その一
「それにしても雪之丞さんは人騒がせですね。」
緊張と自己嫌悪により黙り混んでしまったかおりに小竜姫は気を利かせて、話題を変えるべく今回の元凶である雪之丞の話を始めていた。
まあ横島も令子も人騒がせなのは同じなので小竜姫としては特に驚いている訳ではないが。
「バトルジャンキーっすからね。 女心とか全く理解してませんし。」
そんな小竜姫に合わせるように横島は雪之丞のことを愚痴混じりに呟くも、まるで自分は女心を理解しているとでも言いたげな横島をかおりは思わず信じられないような表情で見てしまう。
本来ならば貴方がそれを言うのですか!と声を荒げる場面だが、流石に小竜姫を前にしてこれ以上の無礼はしてはならないとの理性が勝ったようだ。
「雪之丞さんは、ある意味横島さんとは対極に居る人ですからね。 不器用なとこなんかは似てますけど。」
横島の言葉もかおりの表情も当然小竜姫は目の前で見聞きしていて、かおりの気持ちを理解したのか少し笑いを堪えるように話を続ける。
元々マメな性格の横島は事件でもなければ会うことがない令子達と違い、今も時々パピリオに会うとの理由で妙神山に来ていて小竜姫とも会っていた。
相変わらず会うたびに口説くような横島を小竜姫は笑って受け流しているが、そんな横島が令子でもおキヌでもない人間の女性と二人っきりで度々会っていると聞き興味を持ったのが本音だった。
横島的には友人カップルのお節介をしている程度の認識しかなかったが、事が事なだけにかおりの気持ちは雪之丞から離れてしまい横島にと傾いたのだが本人はその可能性を世界がひっくり返ってもないと決めつけている。
それが可笑しくもありもどかしくもあると同時に少しほっとするのが小竜姫の心情だ。
「ヨコシマー!!」
そのまま緊張がなかなか解けぬかおりだが、ドタバタと廊下を走る音が聞こえるとパピリオが勢いよく部屋の障子を開けて入って来ると横島に抱きついていた。
そんな突然の光景にかおりは目を白黒させてしまうが、パピリオの顔を見た瞬間顔色が変わる。
「横島さん!!」
以前とは違う服装であるが幼い容姿と似合わぬ圧倒的な力は忘れようもなかった。
「ヨコシマの新しい彼女が出来たって聞いたから誰かと思えばお前でちゅか。」
「……はい?」
何故ここに魔族が居るのかなど冷静に考えられる余裕がなかったかおりは横島を守るべくパピリオと対峙しようとするも、パピリオは全くやる気がなくまるでかおりを値踏みするような視線を向けて爆弾発言を投下する。
「いや~、彼女だなんて誰が言ったんだ? 参ったな~。」
「私と横島さんはそんな関係ではありません!」
「そんな本気で否定せんでも……。」
その発言に横島は満更でもない様子であったが、かおりはやはり条件反射でそれを否定してしまう。
端から見れば照れ隠しに見えなくもないが残念ながら横島には伝わらないようで横島は残念そうに落ち込む。
ちなみにかおりを横島の新しい彼女だと吹聴しているのは、例によってヒャクメである。
「彼女は今、神魔界の交流の一貫で妙神山に滞在してるんですよ。 過去に因縁があるようですが、ここは私の顔を立てて下さい。」
危険な魔族を目の前にラブコメのようなやり取りをしてしまったかおりは、再び混乱と自己嫌悪で軽いパニックに陥るが小竜姫が事情を説明し再びかおりを落ち着かせていく。
だが神族と魔族が争うことなくひとつ屋根のしたで生活している事実にかおりは強い衝撃を受けていた。
緊張と自己嫌悪により黙り混んでしまったかおりに小竜姫は気を利かせて、話題を変えるべく今回の元凶である雪之丞の話を始めていた。
まあ横島も令子も人騒がせなのは同じなので小竜姫としては特に驚いている訳ではないが。
「バトルジャンキーっすからね。 女心とか全く理解してませんし。」
そんな小竜姫に合わせるように横島は雪之丞のことを愚痴混じりに呟くも、まるで自分は女心を理解しているとでも言いたげな横島をかおりは思わず信じられないような表情で見てしまう。
本来ならば貴方がそれを言うのですか!と声を荒げる場面だが、流石に小竜姫を前にしてこれ以上の無礼はしてはならないとの理性が勝ったようだ。
「雪之丞さんは、ある意味横島さんとは対極に居る人ですからね。 不器用なとこなんかは似てますけど。」
横島の言葉もかおりの表情も当然小竜姫は目の前で見聞きしていて、かおりの気持ちを理解したのか少し笑いを堪えるように話を続ける。
元々マメな性格の横島は事件でもなければ会うことがない令子達と違い、今も時々パピリオに会うとの理由で妙神山に来ていて小竜姫とも会っていた。
相変わらず会うたびに口説くような横島を小竜姫は笑って受け流しているが、そんな横島が令子でもおキヌでもない人間の女性と二人っきりで度々会っていると聞き興味を持ったのが本音だった。
横島的には友人カップルのお節介をしている程度の認識しかなかったが、事が事なだけにかおりの気持ちは雪之丞から離れてしまい横島にと傾いたのだが本人はその可能性を世界がひっくり返ってもないと決めつけている。
それが可笑しくもありもどかしくもあると同時に少しほっとするのが小竜姫の心情だ。
「ヨコシマー!!」
そのまま緊張がなかなか解けぬかおりだが、ドタバタと廊下を走る音が聞こえるとパピリオが勢いよく部屋の障子を開けて入って来ると横島に抱きついていた。
そんな突然の光景にかおりは目を白黒させてしまうが、パピリオの顔を見た瞬間顔色が変わる。
「横島さん!!」
以前とは違う服装であるが幼い容姿と似合わぬ圧倒的な力は忘れようもなかった。
「ヨコシマの新しい彼女が出来たって聞いたから誰かと思えばお前でちゅか。」
「……はい?」
何故ここに魔族が居るのかなど冷静に考えられる余裕がなかったかおりは横島を守るべくパピリオと対峙しようとするも、パピリオは全くやる気がなくまるでかおりを値踏みするような視線を向けて爆弾発言を投下する。
「いや~、彼女だなんて誰が言ったんだ? 参ったな~。」
「私と横島さんはそんな関係ではありません!」
「そんな本気で否定せんでも……。」
その発言に横島は満更でもない様子であったが、かおりはやはり条件反射でそれを否定してしまう。
端から見れば照れ隠しに見えなくもないが残念ながら横島には伝わらないようで横島は残念そうに落ち込む。
ちなみにかおりを横島の新しい彼女だと吹聴しているのは、例によってヒャクメである。
「彼女は今、神魔界の交流の一貫で妙神山に滞在してるんですよ。 過去に因縁があるようですが、ここは私の顔を立てて下さい。」
危険な魔族を目の前にラブコメのようなやり取りをしてしまったかおりは、再び混乱と自己嫌悪で軽いパニックに陥るが小竜姫が事情を説明し再びかおりを落ち着かせていく。
だが神族と魔族が争うことなくひとつ屋根のしたで生活している事実にかおりは強い衝撃を受けていた。