前の横島を知るだけに信じられなかった…


横島が変わった理由が魔鈴にあると思った令子は、余計に面白く無かった


西条はふと令子を見たら不機嫌そうな顔だった


「令子ちゃん!? どうかしたのかい?」

西条に見られてるのに気がついた令子は表情を直す

「西条さん、何でもないわ。 さあ、後始末しましょう」

令子と西条は事件の後始末をしにいった


一方
横島達はまっすぐ家に帰っていた


「マリア、お疲れさま。 助かったよ」

横島を笑顔でマリアをねぎらった

マリアは微笑んでカオスの研究所に帰って行った


魔鈴はコーヒーを入れて、横島と向かい合って座った


「忠夫さんお疲れさまでした」

「めぐみもお疲れさま」

魔鈴も横島も笑顔でお互いをねぎらった

「でも今日の事件は本当にGメンに対するオカルトテロなんでしょうか…?」

魔鈴は考えながら話した

「うーん、実際微妙なとこだな… ただ普通の爆弾とかでなく、わざわざオカルト絡みなのは理由があるはずだ。 Gメンの戦力を見る為に仕掛けた可能性もあるしな… ただ今回迅速に解決したから、相手もうかつなことはしないだろう…」


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