その一
その後滅多にお目にかかれないようなご馳走だった夕食を挟んで、明日の除霊の話し合いをすることになったのだが……。
「本当にやるのか?」
「本番前にそれぞれの実力を少しでも知る必要はあると思いますわ」
話し合いをする前にかおりが一度全員で互いの実力を確認するべきだと言い出してしまい、温泉旅館の駐車場の端を借りて互いの能力と実力を確認することになった。
正直横島は風呂に入った後で動くのは面倒だったのだが、他のメンバーは割と乗り気であり逃げられなかったのだ。
ちなみに横島と雪之丞とピートは温泉の浴衣のままだったが、他のメンバーは霊衣として持参した服に着替えている。
無論魔理は特攻服だったが、幸いなことに他の客には見られなかったが。
「ではまずは私から。 攻撃と探知系の能力と術はある程度使えます。 切り札はこれです」
駐車場の明かりで薄暗い中、かおりは簡単な能力と術の説明をしてから弓式除霊術の奥義水晶観音を使って見せた。
実際かおりの水晶観音を知らないのはピートだけだが、万が一ということもあり事前に見せる必要があると判断したらしい。
「あたしは弓みたいに細かいことは出来ないけど、場数は踏んでるから戦闘ならやれるよ」
かおりに続いたのは全員が実力を知るおキヌを省き魔理だった。
特に見せるべき術もないので木刀に霊力を込めて見せるが程度だが、さほど反応する内容もないので次に続く。
そのままピート・タイガー・雪之丞と最低限の能力を説明してそれぞれに使って見せるが、何故か横島は最後だった。
「俺は普段使うの霊波刀と文珠くらいかな」
先程からみんな淡々と説明しており横島はどこか重苦しい空気を感じる中、霊波刀を出して伸ばしたり縮めたりして終わる。
文珠については一応見せはしたが、使って見せるには少々もったいなく本当に見せるだけだった。
実のところ横島は他にもサイキックソーサと霊波砲も使えるが、実戦で使った経験があまりない。
使えない訳ではないが、霊波刀の方が圧倒的にコストパフォーマンスがいいのだ。
「あの、少し見せて頂いてよろしいですか?」
「ああ、いいよ」
あまりやる気の見えない横島だったが、一番反応したのはやはりかおりだった。
いつになく緊張した表情で文珠を借りると、恐る恐る手に取り見つめる。
「これが、あの文珠ですか……」
まるで宝石でも扱うように文珠を持つかおりを、魔理以外の者は驚きもせずにただ見守っていた。
日頃の横島を見ると忘れそうになるが、文珠は神器と言われることがあるほど珍しい能力なのだ。
記録に残る限りでは人間で会得した者はいない。
かおりの反応は周囲の者達に横島の能力の貴重さを再認識させるには十分だった。
「あの玉、そんなに凄いのか?」
「そうですノー。 あれがあればどんな強力な相手とも戦えるですケン」
一方一人事情を理解してない魔理はタイガーにコッソリと尋ねるが、タイガーの説明はかなりアバウトである。
実際のところタイガーも文珠の詳しい情報を知らなかった。
まあ元々オカルト業界でも文珠に関しては伝説や神話に近い話しか残ってなく、業界人ですら知らない方が多い。
従ってタイガーや魔理の反応は割と普通のものだった。
「本当にやるのか?」
「本番前にそれぞれの実力を少しでも知る必要はあると思いますわ」
話し合いをする前にかおりが一度全員で互いの実力を確認するべきだと言い出してしまい、温泉旅館の駐車場の端を借りて互いの能力と実力を確認することになった。
正直横島は風呂に入った後で動くのは面倒だったのだが、他のメンバーは割と乗り気であり逃げられなかったのだ。
ちなみに横島と雪之丞とピートは温泉の浴衣のままだったが、他のメンバーは霊衣として持参した服に着替えている。
無論魔理は特攻服だったが、幸いなことに他の客には見られなかったが。
「ではまずは私から。 攻撃と探知系の能力と術はある程度使えます。 切り札はこれです」
駐車場の明かりで薄暗い中、かおりは簡単な能力と術の説明をしてから弓式除霊術の奥義水晶観音を使って見せた。
実際かおりの水晶観音を知らないのはピートだけだが、万が一ということもあり事前に見せる必要があると判断したらしい。
「あたしは弓みたいに細かいことは出来ないけど、場数は踏んでるから戦闘ならやれるよ」
かおりに続いたのは全員が実力を知るおキヌを省き魔理だった。
特に見せるべき術もないので木刀に霊力を込めて見せるが程度だが、さほど反応する内容もないので次に続く。
そのままピート・タイガー・雪之丞と最低限の能力を説明してそれぞれに使って見せるが、何故か横島は最後だった。
「俺は普段使うの霊波刀と文珠くらいかな」
先程からみんな淡々と説明しており横島はどこか重苦しい空気を感じる中、霊波刀を出して伸ばしたり縮めたりして終わる。
文珠については一応見せはしたが、使って見せるには少々もったいなく本当に見せるだけだった。
実のところ横島は他にもサイキックソーサと霊波砲も使えるが、実戦で使った経験があまりない。
使えない訳ではないが、霊波刀の方が圧倒的にコストパフォーマンスがいいのだ。
「あの、少し見せて頂いてよろしいですか?」
「ああ、いいよ」
あまりやる気の見えない横島だったが、一番反応したのはやはりかおりだった。
いつになく緊張した表情で文珠を借りると、恐る恐る手に取り見つめる。
「これが、あの文珠ですか……」
まるで宝石でも扱うように文珠を持つかおりを、魔理以外の者は驚きもせずにただ見守っていた。
日頃の横島を見ると忘れそうになるが、文珠は神器と言われることがあるほど珍しい能力なのだ。
記録に残る限りでは人間で会得した者はいない。
かおりの反応は周囲の者達に横島の能力の貴重さを再認識させるには十分だった。
「あの玉、そんなに凄いのか?」
「そうですノー。 あれがあればどんな強力な相手とも戦えるですケン」
一方一人事情を理解してない魔理はタイガーにコッソリと尋ねるが、タイガーの説明はかなりアバウトである。
実際のところタイガーも文珠の詳しい情報を知らなかった。
まあ元々オカルト業界でも文珠に関しては伝説や神話に近い話しか残ってなく、業界人ですら知らない方が多い。
従ってタイガーや魔理の反応は割と普通のものだった。