その一
「そういえば横島は何処や?」
「ああ、横島さんでしたら風邪を引いて寝てます。 先程病院に連れていって薬を飲ませましたわ。」
「えっ!? 横島さん風邪なんですか!?」
部屋の入り口の前でかおりと小鳩は双方ともに言葉が続かずしばしの沈黙が続くが、耐えきれなかったのか貧が横島のことを尋ねるとかおりは風邪のことから事情を話し出す。
小鳩は横島が風邪で寝てると聞き驚きながらも血相を変える。
かおりはその表情から小鳩が横島にかなりの好意を持っていることを改めて確信して、少し複雑な心境が胸の奥を駆け巡っていく。
「一言声をかけてくれれば……。」
「私も本人から聞いた訳ではないのでなんとも。」
横島を心配する小鳩をかおりは部屋に上げて話をするも横島は風邪薬のせいか熟睡しており気付く様子はない。
かなり高い高熱が出てたと聞いた小鳩は隣なのだから一言声をかけてくれればと思わず口にするも、かおりは自身もどちらかと言えば勝手に来ただけなので同じ気持ちなのだなと感じた。
「それにしても貧乏神と福の神は表裏一体とは聞きますが、実際に貧乏神から福の神に反転した事例は聞いたことがありませんわ。」
「それは、美神さんと横島さんのおかげなんです。」
そのままかおりと小鳩はあまり会話が弾まぬまま時間が過ぎるが、ふとかおりはいつの間にか周囲に姿が見えない貧について尋ねると小鳩は貧乏神が福の神に変わった一件について語り出す。
横島が調査もせずに突然貧乏神を攻撃したと聞いた時は流石に呆れた表情しか出来ないが、ただ霊能に突然目覚めた素人ならばそんなものかもしれないとも思う。
途中横島が貧乏神を攻撃した責任を取って小鳩や令子と形式だけとはいえ結婚したと聞くと、何を想像したのか複雑な表情で固まったままだったが。
「横島さんって、美神さんとかおキヌちゃんとか弓さんとかいつも綺麗な人ばっかりなんで、私じゃ勝てないんですけどね。」
「ちょっと待って頂けます!? 美神さんとも……、その横島さんは何かあるんですの!?」
ただ小鳩から聞く横島の話はかおりの知らない横島といえていろいろ驚きが多いが、中でも一番驚いたのは小鳩から見た横島と令子の関係だろう。
「特に付き合ってる訳じゃないみたいですけど横島さんと美神さんは互いに信頼しよく理解してましたよ。 それに美神さんも満更という訳では……。」
「えっ? でも……。」
よくよく考えてみるとかおりは令子をノーマークだった。
理由は横島が語る令子は親愛や憧れはあるような気がしたが恋愛感情には見えなかったことと、二人があまりに釣り合わないために自然と意識から令子を外していたのだ。
「あくまで私が感じたことですよ。 それに横島さんあの頃と比べて最近はあまり露骨な本音を口にしなくなりましたし。 相変わらず優しいのは変わらないですけどね。」
一方小鳩は令子の話で戸惑うかおりに違和感を感じていた。
以前の横島ならば誰が見ても分かるほど令子を求めていたはずで、横島に親しいかおりが気付かぬはずはないと思う。
そもそも小鳩は横島とは交流があるが令子やおキヌは正直交流がある訳ではないのでしばらく会ってないので最近の令子と横島の関係は詳しく知らないが、いつからか横島が少し変わったというか大人になったような印象を持っている。
かつては自分に正直であけすけだった横島が今はそれを少し飲み込むようになったと思っていた。
ただそれは必ずしも悪い変化ではないし、他は特に変わらないので少し大人になったのかなと受け止めていただけだが。
「ああ、横島さんでしたら風邪を引いて寝てます。 先程病院に連れていって薬を飲ませましたわ。」
「えっ!? 横島さん風邪なんですか!?」
部屋の入り口の前でかおりと小鳩は双方ともに言葉が続かずしばしの沈黙が続くが、耐えきれなかったのか貧が横島のことを尋ねるとかおりは風邪のことから事情を話し出す。
小鳩は横島が風邪で寝てると聞き驚きながらも血相を変える。
かおりはその表情から小鳩が横島にかなりの好意を持っていることを改めて確信して、少し複雑な心境が胸の奥を駆け巡っていく。
「一言声をかけてくれれば……。」
「私も本人から聞いた訳ではないのでなんとも。」
横島を心配する小鳩をかおりは部屋に上げて話をするも横島は風邪薬のせいか熟睡しており気付く様子はない。
かなり高い高熱が出てたと聞いた小鳩は隣なのだから一言声をかけてくれればと思わず口にするも、かおりは自身もどちらかと言えば勝手に来ただけなので同じ気持ちなのだなと感じた。
「それにしても貧乏神と福の神は表裏一体とは聞きますが、実際に貧乏神から福の神に反転した事例は聞いたことがありませんわ。」
「それは、美神さんと横島さんのおかげなんです。」
そのままかおりと小鳩はあまり会話が弾まぬまま時間が過ぎるが、ふとかおりはいつの間にか周囲に姿が見えない貧について尋ねると小鳩は貧乏神が福の神に変わった一件について語り出す。
横島が調査もせずに突然貧乏神を攻撃したと聞いた時は流石に呆れた表情しか出来ないが、ただ霊能に突然目覚めた素人ならばそんなものかもしれないとも思う。
途中横島が貧乏神を攻撃した責任を取って小鳩や令子と形式だけとはいえ結婚したと聞くと、何を想像したのか複雑な表情で固まったままだったが。
「横島さんって、美神さんとかおキヌちゃんとか弓さんとかいつも綺麗な人ばっかりなんで、私じゃ勝てないんですけどね。」
「ちょっと待って頂けます!? 美神さんとも……、その横島さんは何かあるんですの!?」
ただ小鳩から聞く横島の話はかおりの知らない横島といえていろいろ驚きが多いが、中でも一番驚いたのは小鳩から見た横島と令子の関係だろう。
「特に付き合ってる訳じゃないみたいですけど横島さんと美神さんは互いに信頼しよく理解してましたよ。 それに美神さんも満更という訳では……。」
「えっ? でも……。」
よくよく考えてみるとかおりは令子をノーマークだった。
理由は横島が語る令子は親愛や憧れはあるような気がしたが恋愛感情には見えなかったことと、二人があまりに釣り合わないために自然と意識から令子を外していたのだ。
「あくまで私が感じたことですよ。 それに横島さんあの頃と比べて最近はあまり露骨な本音を口にしなくなりましたし。 相変わらず優しいのは変わらないですけどね。」
一方小鳩は令子の話で戸惑うかおりに違和感を感じていた。
以前の横島ならば誰が見ても分かるほど令子を求めていたはずで、横島に親しいかおりが気付かぬはずはないと思う。
そもそも小鳩は横島とは交流があるが令子やおキヌは正直交流がある訳ではないのでしばらく会ってないので最近の令子と横島の関係は詳しく知らないが、いつからか横島が少し変わったというか大人になったような印象を持っている。
かつては自分に正直であけすけだった横島が今はそれを少し飲み込むようになったと思っていた。
ただそれは必ずしも悪い変化ではないし、他は特に変わらないので少し大人になったのかなと受け止めていただけだが。