その一
そして週末を前日にした金曜になると横島は再びかおりやおキヌ達と除霊に来ていた。
相変わらず百万前後の安い依頼だが横島達の小遣い稼ぎには十分であるし、実力はあるが知識面で偏りがある横島やおキヌと知識はしっかりしているが実際の除霊経験が多くないかおりの組み合わせは予想以上にバランスがいい。
正直令子が横島に単独で依頼をさせてなかったのは知識面の偏りやお人好しな性格が理由にあったので、そこをカバーするかおりの存在は大きかった。
まあ元々令子が横島達に常時依頼をやらせようとした理由は他ならぬ横島とかおりの関係を試す為だったが、そういう意味でも一応第一関門は突破した形にはなる。
とりあえず経営者として安心して仕事を任せられる環境が揃ったことは令子としても悪いことではない。
懸案と言えば魔理の存在だが令子はそのくらいなんとかして上手くやれないようならダメだと思っているらしく、現状では必要以上に手を貸してない。
「あの二人を見てると自分が情けなくなるな。」
「横島さん元々実力はあるんですよ。 内緒ですけど一度だけ美神さんにも勝ったことあるみたいですし。 ただムラッ気があるというのか普段はあんまり実力を発揮しないんですけど。」
さてそんなこの日も前回までと同じく横島・かおり組とおキヌ・タイガー・魔理組に別れているが、魔理はこれが三回目の除霊となるからか前回までよりも周りが見えてるようである。
特に自身の除霊と横島・かおりの組の除霊の違い比べると改めて実力差に落ち込みそうになるが、そんな魔理におキヌは横島本人も知らないかつて令子に勝った事実をこっそりと打ち明けた。
「それ本当なのか?」
「私も直接見た訳じゃないですけど美神さんから聞きましたから。」
現状では魔理が除霊した数は横島やかおりに必ずしも負けてる訳ではないが、余力が全く違うのは魔理にも分かる。
そんな折りに横島の実力が令子クラスだと知らされた魔理は、同じくそれを知らなかったタイガーと共に驚きのあまり信じられないような表情を浮かべた。
タイガーに冠しては横島の実力を知ってはいるがあの横島が令子に勝ったと言うのはさすがに驚きらしい。
「弓さんも試験を受けてないだけで実力はプロ級ですからね。 二人揃うと日本のGSでもトップクラスになるかもって美神さんも言ってましたし。」
横島に対してはどうしても日頃の態度から実力を低く見がちでありかおりに対してはライバル意識があるからか張り合ってしまう魔理だが、おキヌが語る現状での横島とかおりの評価には流石に悔しさが込み上げてくる。
実のところ横島やかおりには楽な依頼であるが、魔理は現状が適性レベルでありこれ以上強い悪霊や弱い悪霊だとまた役に立たなくなるのは自覚していた。
ただ正直なところ同年代の霊能者と比較して魔理が格段に劣ってる訳ではなく、横島やかおりが抜きん出過ぎているだけなのだが。
魔理は知識や技術は未熟で話にならないが喧嘩仕込みの戦いのセンスは他にはないものではあった。
まあ実戦で使えるかと言われると疑問だが六道女学院の霊能科でさえ、模擬試合では魔理より劣る霊能者は多いのだ。
実は中途半端に模擬試合で勝てることが彼女の成長の妨げにもなっているが。
「おつかれ!」
「全く埃っぽくて嫌ですわ。」
その後相変わらず余裕がある横島とかおりと合流した魔理は圧倒的にも感じる実力差を痛感するが、それに気付けただけでもここ数回の除霊の成果と言えた。
おキヌはそんな友人を見てちょっとひと安心するような気がした。
相変わらず百万前後の安い依頼だが横島達の小遣い稼ぎには十分であるし、実力はあるが知識面で偏りがある横島やおキヌと知識はしっかりしているが実際の除霊経験が多くないかおりの組み合わせは予想以上にバランスがいい。
正直令子が横島に単独で依頼をさせてなかったのは知識面の偏りやお人好しな性格が理由にあったので、そこをカバーするかおりの存在は大きかった。
まあ元々令子が横島達に常時依頼をやらせようとした理由は他ならぬ横島とかおりの関係を試す為だったが、そういう意味でも一応第一関門は突破した形にはなる。
とりあえず経営者として安心して仕事を任せられる環境が揃ったことは令子としても悪いことではない。
懸案と言えば魔理の存在だが令子はそのくらいなんとかして上手くやれないようならダメだと思っているらしく、現状では必要以上に手を貸してない。
「あの二人を見てると自分が情けなくなるな。」
「横島さん元々実力はあるんですよ。 内緒ですけど一度だけ美神さんにも勝ったことあるみたいですし。 ただムラッ気があるというのか普段はあんまり実力を発揮しないんですけど。」
さてそんなこの日も前回までと同じく横島・かおり組とおキヌ・タイガー・魔理組に別れているが、魔理はこれが三回目の除霊となるからか前回までよりも周りが見えてるようである。
特に自身の除霊と横島・かおりの組の除霊の違い比べると改めて実力差に落ち込みそうになるが、そんな魔理におキヌは横島本人も知らないかつて令子に勝った事実をこっそりと打ち明けた。
「それ本当なのか?」
「私も直接見た訳じゃないですけど美神さんから聞きましたから。」
現状では魔理が除霊した数は横島やかおりに必ずしも負けてる訳ではないが、余力が全く違うのは魔理にも分かる。
そんな折りに横島の実力が令子クラスだと知らされた魔理は、同じくそれを知らなかったタイガーと共に驚きのあまり信じられないような表情を浮かべた。
タイガーに冠しては横島の実力を知ってはいるがあの横島が令子に勝ったと言うのはさすがに驚きらしい。
「弓さんも試験を受けてないだけで実力はプロ級ですからね。 二人揃うと日本のGSでもトップクラスになるかもって美神さんも言ってましたし。」
横島に対してはどうしても日頃の態度から実力を低く見がちでありかおりに対してはライバル意識があるからか張り合ってしまう魔理だが、おキヌが語る現状での横島とかおりの評価には流石に悔しさが込み上げてくる。
実のところ横島やかおりには楽な依頼であるが、魔理は現状が適性レベルでありこれ以上強い悪霊や弱い悪霊だとまた役に立たなくなるのは自覚していた。
ただ正直なところ同年代の霊能者と比較して魔理が格段に劣ってる訳ではなく、横島やかおりが抜きん出過ぎているだけなのだが。
魔理は知識や技術は未熟で話にならないが喧嘩仕込みの戦いのセンスは他にはないものではあった。
まあ実戦で使えるかと言われると疑問だが六道女学院の霊能科でさえ、模擬試合では魔理より劣る霊能者は多いのだ。
実は中途半端に模擬試合で勝てることが彼女の成長の妨げにもなっているが。
「おつかれ!」
「全く埃っぽくて嫌ですわ。」
その後相変わらず余裕がある横島とかおりと合流した魔理は圧倒的にも感じる実力差を痛感するが、それに気付けただけでもここ数回の除霊の成果と言えた。
おキヌはそんな友人を見てちょっとひと安心するような気がした。