その二
その頃横島と魔鈴とジロウは、オカルトGメンの事務所を訪れていた
人狼族が襲撃された件を西条に説明するためである
しかし、西条の顔は疲れとクマでかなり酷かった
「西条先輩大丈夫ですか?」
「少し寝てないだけだから大丈夫だよ。 オカルトGメンの通常業務に加え、フェンリル対策を練っているので寝てる時間が無くてね」
あまりの酷い顔に心配そうに尋ねる魔鈴に、西条は苦笑いを浮かべて答える
設立したばかりのオカルトGメンには、政府や公共機関から様々な仕事が舞い込んでいた
犬飼の事件に加えて大小様々な仕事を平行して捜査しており、必然的に唯一の正式な捜査官の西条は寝る時間すらほとんど無い
本来はGS協会に協力要請して仕事をGSにまわすなどするのだが、西条の場合はその高いプライドから出来る限り自分で仕事をしようとしているようである
「あまり無理をなさらずに… それで犬飼ですが、先日人狼の里を襲撃しました」
軽く注意をする魔鈴だが、西条が簡単に聞くはずも無いため本題に入った
「なんだって!? 仲間を襲ったのか!!」
西条は驚きを隠せない
まさか仲間である人狼達まで襲うとは、予想もしなかったようだ
「はい…、すぐに私達が駆け付けたため死者こそ出ませんでしたが、重軽傷者は12名です」
悔しそうな魔鈴の表情に、西条もまた自分の読みの甘さを悔やむ
「最早、人狼族ではござらん。 狂気に取り付かれた化け物。 奴を倒さなければ、奴は全てを滅ぼすまで止まらないだろう」
拳を握りしめ、悔しそうに語るジロウ
仲間を大切にする人狼にとって犬飼は絶対許せない相手となっていた
「すでに本物のフェンリルのようだな…」
伝説に残るフェンリルの行動にどんどん近付く犬飼に、西条は思わず背筋が凍る思いである
「それで、いよいよ満月の時ですが、犬飼が狙うのは私達か美神さんです。 例の魔法陣の近くで私達は犬飼を待ち受けます。 美神さんに関しては西条さんにお任せしますが、出来れば魔法陣の辺りに居るようにして下さい」
うっすら怒りの表情が浮かぶ魔鈴の表情を、西条は内心驚きながら見ていた
あまり他人に対しての怒りを見せない魔鈴が、本気で怒りを抑えてるのは驚きである
「ああ、令子ちゃんも魔法陣の制作に参加してるからね。 恐らく当日も魔法陣の場所に居るだろう。 しかし、本当に大丈夫なのかい?」
魔鈴と横島の顔を心配するように見る西条
人狼族からエネルギーを得た犬飼の力がかなり上がってるのは明らかであり、さすがに横島と魔鈴だけでは危険だと感じていた
「ええ、こちらにも秘策はありますから。 犬飼は必ず仕留めます」
魔鈴の強い言葉と表情に、西条は頷くしか出来ない
現時点で横島と魔鈴の援護になりそうな戦力が思い浮かばないのだ
西条の頭の中では、二人と共に戦える戦力は令子しかいない
しかし、比較的接近戦を得意とする令子では八房が相手では相性が悪すぎるのだ
結果的に横島と魔鈴に任せるしか方法が無いのが現状である
人狼族が襲撃された件を西条に説明するためである
しかし、西条の顔は疲れとクマでかなり酷かった
「西条先輩大丈夫ですか?」
「少し寝てないだけだから大丈夫だよ。 オカルトGメンの通常業務に加え、フェンリル対策を練っているので寝てる時間が無くてね」
あまりの酷い顔に心配そうに尋ねる魔鈴に、西条は苦笑いを浮かべて答える
設立したばかりのオカルトGメンには、政府や公共機関から様々な仕事が舞い込んでいた
犬飼の事件に加えて大小様々な仕事を平行して捜査しており、必然的に唯一の正式な捜査官の西条は寝る時間すらほとんど無い
本来はGS協会に協力要請して仕事をGSにまわすなどするのだが、西条の場合はその高いプライドから出来る限り自分で仕事をしようとしているようである
「あまり無理をなさらずに… それで犬飼ですが、先日人狼の里を襲撃しました」
軽く注意をする魔鈴だが、西条が簡単に聞くはずも無いため本題に入った
「なんだって!? 仲間を襲ったのか!!」
西条は驚きを隠せない
まさか仲間である人狼達まで襲うとは、予想もしなかったようだ
「はい…、すぐに私達が駆け付けたため死者こそ出ませんでしたが、重軽傷者は12名です」
悔しそうな魔鈴の表情に、西条もまた自分の読みの甘さを悔やむ
「最早、人狼族ではござらん。 狂気に取り付かれた化け物。 奴を倒さなければ、奴は全てを滅ぼすまで止まらないだろう」
拳を握りしめ、悔しそうに語るジロウ
仲間を大切にする人狼にとって犬飼は絶対許せない相手となっていた
「すでに本物のフェンリルのようだな…」
伝説に残るフェンリルの行動にどんどん近付く犬飼に、西条は思わず背筋が凍る思いである
「それで、いよいよ満月の時ですが、犬飼が狙うのは私達か美神さんです。 例の魔法陣の近くで私達は犬飼を待ち受けます。 美神さんに関しては西条さんにお任せしますが、出来れば魔法陣の辺りに居るようにして下さい」
うっすら怒りの表情が浮かぶ魔鈴の表情を、西条は内心驚きながら見ていた
あまり他人に対しての怒りを見せない魔鈴が、本気で怒りを抑えてるのは驚きである
「ああ、令子ちゃんも魔法陣の制作に参加してるからね。 恐らく当日も魔法陣の場所に居るだろう。 しかし、本当に大丈夫なのかい?」
魔鈴と横島の顔を心配するように見る西条
人狼族からエネルギーを得た犬飼の力がかなり上がってるのは明らかであり、さすがに横島と魔鈴だけでは危険だと感じていた
「ええ、こちらにも秘策はありますから。 犬飼は必ず仕留めます」
魔鈴の強い言葉と表情に、西条は頷くしか出来ない
現時点で横島と魔鈴の援護になりそうな戦力が思い浮かばないのだ
西条の頭の中では、二人と共に戦える戦力は令子しかいない
しかし、比較的接近戦を得意とする令子では八房が相手では相性が悪すぎるのだ
結果的に横島と魔鈴に任せるしか方法が無いのが現状である