その一
「終わりかな?」
「そのようですわね。」
結局除霊は十五分ほどで苦戦も想定外のトラブルもなくあっさりと終わる。
横島とかおりのチームは横島がかおりの邪魔をしないようにとあまり活躍してないが、これに関してはどちらが活躍しても結果は変わらないだろう。
正直学生のバイトには最適な依頼で横島は令子が優しすぎるのではとちょっと不気味にも感じていたが。
まさか自分とかおりを確かめる為だとは思いもしないらしい。
「二人とも怪我はないですか?」
一方のおキヌ達も今回は前回の苦戦が嘘のように順調だったらしく、みんな明るい表情をしていた。
悪霊の数も横島達が四体のおキヌ達が三体の計七体しか居なかったこともあり、問題の魔理も一対一だと十二分に力を発揮出来たようである。
最後にもう一応確認の為に再度現場を霊視してみるものの除霊残しはなく、この日の仕事は終わりだった。
「へ~、オシャレな店ですね。」
その後一同は都内まで一緒に帰ることになるがかおりは相変わらず横島に誘ってもらえず少し落ち着かぬ様子であったが、この日はおキヌがみんなで少し寄り道でもして帰ろうと声をかけて都内のオシャレなカフェに寄り道していた。
「横島サンがこんな店を知ってるとは意外ですケン。」
「うっさいわ。 俺だってオシャレな店の一件や二件知っとるわ!」
そのオシャレなカフェはなんと横島が案内した店であり、タイガーは思わず横島に似合わないと呟くもかおりはおろかおキヌですら意外に感じていた。
そもそも場所が裏通りを少し入り込んだところにあるオシャレなカフェは、知る人ぞ知る穴場といった所である。
「意外に遊んでらっしゃるのね!」
「いやいや、いつかデートにでも使えないかなぁと。 実は雑誌に載ってまして。」
ただこのカフェに来てから何故か機嫌が悪いかおりは笑顔に見えぬ凄みのある笑顔を見せると、横島に何故かキツく当たりはじめてしまい横島は慌てて言い訳というか種明かしをする羽目になった。
ぶっちゃけ自分とのデートで連れてきて貰えなかったことが面白くないかおりであるが、横島にも悪気がある訳ではなくかおりとデートした後に雑誌などに書いてあるデート関連の記事を見て勉強しただけである。
特に最近よくかおりと会うので毎回ファーストフードも飽きるかと思いあまり学生が来ない店を探したまでは良かったが、かおりの前にみんなを連れてきたらどうなるかなんて考えてなかった。
所詮は横島の浅知恵である。
「へ~、それはそれは。 やはり遊んでらっしゃるようで。」
「いや、本当なんですよ。」
そのままかおりと横島はおキヌ達が目の前に居るのを知りながらも不機嫌なかおりに横島が言い訳をするやり取りを続けていくが、当然そんな二人を見てなにも知らないタイガーと魔理はぽかーんとしている。
不機嫌そうなかおりであるが話しかけるのは常に横島で横島の言い訳にも答えているので、相手が嫌いな訳でないのは横島本人でもない限り気づいてしまう。
「あのさ、弓。 あそこ見てみろよ。」
この二人いつの間にと顔を見合わせるタイガーと魔理にかおりに隠す気があるのかと苦笑いを浮かべるおキヌであるが、いち早く動いたのはこれまた意外にも魔理であった。
かおりの席からは見えないが店内の隅に雑誌で紹介された記事が掲示されていたのだ。
別に横島を庇うつもりも口を挟むつもりもないが、あまりにあまりな光景な為に口を挟んでしまったらしい。
「……美味しいケーキですわね。」
冷静な魔理に口を挟まれたことでかおりはようやく自分の失態に気付き取り繕うように何事もなかったように振る舞うも、時すでに遅しということも彼女だけは気付いている。
「あれっすよ。 あれっ。 ね、本当でしょう?」
「分かりましたから! もういいです!」
「信じてくださいよ。」
もう一人の当事者である横島は基本的にこの手の嘘が特に下手な上、若干どころではなく鈍感なので一人で誤解を解こうと焦っていた。
かおりはさすがにこの場で言うべきことでないと引き下がったが、横島は嫌われたと勘違いしたらしくオロオロと動揺しながら食い下がるのだ。
