その一
二人が妙神山に行って数日が過ぎると暦は師走に変わっていた。
相変わらず雪之丞からの連絡はないが横島もそろそろ問題を過去のものとしてしまったらしく、あまり気にしなくなっている。
「まあまあですわね。」
街はすでにクリスマスムード一色であったが、この日横島とかおりはおキヌと魔理とタイガーの五人で再び除霊に来ていた。
場所は都内近郊の廃工場で依頼は廃工場を占拠する悪霊の退治である。
今回は都内近郊ということで調査や依頼人との交渉は令子が行っており、横島達は単純に除霊をするだけであった。
前回と違い連絡が取れない雪之丞と前回で懲りたのかピートが来なかったが、迷っていたかおりは参加している。
正直魔理の除霊には不安もあっておキヌほどではないが見捨てるのは忍びなく、加えて将来に向けて貯金もしたいとの思惑も大きい。
ちなみにかおりの父は外でアルバイト感覚で除霊をすることにはいい顔をしてなかったが、母が承諾して頑張りなさいと後押しすると反対まではしなかった。
闘竜寺の後継問題はかおりとしては現状で絶対継ぎたくないとまでは言わないが、とりあえずは高校卒業と同時に外のGSの元に修行という形で出ていきそのまましばらくは普通のGSがしたいのだ。
闘竜寺の問題は父が引退するまでには考えればいいと棚上げしている。
「ちゃっちゃと片付けちまうか。」
それと今回の依頼も工場は除霊が終わり次第解体されるので多少壊しても問題はなく、依頼料も八十万と安い代わりに悪霊もさして強くない。
まあ一般的なGSがよく行う平均的な仕事であるというのが今回の依頼の特徴であり、令子としても万が一にも失敗や事故がないようにと結構気を使った結果になる。
「じゃあ横島さんと弓さんは裏口からお願いします。 私達は正面から行きましょう。」
除霊する際のグループ分けはちょうど前回の雪之丞とピート組が居ないことで今回も前回と同じ組分けになっていた。
タイガーと魔理は相変わらず横島とかおりの関係を知らないが、魔理をフォローするのを横島はやりたがらないしかおりの場合は魔理が反発するので現状だとこの形が一番落ち着くのが理由だった。
「流石に美神お姉さまは割がいい仕事してますわね。」
「そうなんすか?」
「ええ、こういう簡単で依頼料がそこそこの依頼は結構人気なんですわ。」
今回も特に作戦もなく正面と裏口から分かれて除霊をしていくだけだが、かおりはおキヌ達と分かれると今回の依頼について口を開いていた。
どうも今回は一般的なGSから見ても簡単で割がいい仕事らしく、こういうシンプルに利益になる依頼はなかなか闘竜寺なんかには回ってこないとちょっとグチる。
「魔理さんの修行には最適なんだろうなぁ。 あの人修行もそうだけど除霊になれるのが先っぽいし。」
「そうですわね。」
そのまま横島とかおりは除霊しながら何気ない会話を続けていくが、かおりは密かにこのあと食事でもと誘ってくれないかとそれらしい話題を振るが横島は見事にスルーしてしまいどうしようかと悩むことになる。
相変わらず雪之丞からの連絡はないが横島もそろそろ問題を過去のものとしてしまったらしく、あまり気にしなくなっている。
「まあまあですわね。」
街はすでにクリスマスムード一色であったが、この日横島とかおりはおキヌと魔理とタイガーの五人で再び除霊に来ていた。
場所は都内近郊の廃工場で依頼は廃工場を占拠する悪霊の退治である。
今回は都内近郊ということで調査や依頼人との交渉は令子が行っており、横島達は単純に除霊をするだけであった。
前回と違い連絡が取れない雪之丞と前回で懲りたのかピートが来なかったが、迷っていたかおりは参加している。
正直魔理の除霊には不安もあっておキヌほどではないが見捨てるのは忍びなく、加えて将来に向けて貯金もしたいとの思惑も大きい。
ちなみにかおりの父は外でアルバイト感覚で除霊をすることにはいい顔をしてなかったが、母が承諾して頑張りなさいと後押しすると反対まではしなかった。
闘竜寺の後継問題はかおりとしては現状で絶対継ぎたくないとまでは言わないが、とりあえずは高校卒業と同時に外のGSの元に修行という形で出ていきそのまましばらくは普通のGSがしたいのだ。
闘竜寺の問題は父が引退するまでには考えればいいと棚上げしている。
「ちゃっちゃと片付けちまうか。」
それと今回の依頼も工場は除霊が終わり次第解体されるので多少壊しても問題はなく、依頼料も八十万と安い代わりに悪霊もさして強くない。
まあ一般的なGSがよく行う平均的な仕事であるというのが今回の依頼の特徴であり、令子としても万が一にも失敗や事故がないようにと結構気を使った結果になる。
「じゃあ横島さんと弓さんは裏口からお願いします。 私達は正面から行きましょう。」
除霊する際のグループ分けはちょうど前回の雪之丞とピート組が居ないことで今回も前回と同じ組分けになっていた。
タイガーと魔理は相変わらず横島とかおりの関係を知らないが、魔理をフォローするのを横島はやりたがらないしかおりの場合は魔理が反発するので現状だとこの形が一番落ち着くのが理由だった。
「流石に美神お姉さまは割がいい仕事してますわね。」
「そうなんすか?」
「ええ、こういう簡単で依頼料がそこそこの依頼は結構人気なんですわ。」
今回も特に作戦もなく正面と裏口から分かれて除霊をしていくだけだが、かおりはおキヌ達と分かれると今回の依頼について口を開いていた。
どうも今回は一般的なGSから見ても簡単で割がいい仕事らしく、こういうシンプルに利益になる依頼はなかなか闘竜寺なんかには回ってこないとちょっとグチる。
「魔理さんの修行には最適なんだろうなぁ。 あの人修行もそうだけど除霊になれるのが先っぽいし。」
「そうですわね。」
そのまま横島とかおりは除霊しながら何気ない会話を続けていくが、かおりは密かにこのあと食事でもと誘ってくれないかとそれらしい話題を振るが横島は見事にスルーしてしまいどうしようかと悩むことになる。