その一

そして年末

横島と魔鈴は大掃除をしていた

横島は元々綺麗好きではないが魔鈴と一緒な為、清潔な日々を送っている

大掃除は魔鈴の異界の家と横島のアパートの両方の掃除な為、意外と大変だった

もっとも黒猫や魔法のほうきが掃除する為、横島は家具の移動など肉体労働だったが…


次の日
横島と魔鈴は美神事務所へ行っていた

理由はおキヌの様子を見る為である


「こんにちは、美神さん。 おキヌちゃん。 元気かい?」

横島と魔鈴の訪問に美神はあまりいい顔しなかったが
死津藻比女の一件で、前よりはマシになっていた

「あら、横島クンに魔鈴さんいらっしゃい。」

多少トゲはあるが普通に挨拶していた


「こんにちは、横島さんと魔鈴さん」

おキヌとは死津藻比女の後、会って以来だった


「おキヌさん体の調子はどうですか?」

魔鈴が聞いた


おキヌには死津藻比女の話はしていない。

ただ記憶喪失になったことしか話してない

「ええ、記憶は戻りませんが体調は元気ですよ。 ただ幽霊はよく見るんですが……」
 
おキヌは少し暗くなり言った


「大丈夫だよ。 いずれ思い出せるからね。 でも一人で出歩いたらだめだよ。 いつ記憶戻るかわからないし、体調悪くなってもだめだからね」

横島は笑顔で優しく話した


本当の理由は
おキヌの霊体は体と完全に合っていない。 悪霊などに狙われたら危ない為である
かつての未来のような事態を避ける為である



おキヌは横島を見てると、落ち着く自分に気がついていないが、横島に会えてうれしかった

「はい、ありがとうございます。 美神さんも優しいですし毎日楽しいですよ」

おキヌが笑顔で話した


横島も魔鈴もその様子に安心した


「美神さんはおキヌちゃんには優しいからね~」

横島はふと思ったことを話した


「ちょっと横島クン? それじゃあ普段は冷たいみたいじゃない!」

美神は少し声を荒げていった


((自覚が無いのか?))

横島と魔鈴は心で突っ込んだ

横島は声に出して言わないだけ
成長したのだろう


「うふふっ 美神さん楽しそうですね~」

おキヌが笑いながら話した


「おキヌちゃんも… 私は普段から優しいわよ! それに楽しくない!」


美神は否定したがおキヌには楽しそうに見えたらしい


しばらく話をして横島と魔鈴は、おキヌの現状に安心して帰った



美神も
横島の辞めたこと、母親との再開などあったが、おキヌの存在が大きくある程度安定しているみたいだった



横島と魔鈴は
正月も2人っきりで甘い生活を過ごしていたみたいだ


そして
過去に来てから霊力や戦闘技術などの修行を続けていた

来るべきアシュタロスとの決戦まで、時間はそれほど多くない。

元々あった力を取り戻すだけな為、急速に力をつけているが、アシュタロスとの戦いを考えたら余裕など無かった

いずれ妙神山にいかないといけないだろう

だが老師との修行は魂を繋ぐため
横島達が人間でないのがバレてしまう。

そのためタイミングが非常に難しかった
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