「そのようですわね。」
結局除霊は十五分ほどで苦戦も想定外のトラブルもなくあっさりと終わる。
横島とかおりのチームは横島がかおりの邪魔をしないようにとあまり活躍してないが、これに関してはどちらが活躍しても結果は変わらないだろう。
正直学生のバイトには最適な依頼で横島は令子が優しすぎるのではとちょっと不気味にも感じていたが。
まさか自分とかおりを確かめる為だとは思いもしないらしい。
「二人とも怪我はないですか?」
一方のおキヌ達も今回は前回の苦戦が嘘のように順調だったらしく、みんな明るい表情をしていた。
悪霊の数も横島達が四体のおキヌ達が三体の計七体しか居なかったこともあり、問題の魔理も一対一だと十二分に力を発揮出来たようである。
最後にもう一応確認の為に再度現場を霊視してみるものの除霊残しはなく、この日の仕事は終わりだった。
「へ~、オシャレな店ですね。」
その後一同は都内まで一緒に帰ることになるがかおりは相変わらず横島に誘ってもらえず少し落ち着かぬ様子であったが、この日はおキヌがみんなで少し寄り道でもして帰ろうと声をかけて都内のオシャレなカフェに寄り道していた。
「横島サンがこんな店を知ってるとは意外ですケン。」
「うっさいわ。 俺だってオシャレな店の一件や二件知っとるわ!」
そのオシャレなカフェはなんと横島が案内した店であり、タイガーは思わず横島に似合わないと呟くもかおりはおろかおキヌですら意外に感じていた。
そもそも場所が裏通りを少し入り込んだところにあるオシャレなカフェは、知る人ぞ知る穴場といった所である。
「意外に遊んでらっしゃるのね!」
「いやいや、いつかデートにでも使えないかなぁと。 実は雑誌に載ってまして。」
ただこのカフェに来てから何故か機嫌が悪いかおりは笑顔に見えぬ凄みのある笑顔を見せると、横島に何故かキツく当たりはじめてしまい横島は慌てて言い訳というか種明かしをする羽目になった。
ぶっちゃけ自分とのデートで連れてきて貰えなかったことが面白くないかおりであるが、横島にも悪気がある訳ではなくかおりとデートした後に雑誌などに書いてあるデート関連の記事を見て勉強しただけである。
特に最近よくかおりと会うので毎回ファーストフードも飽きるかと思いあまり学生が来ない店を探したまでは良かったが、かおりの前にみんなを連れてきたらどうなるかなんて考えてなかった。
所詮は横島の浅知恵である。
「へ~、それはそれは。 やはり遊んでらっしゃるようで。」
「いや、本当なんですよ。」
そのままかおりと横島はおキヌ達が目の前に居るのを知りながらも不機嫌なかおりに横島が言い訳をするやり取りを続けていくが、当然そんな二人を見てなにも知らないタイガーと魔理はぽかーんとしている。
不機嫌そうなかおりであるが話しかけるのは常に横島で横島の言い訳にも答えているので、相手が嫌いな訳でないのは横島本人でもない限り気づいてしまう。
「あのさ、弓。 あそこ見てみろよ。」
この二人いつの間にと顔を見合わせるタイガーと魔理にかおりに隠す気があるのかと苦笑いを浮かべるおキヌであるが、いち早く動いたのはこれまた意外にも魔理であった。
かおりの席からは見えないが店内の隅に雑誌で紹介された記事が掲示されていたのだ。
別に横島を庇うつもりも口を挟むつもりもないが、あまりにあまりな光景な為に口を挟んでしまったらしい。
「……美味しいケーキですわね。」
冷静な魔理に口を挟まれたことでかおりはようやく自分の失態に気付き取り繕うように何事もなかったように振る舞うも、時すでに遅しということも彼女だけは気付いている。
「あれっすよ。 あれっ。 ね、本当でしょう?」
「分かりましたから! もういいです!」
「信じてくださいよ。」
もう一人の当事者である横島は基本的にこの手の嘘が特に下手な上、若干どころではなく鈍感なので一人で誤解を解こうと焦っていた。
かおりはさすがにこの場で言うべきことでないと引き下がったが、横島は嫌われたと勘違いしたらしくオロオロと動揺しながら食い下がるのだ。