幻の初恋
「………」
令子はあまりの事態に、信じられないような表情でおキヌを観察する
その顔色が真っ青で冷や汗が浮かんでいるところを見ると、令子はギリギリのようだ
「どうしたんですか? 美神さん?」
おキヌは不思議そうに首を傾げる
きょとんとしたその表情は、いつもの優しいおキヌに見えた
「おキヌちゃん、大丈夫? この真っ黒な霊気は何!?」
いつものおキヌに、ようやく我に帰った令子は心配そうにおキヌに問いかける
「さあ~ 私は何も感じませんよ? それよりご飯にしましょう。 美神さん疲れてるみたいですから、今日は頑張ってみました!」
おキヌはニコニコと台所に向かって行く
「いったい何がどうなってるの…?」
令子の脳裏に浮かんだのは、さっき対決した小竜姫である
「まさか… 小竜姫様を怒らせた仏罰?」
さすがに困った様子の令子
こんな真っ黒な霊気の中に居れば人間は気が狂ってしまう
この時、令子は本気でおキヌを心配していた
「美神さん~ ご飯ですよ」
おキヌの声に令子の思考は止まり、台所に向かう
「………ヒィッ!!!」
令子は台所に一歩足を踏み入れたら、思わず叫び声をあげそうになった
真っ黒な霊気の渦と言っても過言では無い
そして、気が遠くなりそうな強烈な匂いと、絵にも書けないほど恐ろしい料理がテーブルに並ぶ
「お……おキヌちゃん! 逃げにきゃダメよ! 人間がこんな真っ黒な霊気の中に居たら、大変なことになるわ!!」
令子は魂までも震えるほどの恐怖を抑えて、おキヌを連れて逃げようとする
「ダメですよ。 美神さんには元気になってもらって、横島さんを取り返してもらわなくちゃだめなんです♪」
おキヌはニッコリと微笑み、その体からは漆黒のオーラが溢れ出す
「えっ…!? あ…あ…あ…」
令子は開いた口が塞がらない状態で、おキヌを指差し後ずさり始める
自分が助けようとしていた存在が原因だとは夢にも思わなかったようだ
しかしおキヌは令子をしっかり捕まえて、椅子に座らせる
「おっ おキヌちゃん、なんで…?」
令子はガタガタ震えながら、最後の勇気でおキヌに問いかける
「くすくす… 美神さんがダメなんですよ? トカゲの親戚に横島さんを盗られるなんて… 責任持って助けて来て下さいね♪」
ゴゴゴゴゴゴ……
おキヌの体からは漆黒のオーラが大開放中である
「あ…あ…あれは、横島が勝手に…」
恐怖で言葉が詰まる令子
蛇に睨まれたカエル状態である
令子は人生で初めて、絶対的な恐怖を味わっていた
「美神さんは、横島さんを見捨てるんですか?」
くすくす…
そんな笑顔だったおキヌだが、微妙に変化の兆しを見せた
一瞬冷たい視線を令子に向けると、周りの漆黒のオーラが令子に絡みついてくる
「で…で…でも、小竜姫様は神族だし逆らう訳には…」
令子は全身に冷や汗をかきながら、必死に言い訳をする
「返事は、『イエス』か『はい』のみですよ?」
おキヌは令子を見つめてニッコリ笑う
(神様でも悪魔でもいいから、助けてー!!)
令子は心の底から祈った!
『すいません。 無理です』
『ごめんな~ わいらも自分が大事なんや~』
その時突然、令子の頭の中に神々しい声と、関西弁の声が聞こえた
令子はあまりの事態に、信じられないような表情でおキヌを観察する
その顔色が真っ青で冷や汗が浮かんでいるところを見ると、令子はギリギリのようだ
「どうしたんですか? 美神さん?」
おキヌは不思議そうに首を傾げる
きょとんとしたその表情は、いつもの優しいおキヌに見えた
「おキヌちゃん、大丈夫? この真っ黒な霊気は何!?」
いつものおキヌに、ようやく我に帰った令子は心配そうにおキヌに問いかける
「さあ~ 私は何も感じませんよ? それよりご飯にしましょう。 美神さん疲れてるみたいですから、今日は頑張ってみました!」
おキヌはニコニコと台所に向かって行く
「いったい何がどうなってるの…?」
令子の脳裏に浮かんだのは、さっき対決した小竜姫である
「まさか… 小竜姫様を怒らせた仏罰?」
さすがに困った様子の令子
こんな真っ黒な霊気の中に居れば人間は気が狂ってしまう
この時、令子は本気でおキヌを心配していた
「美神さん~ ご飯ですよ」
おキヌの声に令子の思考は止まり、台所に向かう
「………ヒィッ!!!」
令子は台所に一歩足を踏み入れたら、思わず叫び声をあげそうになった
真っ黒な霊気の渦と言っても過言では無い
そして、気が遠くなりそうな強烈な匂いと、絵にも書けないほど恐ろしい料理がテーブルに並ぶ
「お……おキヌちゃん! 逃げにきゃダメよ! 人間がこんな真っ黒な霊気の中に居たら、大変なことになるわ!!」
令子は魂までも震えるほどの恐怖を抑えて、おキヌを連れて逃げようとする
「ダメですよ。 美神さんには元気になってもらって、横島さんを取り返してもらわなくちゃだめなんです♪」
おキヌはニッコリと微笑み、その体からは漆黒のオーラが溢れ出す
「えっ…!? あ…あ…あ…」
令子は開いた口が塞がらない状態で、おキヌを指差し後ずさり始める
自分が助けようとしていた存在が原因だとは夢にも思わなかったようだ
しかしおキヌは令子をしっかり捕まえて、椅子に座らせる
「おっ おキヌちゃん、なんで…?」
令子はガタガタ震えながら、最後の勇気でおキヌに問いかける
「くすくす… 美神さんがダメなんですよ? トカゲの親戚に横島さんを盗られるなんて… 責任持って助けて来て下さいね♪」
ゴゴゴゴゴゴ……
おキヌの体からは漆黒のオーラが大開放中である
「あ…あ…あれは、横島が勝手に…」
恐怖で言葉が詰まる令子
蛇に睨まれたカエル状態である
令子は人生で初めて、絶対的な恐怖を味わっていた
「美神さんは、横島さんを見捨てるんですか?」
くすくす…
そんな笑顔だったおキヌだが、微妙に変化の兆しを見せた
一瞬冷たい視線を令子に向けると、周りの漆黒のオーラが令子に絡みついてくる
「で…で…でも、小竜姫様は神族だし逆らう訳には…」
令子は全身に冷や汗をかきながら、必死に言い訳をする
「返事は、『イエス』か『はい』のみですよ?」
おキヌは令子を見つめてニッコリ笑う
(神様でも悪魔でもいいから、助けてー!!)
令子は心の底から祈った!
『すいません。 無理です』
『ごめんな~ わいらも自分が大事なんや~』
その時突然、令子の頭の中に神々しい声と、関西弁の声が聞こえた