その一
「こんなに汗をかいたのに放置して。 あっ!」
具合がかなり悪いとはいえ着替えは一人で出来たのはかおりにとって幸いだった。
元々異性の友人すら最近までは居なく男性にあまり免疫がないかおりには、男性である横島を強制的に着替えさせるようなスキルはない。
一応後ろを向き横島が着替えるのを待つかおりだが、テーブルの上にあった小さな鏡に横島の上半身が写ってしまい再び顔を赤らめながらもチラチラと見てしまう。
どちらかというと細く貧弱な感じのある横島であるが、上半身は少なくとも若干着痩せしてるのではと思う程度には引き締まっている。
まあ男性に免疫がないとは言うが実家の闘竜寺には内弟子と言える若い男性が住み込みで修行してるので、男性の肉体は修行の最中なんかに見ることはあった。
意外にもそんな修行僧の内弟子にも負けないだけの体力はあるのだと半ば驚きながら見ていた。
「全く脱いだ服は散らかしたらダメでしょうが。」
「あっ、それは……ごほごほ……流石に!」
「言わないで下さい! 私も恥ずかしいんですわ!!」
そんな横島だが着替えが終わるとやはりキツいのか布団に横になってしまうが、かおりは横島が脱ぎ散らかした服を見てられなくなり集めて台所の方に持っていくことにする。
しかし横島が着替えたのは寝間着ばかりではなく下着までもあり、かおりはまさか下着だけ放置も出来ないので努めて義務的に下着も他の洗濯物と一緒に集めるが、ここで止せばいいのに恥ずかしくなったのか先に下着を隠そうとする横島にかおりは顔を赤らめてに半ば逆ギレのように怒ってしまう。
女性の下着は好きな横島でも自分が履いた下着を美人に見られるのは嫌なようだ。
「ごほごほ……あかんなぁ、もう婿にいけんかもしれん。」
「ふざけてないで上着を着てください。 外は寒いですわよ。 タクシーを呼びますから。」
横島にもあった恥ずかしいという気持ちを隠すためか横島は女のように泣き真似をするも、恥ずかしいのはこっちなのにと横島を睨むかおりは上着を着せたりタクシーを呼んだりして病院にいく準備をしていく。
「やっぱりふらついてるじゃないですか。 大丈夫ですか? 掴まって下さい。」
タクシーが到着するとかおりは横島を立たせて歩かせ始めるが、やはり体調はかなり悪いようで横島の足元はふらふらしている。
かおりが心配すると相変わらず二言目には大丈夫と返事をする横島であるが、横島の大丈夫は大丈夫ではないと理解したのかかおりは自分から横島を支えてタクシーに乗せていった。
「すいませんね、せっかくの休みに。」
「そんなことはいいですから。」
一方横島は熱のせいかいまいち頭が回らないのを自覚しつつも、隣に居るかおりの顔を見て嬉しくて堪らなかった。
これほど美人でプライドが高い女の人が自分を心配し世話してくれてることが信じられない。
実は先程一人で寝ていた時に横島は風邪で寝込みこのまま一人で死んでしまうような夢を見ていたのだ。
そんな時に目を覚まし夢と現実の区別が出来ない中で見たものが心配そうにしたかおりだったのだから、今も半分はこれが夢の続きかはたまた幻かと考えてしまう。
「これが夢でも幻でも感謝してますよ。」
「ちょっと何を言ってるんですの!? もうすぐ病院に着きますから!」
しばらくかおりの横顔を見ていた横島は熱にうなされてるのか妙なことを口走り目を閉じてしまうと、かおりもまたその言葉に胸を鷲掴みにされたような衝撃を受けつつ横島を心配して泣きそうになっていた。
具合がかなり悪いとはいえ着替えは一人で出来たのはかおりにとって幸いだった。
元々異性の友人すら最近までは居なく男性にあまり免疫がないかおりには、男性である横島を強制的に着替えさせるようなスキルはない。
一応後ろを向き横島が着替えるのを待つかおりだが、テーブルの上にあった小さな鏡に横島の上半身が写ってしまい再び顔を赤らめながらもチラチラと見てしまう。
どちらかというと細く貧弱な感じのある横島であるが、上半身は少なくとも若干着痩せしてるのではと思う程度には引き締まっている。
まあ男性に免疫がないとは言うが実家の闘竜寺には内弟子と言える若い男性が住み込みで修行してるので、男性の肉体は修行の最中なんかに見ることはあった。
意外にもそんな修行僧の内弟子にも負けないだけの体力はあるのだと半ば驚きながら見ていた。
「全く脱いだ服は散らかしたらダメでしょうが。」
「あっ、それは……ごほごほ……流石に!」
「言わないで下さい! 私も恥ずかしいんですわ!!」
そんな横島だが着替えが終わるとやはりキツいのか布団に横になってしまうが、かおりは横島が脱ぎ散らかした服を見てられなくなり集めて台所の方に持っていくことにする。
しかし横島が着替えたのは寝間着ばかりではなく下着までもあり、かおりはまさか下着だけ放置も出来ないので努めて義務的に下着も他の洗濯物と一緒に集めるが、ここで止せばいいのに恥ずかしくなったのか先に下着を隠そうとする横島にかおりは顔を赤らめてに半ば逆ギレのように怒ってしまう。
女性の下着は好きな横島でも自分が履いた下着を美人に見られるのは嫌なようだ。
「ごほごほ……あかんなぁ、もう婿にいけんかもしれん。」
「ふざけてないで上着を着てください。 外は寒いですわよ。 タクシーを呼びますから。」
横島にもあった恥ずかしいという気持ちを隠すためか横島は女のように泣き真似をするも、恥ずかしいのはこっちなのにと横島を睨むかおりは上着を着せたりタクシーを呼んだりして病院にいく準備をしていく。
「やっぱりふらついてるじゃないですか。 大丈夫ですか? 掴まって下さい。」
タクシーが到着するとかおりは横島を立たせて歩かせ始めるが、やはり体調はかなり悪いようで横島の足元はふらふらしている。
かおりが心配すると相変わらず二言目には大丈夫と返事をする横島であるが、横島の大丈夫は大丈夫ではないと理解したのかかおりは自分から横島を支えてタクシーに乗せていった。
「すいませんね、せっかくの休みに。」
「そんなことはいいですから。」
一方横島は熱のせいかいまいち頭が回らないのを自覚しつつも、隣に居るかおりの顔を見て嬉しくて堪らなかった。
これほど美人でプライドが高い女の人が自分を心配し世話してくれてることが信じられない。
実は先程一人で寝ていた時に横島は風邪で寝込みこのまま一人で死んでしまうような夢を見ていたのだ。
そんな時に目を覚まし夢と現実の区別が出来ない中で見たものが心配そうにしたかおりだったのだから、今も半分はこれが夢の続きかはたまた幻かと考えてしまう。
「これが夢でも幻でも感謝してますよ。」
「ちょっと何を言ってるんですの!? もうすぐ病院に着きますから!」
しばらくかおりの横顔を見ていた横島は熱にうなされてるのか妙なことを口走り目を閉じてしまうと、かおりもまたその言葉に胸を鷲掴みにされたような衝撃を受けつつ横島を心配して泣きそうになっていた。