その一

「魔法陣の消滅確認しました。」

マリアがそう言うと、横島達は戦闘体制に入る

破壊された魔法陣の周りにゾンビが30体以上出現した

「さて、行こうか。 めぐみにマリア!」

「はい、忠夫さん」
「イエス・横島さん」

カオスは後ろに下がり
横島が魔鈴とマリアを見て話す

魔鈴は笑顔で答え
マリアも少しだが笑顔で従った

横島は気にしてないが、マリアがカオス以外の命令をすぐに聞くのは横島と魔鈴だけだった

それは未来で一緒に逆行する前からで、マリアは横島に出会ってからより感情が出てきたのだった


カオスが横島に積極的に協力した理由の一つがそれだった

700年感情があまり育たなかったマリアが、横島に出会って数年で変わった

それを誰より喜んだのはカオスであったのだから…

カオスが自分以外で認めた数少ない人間が横島だった



たくさんのゾンビが横島達に襲いかかる!


魔鈴は杖を構えて霊力を高めた

「行きます! 炎よ…」

魔鈴はゾンビ軍団に広範囲に炎で攻撃した

それを機会に横島とマリアが飛び出して燃えているゾンビに攻撃する

「ハーッ!!」

横島は霊波刀でどんどん切り裂いて行く
「ロケットアーム」

マリアは持ち前のパワーでゾンビを粉砕していく

魔鈴は華麗なステップでゾンビをかわしつつ、霊波砲で破壊してドクターカオスを守っていた


メドーサの特別製のゾンビだったが、横島達には歯が立たず時間かせぎにしかならなかった

わずか10分でゾンビは全滅していた


横島が12体

マリアが10体

魔鈴が8体ほどを倒した


そんな中横島が持つ角状態の小竜姫が話しかけてきた

『横島さん、強くなりましたね… そんな高出力の霊波刀まで使えるなんて… 私の予想以上です。 メドーサは私一人で戦おうと思ってましたが、どうしても時間がありません。 横島さんに竜神の装備を渡します。 これで一緒に戦って下さい』

小竜姫は少し前まで素人だった横島の力に驚いたが現実的に考えて自分以外にも保険が欲しかった

自分には超加速と言う技がある為メドーサに負けない自信はあった

だが妙神山から遠い香港で万が一があれば…

そう考えて横島に竜神の装備を渡した


そして
光と共に横島の手に竜神のヘアーバンドと小手が現れた

「わかりました。 小竜姫さま。」

横島は竜神の装備を渡されたのは予想外だが、これで違和感なくメドーサと戦える

小竜姫の予想とは違ったがこれでメドーサに負けない可能性がかなり高くなった

それに気がついた魔鈴とカオスも、横島と目を合わせて考えを理解した



そしてそのまま横島達は奥に進んでいった

しばらく進むと土角結界に捕まってる美神がいた

「美神さん、大丈夫ですか?」

横島は周りを警戒してメドーサが居ないことを確認してから、勘九朗の腕で土角結界を解除した


「ああ… 体が動く! なんて気持ちいいの! これであのクソヘビババアに世話になった借りをきっちり返せるわ~」

ずっと動けなくてストレスがたまってる美神はメドーサに仕返しすることに決めたらしい

「美神さんメドーサは?」

魔鈴がメドーサがその場に居ないのを不振に思い聞いた

「あのババアは針がどうとか言って出ていったわよ!?」

美神の言葉に横島達は針の結界を解きにいったのだと理解した

『美神さん、あなたは唐巣神父達の援護に向かって下さい。 相手は勘九朗なので加勢が必要です』

美神は突然小竜姫の声がして驚いたが
今回の依頼が彼女の依頼だと気がつき渋々了承した

前回は小竜姫に反発したが、目の前にメドーサは居ない為に今回は従ったようだった

「わかったわ。 後で依頼料払ってもらうからね!!」

そう言って美神は唐巣達の方へ走っていった

「美神さんは勝手についてきたんだよな? なんでそれで料金を請求するんだ?」

さらりとお金を請求した美神に呆れ顔の横島が呟いた

「美神さんですからね… ある意味押し売りですね」

魔鈴は苦笑いしていた

『横島さん、それよりも風水盤へ急いで下さい』

小竜姫の声で横島は美神が居た空間の奥の風水盤にたどりついた


「メドーサはまだいないみたいだな… どうやら針の封印を解きに行ったか。 今の内に罠をしかけよう。 カオス、めぐみ頼む!」
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