その一

ある日
横島と魔鈴は唐巣の教会に呼ばれた

教会はかなり荒らされていて、困ったような顔の唐巣とピートがいた

「災難でしたね神父」

横島は周りを見て苦笑いしながら言った
「目的は何でしょう? ただの泥棒ではない気がしますが…」

魔鈴は首を傾げながら言った

「実は昨日怪しい奴がいてね、ピート君が霧になった時にダメージを受けたんだ。」

唐巣の説明に横島達は難しい顔をした


「先生大丈夫? ずいぶん荒らされたわねー」

そこにやる気のなさそうな令子が来た

「あら、あんた達も呼ばれたの?」

令子は横島達を見て興味が無さそうに話した


「霊視する人手が欲しくてね。 すまないが頼むよ。」

唐巣は苦笑いしながら令子に話した


「雪之丞はどうしたんです?」

横島は嫌な予感がして聞いてみた

「彼は別の仕事で香港だよ。」

横島と魔鈴はそれを聞いて顔を見合わせた。

間違いない
原始風水盤だ!!


唐巣や横島達が霊視をしていると

「ごめんください 昨日の留守中に荷物預かってまして」

隣人がピートに荷物を渡した

「わざわざすいません。 ありがとうございます。」

ピートがお礼を言って荷物を受け取り見ると… 凄まじい霊力を発していた

中を開けると針が入っていた

「これが昨日の原因だな…」

横島が呟いた

「宛名は僕宛ですよ。 雪之丞からです」

ピートが話すと

「神父、ピート、すまない。ヘマをしちまった…」

雪之丞が倒れて、仮面を被ったゾンビと鎌田勘九朗が現れた!

「ブツを渡してちょうだい。 あんた達には用のない代物よ」

スーツ姿の勘九朗がゾンビを従えて迫る!

「一応、雪之丞君は私の弟子だ ましてメドーサの手下の言うこときけないね」
唐巣は厳しい表情で話した


「するとおじさんと吸血鬼のボーヤは私の敵にまわるのね? 横島忠夫と魔女のお嬢さんと美神令子はどうする? そいつをかばっても一文にもならないわよ」

「俺達は敵にまわるよ。 神父には世話になってるからな」

横島と魔鈴は戦闘体制に入る

「私は手助けする義理はないわね。 雪之丞だってメドーサの手下だったんだし…」

令子は冷たく言った

「OK! 美神令子は手出しは無用よ!行け!」


「ちょっと美神君! アーメン!!」

唐巣の霊波砲がゾンビに当たるが、仮面を吹き飛ばして終わる

「こいつらゾンビか! こりゃ厄介だぞ…… ダンピールフラッシュ!」

ピートが言って攻撃をした

バキッ!

しかしゾンビは倒せない

「はっ!」

ズバッ!!

横島が霊波刀でゾンビの胴を切り裂いた

「めぐみ!」

横島が叫ぶ

「はい!」

魔鈴が霊波砲を拡散させてゾンビの全体に当てた

横島はその隙に雪之丞を抱えて唐巣の元に引いた


「誰も私達の目的をジャマさせる訳にはいかないわよ…! この間のケリをつけてもいいんだけど、今急いでるのよね。」

勘九朗は『土』と書いてある駒を投げた

「グルルルッ」

ゾンビが針を奪った

「みんな飛べ!!」
横島は唐巣達に叫ぶが、魔鈴以外は反応出来なかった


「しまった… 足元が固められていく…」


「二人逃げたわね… まあいいわ、メドーサ様に頂いた結界兵器、土角結界よ! じゃあね」


「待て!!」

横島が叫びゾンビに霊波砲を放つ

ドゥーーン!!

ゾンビは砕け散るが、勘九朗はすでに逃げていた

「忠夫さん、唐巣神父達が…」

魔鈴が叫ぶ


「あの野郎!! 私は戦ってないのに…!」

令子はキレていた

そのすきにどんどん固められていく

「美神君、私に精霊石を!」

唐巣が言った

「ちっ! しかたないか… 神父! 俺が解除します!」

横島は文珠を二つ出して【解】【除】を発動させた

光に包まれて土角結界が消えた


「横島君… 今のはいったい……」

突然結界が消えて唐巣も令子もピートも目を丸くした


「めぐみの魔法の一種ですよ。 最近覚えたんです」

横島は文珠を見せずに解除してごまかした


「雪之丞君! 大丈夫か!」

唐巣は雪之丞の様子を見る


「腹減った…」

雪之丞の一言に周りは呆れて固まる


「あんた空腹で倒れてたわけ!?」

令子が顔をひきつらせて話した
19/100ページ
スキ