その一

「下から上まで悪霊だらけさ。 各階には逃げ遅れた人が多数いる模様だが人数はわからない 原因は不明だがオカルトを使ったテロの可能性が高い。 ところで君達は?」


西条は困ったように説明して、魔鈴と一緒にいる横島とマリアを見た

「私は横島忠夫です。 こっちは人造人間マリアです。」

横島は営業のように淡々と挨拶した

西条はマリアを見て驚いていた

「横島君は若いが高校生か? それに君がマリア君か… 実際に会えるとはな… 私はオカルトGメンの日本支部の西条だ。」

西条は横島とマリアと握手をして話した

「俺は高校生だがまずいか…?」

西条は少し考えていた

「本当はオカルトGメンが学生を使うのはマズいんだが… 君の実力なら問題無いだろう」

西条は渋い顔をして話した

どうやら死津藻比女か原始風水盤の事件を聞いたらしい


そんな時令子がちょっと不機嫌そうに横島に話しかけてきた

「横島クン、いつの間に空飛べるようになったの?」


「少し前ですよ。 人間もある程度訓練すれば空を飛ぶのは可能なんですよ。めぐみは中世のあらゆる魔法を復元してますからね」

実際は横島と魔鈴は人間ではないのだが人には秘密な為、そう説明してごまかした


横島は当たり前に魔鈴を名前で呼んだが、令子はそれがまた気に入らなかったらしい

あからさまに不機嫌な顔に変わった

そんな中
西条が作戦を説明する

「屋上からは唐巣神父と小笠原さん達が下に降りて除霊をしていく。 我々は一階から上に上がっていくが、逃げおくれた人達を救出しながら行かなければならない。 したがってあまり派手な攻撃は出来ない。 みんな気をつけてくれ」

西条が話終わると令子はGメンの装備を持ち準備を始める

Gメンの隊員に大きな荷物を持たせていくようだ


横島と魔鈴とマリアは準備が必要で無いため、令子の準備が出来次第ビルに入っていった


入り口で西条と令子が中の様子を伺う

「マリア、一階に人はいるか?」

横島はマリアを見て聞いた

「ノー、横島さん・一階に生命反応は無いです」

「じゃあ、行きますか…」

横島は霊波刀を作り出して構えた

魔鈴は杖を構えて、マリアは悪霊をサーチしながら進んだ

「みんな、油断するなよ!」

西条がドアを開けて霊剣ジャスティスで悪霊に切りかかる


ズシャッ!!

ズシャッ!!

「極楽へ行かせてあげるわ!」

令子は神通混で悪霊を切っていく


「冷気よ…」

魔鈴は広範囲で悪霊を次々と凍らせていく…

悪霊はそのまま落ちて砕けていた

ほとんどの悪霊は魔鈴の魔法で滅びていくが
魔鈴の魔法で滅びなかった悪霊を、横島が霊波刀で斬り捨てて魔鈴を守っていく

マリアは霊波ビームで遠距離の悪霊を狙って行った…


横島、魔鈴、マリアの3人は素晴らしいチームワークで進んで行った


西条は初めてみる横島達の除霊に改めて驚いていた

白魔女の魔鈴が攻撃魔法を使ったのも驚いたが、横島の霊波刀と動きも凄かった…


剣術では横島には勝てない…

少しの動きで横島の想像以上の力を感じた


実際は横島と魔鈴は霊力をかなり抑えて戦っているが、それでも令子と同等の力は出していた


(あれが見習い明けの実力なのか!? すでに一流の力じゃないか…魔鈴君との連携も素晴らしい…)

西条は感心と
まだ若い横島の実力に微かな嫉妬を感じた

だが、任務中に気を散らすほど西条は馬鹿では無かった

西条は令子と連携して進んでいく

途中二手に分かれて進み、一階一階を確実に除霊していった


マリアにサーチさせて、逃げ遅れた人が居れば真っ先に救出して行きながら進んだ

ちょうど10階を横島達が除霊して進んでいると突然心眼開いた

「横島、次の部屋に妙な霊力を放つ物がある… おそらくこの悪霊を呼んだ物だろう。 手間に罠もある、気をつけろ!」

横島は心眼の話を聞き自分も霊視してみる

「確かに悪霊を呼んでるな~ 手間の罠は呪い系だな… ありがとう心眼」

横島は笑顔で心眼にお礼を言った

「おぬしに我が役に立つのは霊視しかないからな、気にするな」

心眼はそのまま周囲を警戒しているようだ


横島は次の部屋に入り
罠を霊波砲で破壊する

そして悪霊を呼んだ魔法陣を見る

「めぐみ、あれを止めれるか? 難しいなら文珠で止めるが…」

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